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東京美術館めぐり 2024年2月【2】

前号

2月8日

台東区・東京都美術館で「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」という特別展を鑑賞した。

料金は一般2200円。私にとっては大金だ。無職でお金がないので、普段は常設展や公募展しか行かない。今回は値段に見合う感動があると踏んで奮発した。

展示作品は68点。1時間ぐらいで観終えた。

展示室の最初のほうはだいぶ混雑していた。行列に並んで牛歩戦術のように鑑賞するか、人垣越しに遠くから眺めるかの二択。

私は自分のペースで観たいので後者を選んだ。3回ほど戻ってみたが、いつ見ても混んでいる。最前列で観ることはあきらめた。そのエリアを抜けると、あとは比較的すいている。ただひとつの絵に何分も留まるのは難しい感じだった(次々に人が来るので気がとがめる)。

言わずと知れたモネの「睡蓮」はやはり素晴らしかった。あの青と緑と白が絡み合ったようなぼんやりとした色合いは、なんて見事なんだろう。ずっと観ていると、水面がモヤモヤと動き出す。

(本展のチラシより)

アンデシュ・レオナード・ソーン「オパール」は、上半身裸の女性が川岸で川を眺めている絵。いったいどういう状況なのか。女性たちの白い肌と赤みの強い乳首の色合いが健康的で印象に残った。

(本展のチラシより)

日本人画家の作品も何点かあった。世界の画家たちと引けをとっていない。これらは国内の美術館に所蔵されている。観ようと思えば観に行けるのは嬉しいことだ。藤島武二、斎藤豊作、太田喜二郎などが気に入った。

パリ在住の画家は、トワックマン「滝」のような絵は描かないだろう。こういった力強い自然はアメリカ印象派ならではと言えるのではないか。

アメリカは新しい国で、ヨーロッパよりもダイナミックな自然を有している。それは「滝」に限らず、多くの絵に表れているように感じられた。今回の展示では、そのことを絵画を通して知ることができる。

2月9日

2日連続の美術館。この日は八王子にある東京富士美術館に行った。交通アクセスは良くない。拝島駅と八王子駅の間にある。私は拝島駅からバスで向かった。

途中、丘陵をひとつ越える。どんどん山奥に入っていく感覚があり、なんだか不安になった(再び街が見えてきた時にはホッとした)。

池田大作氏によって創立された。私は創価学会とは無関係のため、多少警戒しつつ入館。広いエントランスに受付係がふたり。非常にすいている。平日の昼間で、話題の特別展が開催されているわけでもない。そうなると、こんなものなのかもしれない。

1階から3階まで続く長いエスカレーターを経て、展示室に入る。ルネサンスから現代までの絵画や彫刻が並んでいる。収蔵品の時代は国立西洋美術館と重なる。マネ、モネ、ルノワール、ゴーギャン、モディリアーニといった、誰もが知る画家の作品も含まれる。

ほぼ貸切状態だった。学芸員(監視員?)はさぞかしヒマだろうと思う。

常設展のほか「シルクロードと日本」という企画展をやっていた。平山郁夫の絵画が展示されていた。池田氏が携わっていたようで、業績を宣伝している感じがあった。まあ、創設者のPRはよくあることだ。

鑑賞後、拝島行きのバスを調べる。なんと1時間以上も来ない。仕方がないので展示室をもう一周した。それでも時間が余ったが、休憩所でお茶を飲めるし、ライブラリーで美術書も読めるため、退屈はしなかった。

なかなか良い美術館だと思う。最大の問題は交通の便だ。八王子駅からバスで約15分(拝島駅からは20分強)。時間や距離はさほどではないものの、バスが必須の時点で行きにくい。心惹かれる展示会があったら、また行くだろう。

常設展の料金は一般800円。私はSNSフォロワー割引を使い、700円で入場した。鑑賞時間は1時間程度。私立美術館としては良心的な価格だと思う。

***


エントランスに展示されている「アッリアとパエトゥス」という作品。気に入ってしばらく眺めていた。

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著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…

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