見出し画像

人材紹介事業を新規で開業する社長様へ

はじめに


開業のための資金を貯め、事務所を用意し意気揚々と身銭を稼ぐことを夢見て新たな一歩を踏み出した社長の皆さん、おめでとうございます。

このビジネスに目をつけたこと、そして理由の如何にせよ人材紹介というビジネスに少なからずの力を注ごうとする同胞が増えることを心から嬉しく思っています。あなたが考えている通り、人材紹介というビジネスは開業しやすく、かつ利益率が高いため儲けやすいです。

それに加えて、他人の人生において重要な選択である『転職』という機会に携わり、良い転職先を紹介したときに喜び、感謝を直接受けるというやりがいも込みでついてくる、実にいいことばかりのビジネスです。

実際に2023年現在、日本における人材紹介を行っている事業は約3万社ほどあり、その数は毎年約1000社ずつ増えていています。その裏で、数百社の会社が廃業や事業撤退を余儀なくされています。その理由をこの後に解説していきます。

1、人材紹介事業を始めることは簡単


年間に1000社を超える企業が人材紹介事業を始めようとするのに裏付けされているように、人材紹介事業は参入障壁がかなり低いです。その他諸条件あるのであくまで簡略化してお伝えしますが、『500万円』と『プライバシーが担保される事業所』が存在すれば人材紹介の免許を取得する条件を満たすことができます。この事実を知り、事業を始めようとしたのがみなさんだと思いますが、同じように考えて動いた人が他にも1000社いるということです。さらには、すでに3万社を超える同業他社が日本に存在しています。その競合たちから抜きん出て利益を作り、同時に掲げたビジョンを如何に成し遂げていくかということを次に語りたいと思います。

2、人材紹介事業を始めるときや紹介中にやることはたくさん


人材紹介経験者でないにも関わらず、例えば企業の人事だった方や、営業だった方が人材紹介を開始して、『知らない』が故に事業がうまくいかず潰れていく事例をいくつも見てきました。その原因の一つには、なんとなく出来そうという先入観です。実際、紹介という行為自体が簡単であることは否定しません。もしかしたら皆さんの中にはすでに原体験があって人材紹介は簡単なのではないかという考えに至った方もいらっしゃるでしょう。

例えばですが、友人から転職を考えている相談を受けてなんとなく思い当たった企業を受けてみたら?と提案したところ、とんとん拍子に事は進み、彼はその企業に就職することになったという原体験があるかも知れません。それ自体は立派な紹介であり、私が言う人材紹介の大枠を捉えた行為です。

しかし、そこに紹介料という事象を加えると事態は一変します。候補者の年収の35〜40%を企業からいただく以上、人材紹介という行為には責任が伴い、小さなミスも許されなくなります。本来であれば企業と候補者が直接やり取りをし、お互いが納得すれば就職するというごく自然な行為の中に、あえて歪んだ行為である紹介をねじ込み、さらにはねじ込んだだけではなく紹介料を発生させているのですから、企業も候補者もかなりセンシティブになります。転職活動における必要なプロセス(書類選考→面接複数回→内定→内定承諾→退職交渉→入社)に加え、企業との契約やその他やり取りを抜粋しただけでもかなりの労力と時間を費やすことになります。

これだけではイメージし切れないと思いますので、開業から一人、さらには複数名規模の人材紹介事業を立ち上げに至るまでに必要になる一部を下記に羅列します。

複数項目でもイメージ出来ていなかった方は『無知の知』を自覚して、さっそく動き出しましょう。ライバルは一歩先を行っています。

3、人材紹介事業を続けることはかなり大変


人材紹介事業が思ったよりもうまく続かない理由を、あえて定性的な表現をするとその『飽きやすさ』にあると考えます。ビジネスモデルを考えるとわかりやすいのですが、人材紹介は売上が立つのか0になるか、常に0か100なのかという世界です。候補者が内定承諾をして入社しないと売上は立たないので、内定が出たからいくらかをもらえる等はないのです。

そのため、最初に売上が立つまではつらい仕事となります。何がつらいのかというのはまた別で解説しますが、最初の成約が出るまでには早くとも3ヶ月、時間がかかれば半年経つこともざらにあります。ちなみにですが、半年を超えて成約が出ないようであれば、厳しいようですがセンスがないと判断し、事業撤退も考慮に入れた方がよいでしょう。実際に多くの人材会社でも半年をラインに退職勧告する、もしくは厳しい指導をするマネジメントに切り替えるなど対処方法の変更を余儀なくされています。半年間売上が立たないことは、経営するにあたっても過酷だと思いますので、短期間で成約になるよう必死に進めていただけると嬉しいです。

晴れて成約が立つようになると、次のフェーズに移ります。最初の2〜3回ほどは成約が続きますが、それを間隔をあけずに行うことは至難の技です。さらに連続で成約を上げ続けることにもし成功すると、その後には属人化と飽きが襲ってくることになります。人材紹介において属人化は未だに解決できない課題です。人材紹介をやっていると自分のやり方に固執しがちです。そして勝ちパターンがあるが故に、紹介し続けることに飽きてしまうのです。それが人材紹介業界から撤退したりキャリアチェンジしてしまう人が跡を絶たない理由です。

おわりに

改めてですが、人材紹介事業を新たに始められること、おめでとうございます!これから起こる良いこと、そして困難を一緒に乗り越えられればと思っておりますので、もし私がお伝えできることがありましたらいつでもお声がけいただけると嬉しいです。人材業界の未来が明るくなること、そしてこの業界でいつまでも働きたいと思えるように、発信を続けていきたいと考えておりますので引き続き何卒宜しくお願いいたします。

株式会社AGENT SUCCESSとは:
人材紹介事業の立ち上げ及びコンサルティングを行う人材会社です。
業界の経験を活かし、本質的で社会貢献性のある人材紹介を実現するためのお手伝いをさせていただきます。また、業界の負を解消し、企業・候補者・人材紹介それぞれにメリットのあるサステナブルな紹介方法を採用しておりますので、ご興味ある企業様および人材紹介会社様はお気軽にお声がけしてください。


この記事が参加している募集

#採用の仕事

2,134件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?