三鷹歌農書 201-220 5 三鷹歌農書 2023年11月6日 22:06 満ちながら月(つく)よみの吸ふ土のみづ菜の根に届き菜の列揃ふ三鷹歌農書 (二◯一)ムクナ豆の房を抑ふるナタマメに主役あらそひのさまをおもふも三鷹歌農書 (二◯二)秋バラの大きく咲くも風ならぬわが息にさへほろびてしまふ三鷹歌農書 (二◯三)消えてゆくものなどあらずハナグモは花のひかりの結晶として三鷹歌農書 (二◯四)猫二ひきじやれあふやうに湯にゆるび香り奏づる白薔薇ボレロ三鷹歌農書 (ニ◯五)真夜一輪咲き定まれり型も香も極まりたれば鋏を拒む三鷹歌農書 (二◯六)雄蕊一つ花弁と化して大輪の薔薇の真中に帆を張るごとく三鷹歌農書 (二◯七)散るほかは無き明日なれば花終ふるバラを聚めて花壇の縁に三鷹歌農書 (二◯八)くれなゐの最も濃きに煮詰まりぬバラそれぞれに色の違ふに三鷹歌農書 (二◯九)バタフライピーシロップとパンプキンパンp音の泡立ちも食む三鷹歌農書 (二一◯)武蔵富士とふ四股名を与へたきまでに力石(ちからいし)を産みたるキャベツなり三鷹歌農書 (ニ一一)一ツ目に睨まれゐるやローゼルの奥にひそめるオディロン・ルドン三鷹歌農書 (二一二)武蔵野のブタマタギとはラグビーのボール爆ぜたるごとき芋なり三鷹歌農書 (ニ一三)豚さへも跨ぐ味とやブタマタギ掘りあげし子らは大いに燥ぐ三鷹歌農書 (ニ一四)ぎりぎりの結球ねがひ霜月の初めハクサイ植え直すなり三鷹歌農書 (ニ一五)競り合ひし隣が抜かれ空く穴のさびしさうにも見ゆるダイコン三鷹歌農書 (二一六)ローゼルの根の踏ん張りを褒めながらシャベルを置いてまた一休み三鷹歌農書 (二一七)スクラムの組んず解れつ豆板醤炒めにしたる茄子とピーマン三鷹歌農書 (ニ一八)山査子に砂糖をまぶし煮て溶かしおもひのままに固め直せり三鷹歌農書 (ニ一九)土を出て味噌に絡まる宿命を全うしてくれたる落花生三鷹歌農書 (ニニ◯) ダウンロード copy #写真 #短歌 #家庭菜園 #ハーブ #野菜作り #三鷹歌農書 5 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート