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SF界のモンキー・D・ルフィ。映画「ホドロフスキーのDUNE」

<映画のあらすじ> アレハンドロ ・ホドロフスキー監督が1975年から3年を費やし企画したが、撮影を前に中止となった幻のSF大作「DUNE」。後のSF映画に多大な影響を与えた、脚本と絵コンテ、美術デザインに関わった関係者の証言をまとめたドキュメンタリー映画。

「魂の戦士」を探す3年間の冒険

「海賊王に!俺はなるっ!」でお馴染みの漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の主人公であるモンキー・D・ルフィの決め台詞は、目的の原動力になっている。

ルフィの断固たる決意は、敵だった人たちをも巻き込み、次々と冒険の仲間を増やしていくのだが、この映画の主人公であるホドロフスキー監督も、その情熱と決意を持って世界中から映画を創る仲間を集めていく様は、まさにルフィのよう。

映画化不可能と言われた小説、フランク・ハーバートの「DUNEを創る人は「魂の戦士でなければいけない」というホドロフスキーは「2001年宇宙の旅」で実績のある特撮監督のダグラス・トランブルをも「お前は戦士じゃない、ただの技術屋だ」とダメ出しするほど独自の人選をするのだが、そのメンバーは今では信じられない面子である。

ホドロフスキーの元に集う「魂の戦士」たち。

<若き才能>
■脚本 ダン・オバノン(エイリアンの脚本と特撮)
■絵コンテ ジャン・ジロー(宮崎駿や大友克洋も影響を与えた漫画家)
■美術デザイン H・R・ギーガー (エイリアンのデザイン)

<冗談のようなキャスト>
■サルバドール・ダリ(アーティスト)
■ミック・ジャガー(ミュージシャン)
■オーソン・ウェルズ(映画監督)

まだ認められていない才能ある人たちを見つけるだけでなく、すでに地位も名誉もある人たちをも巻き込んでいく、ホドロフスキーの強い意志と情熱は勇気をくれる。

この映画は人を動かす力の本質を伝えてくれた。だからこそ未完に終わってもホドロフスキーの意志が後世に伝わり、後の映画に多大な影響を与えることになったのだと。

映画「ホドロフスキーのDUNE」はNetflix(ネットフリックス)で鑑賞できます。(2017年9月現在)


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