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思えば、ずっと、そうだった。

子供の頃から学校へ行かなければならない意味とか、たくさんお友達を作らなければならない意味とか、弟やペットに優しくしなければならない意味とか、全然分からなかった。

意味は分からないけれど、やらなければならないという認識があり、学校へ行きたくない気持ちはダメな事なので学校へ行き、弟やペットは可愛がるべき存在のため優しくし、ほんとうは一人でずっと絵を描いていたかったけど、お友達とやりたくもないドッジボールをしていた。

そうやって、やりたい事よりもやるべき事を優先して生きてきた。大人になって夢や希望がなくなった訳ではなく、ずーっと昔から、やらなならばならない事をこなしていくだけの日々だった。

それはとても『普通』で『健全』で『正しい』事だった。

いつからから、やりたい事とやるべき事の境界が曖昧になり、やるべき事をやる事が生きる事になっていた。

学校も勉強も大嫌いだったけれど進学し、ずっとバイトでもよかったけど就活をして社会人になった。結婚をし家を出て家族をつくった。

そういう日々のなかで、美味しいものを食べたり、素敵な服を買ったりしながら、自分の気持ちを誤魔化して生きている。それが、私の人生だ。

このところ、どうも精神が不安定で、泣いてばかりいる。仕事がうまくいかないとか、旦那にイライラしたりとか、自分がどんどん老いていく事とか、なんかもう全部嫌なんだけど、今この瞬間に起きている現象が嫌なのではなく、約40年かけて積み上げてきたもの全てにうんざりしているんだと思う。

旦那にきつい事を言われて泣き、そのくらいで泣く?みたきなうんざり顔に対して、私はこの気持ちを言語化して正しく伝える語彙力もコミュ力も無い。

要するにただ辛くて、悲しくて、涙が止まらないだけなのだが、その悲しみの深さや奥行きは私以外の誰にも理解は出来ない事なのだ。

水分と栄養をとってしっかり眠り、また明日から何食わぬ顔でやるべきタスクをこなしていく。人生とはただ、それだけの事のように思う。

他人から見て幸せであれば、それは正しい。けれども幸福とは限らない。


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