文学書を国別に分ける 2023年3月【3】
ムーミンの隣にアラビアンナイト
かつて私は蔵書を国別に並べていた。前回記事でそう書きました。当時の写真が見つかりましたのでお見せします。
基本的に国別になっていますが、完璧ではありません。
中央右にイプセン『人形の家』がありますが、これはノルウェー文学です。その右はケラー『村のロメリアとユリア』でスイス文学。その右は『千一夜物語』。「アラビアンナイト」のことです。その右がヤンソン『ムーミン』シリーズで、フィンランド文学。
バラバラです。ノルウェーとフィンランドは北欧ということで、まとめて置いたほうがいいでしょう。ケラーはスイス人ですがドイツ語作家なので、ドイツ文学に含めるか、その隣が良さそうです。
アラビア文学をここに置くのは変です。ただ中東の作品はこれだけなので、ひとつのコーナーをつくることができません。『ムーミン』の後ろあたりがいいでしょう。
ここまで書いてから気付きました。当時の私は「その他の国」というカテゴリーで分けたのかもしれません。ケラーがドイツ語作家という点は考慮せず、ただ「スイス文学」として見たのです。すると『千一夜物語』の隣に置いても間違いではないわけです。
文学が苦手
なおここに並べてある本のほとんどは読んでおりません。読書は好きでしたが、文学は苦手だったのです。読むべきと考えて購入しただけで、結局最後まで読みませんでした。この写真を撮ってまもなく、まとめて古本屋に売ってしまいました。
文学は知識として好きなのです。「トルストイと言えばあれとあれで、こういうことを世に問うて、こういう影響をもたらした」と知るのは好きなのです。でも作品そのものを読むことができません。小説で一番好きなのは巻末の解説です。
なぜ文学に没入できないのだろうか。いつもそう思っていました。人類の宝を堪能できないことが残念でならなかった。私は文学青年に憧れる青年でした。
でも本当はコンプレックスなど持たなくて良かったのです。読めないのは小説だけで、随筆も評論も読めたのですから。これらも立派な文学です。
メインは宗教、哲学、自己啓発
高校1年から本の虫になりました。宗教、哲学、自己啓発ばかり読んできました。本を読み始めたばかりの頃、手にしたのが下記の本。
哲学の入門書です。何度も読み返しました。いつもリュックのフロントポケットに入れていたので、雨で濡れてフニャフニャでした。
宗教評論家ひろさちやへの熱中ぶりは尋常ではありませんでした。
この異常な量の書き込みから、高校時代の私が見えてくると思います。情熱がほとばしっています。
インドの哲学者クリシュナムルティにも入れ込んでいました。こちらも写真があります。
東京青山のクリシュナムルティセンター(当時)に赴き、会合に参加したものでした。メンバーは10人ぐらいだったと思います。全員年上でした。
詩人・立原道造
最後にまた文学について話します。小説は読めず、詩歌好きでもありませんでしたが、詩人の立原道造だけは好きでした(今も好きです)。
この全6巻の全集を購入したのは大学2年か3年の頃。神田の古書店街で見つけました。1万5000円だったと思います。一度はあきらめたのですが、どうしても欲しくなり、翌日また出向いたのでした。
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30代実家暮らし、働かず家にいる男の日記(あぎるnote)
著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…
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