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100万人不足?AI人材獲得競争

 「AI人材」という言葉をご存知でしょうか。最近ではほとんどの人がその意味を知っていると思われる「AI」ですが、AIを扱った仕事を専門的にする人材を「AI人材」と呼びます。AIは言うまでもなく便利な技術ですが、現在の私たちの生活においてAIが有効活用されている例はあまり多くありません。それほどAIを適切に扱い、開発することは難しいのです。AIを専門的に扱うスキルと知識を持ったAI人材は、すでに世界中で引く手あまたです。

世界のAI人材競争

 世界でも最もAI人材獲得に力を入れているのは、アメリカと中国です。アメリカでは2018年5月にホワイトハウスでAIの専門家を集めたAIサミットを開いたり、グーグルはAI研究のためのグーグルAI中国センターを北京に作りました。また、中国のネット通販最大手のアリババは、AI学会に参加し、優秀な学生を囲い込もうとしています。では、日本はどうなっているのでしょうか。

日本のAI人材確保状況

 日本は上記の2国に比べて、かなりAI人材の育成は遅れていると言われています。主な理由は年収の差です。アメリカで、AI人材の年収は現在新卒で約1,200万円に対し、日本では約600万円です。日本の企業では、いまだに年功序列の常識があるので、能力・成果にかかわらず給与が決まってしまう現状があります。このような給与体系では日本が米中に追いつくことはできないでしょう。AI人材に限らず、IT人材の平均給与はアメリカが日本の2倍と言われています。実際、IT人材白書2018によると、企業の規模を問わず、半分以上の企業がAI人材の確保ができていない、と回答しました。

出典 : Tencent Research Institute (2017), “Global AI Talent White Paper”

AI人材になるには?

 では実際どうすればAI人材になれるのでしょうか。まずAI人材は2種類に分けることができます。直接的なプログラミングを行うプログラマーと、データの分析を行うアナリストです。なので例えば、アプリ開発のエンジニアや、データアナリストはこれまでの経験を生かすチャンスがあります。また、全くの未経験でも以下の知識を有する方であれば、十分AI人材になれます。

①機械学習、およびディープラーニングに詳しい

②Pythonが書ける

③データ解析に詳しい

しかし、これらの知識を得るにはなかなか独学では厳しいのが現状です。大半のAI人材はこれらを大学の研究室やAIエンジニアの専門学校に通って習得します。

AI人材を確保する方法

 AI人材はどうすれば確保できるのでしょうか。AI人材の需要に供給が追い付いていない現状は説明してきた通りで、米大手IT企業のようにまずエンジニアが惹かれるような職場環境を作ることから始めるべきでしょう。職場環境づくりの中には、もちろん「高い給与」も含まれます。給与以外でも、「自由に仕事に向かえる職場」もやり甲斐を見いだせるという点では惹かれるかもしれません。また、アメリカでは大学と連携して、早い段階で優秀な学生を確保するための育成プログラムを実施する企業もあります。やはり使える手段は全て使わないと確保できないのがアメリカの企業の例から分かります。日本企業との意識の差が確実に見て取れます。

 本稿ではAI人材について触れましたが、IT人材全体ではどうなっているのでしょうか。

 

 現在、IT人材全体では需要に比べてSEやプログラマーが不足している現状ですが、経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年に「従来型IT人材」は10万人余り、AIやIoTに関わる先端人材は55万人不足する、と推定されています。先端人材とは、従来のIT人材に比べて、付加価値の創出や革新的な効率化に寄与するIT人材と定義されています。つまり10年後には、エンジニアはただプログラムを書けばいいのではなく、他と差をつけられるような能力を有していなければ、仕事に就けない状況になるかもしれない、ということです。このように、AI人材は今後間違いなく理系技術職の中でも中心となってくるでしょう。国内での給与も上がっていくことが見込まれています。少しでもAIに興味がある方はぜひAI人材を目指してみては?

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