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その光が照らすもの

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2016年4月の記事一覧

その光が照らすもの 14.東京制覇 2

学校から向かったのは車などの修理店。と言っても営業はしていない。賢也の親戚の店で、使わなくなったということで使わせてもらっている。主にバイクの置き場に。
車五台が置けるスペースなのでバイクは人数分三十三台が入る。今は幾つか使われているみたいで数箇所空いている。
自分のバイクのバイクカバーを外し、表に出す。
そのとき着信が来た。貴史からだった。
「双葉ちゃんの居場所がわかったぞ。うちのもんが誘拐現場

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その光が照らすもの 13.東京制覇 1

双葉と出会って一週間経った頃、晴人のもとに電話がかかってきた。電話の差出人は富津円。
「もしもし」
『ニュース見た?』
もの凄い迫力で聞いてくる。その声は泣いているように聞こえる。
「見てないけど、どんなニュース?」
『双葉ちゃんが誘拐されたの』
「え」
驚きのあまり言葉を失う。誘拐されたことに対してではない。誘拐されたことを円が知っていることだ。
「いつ、どこで誘拐された?」
『たぶんだけど、九

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その光が照らすもの 12.幕間 2

中学生のときの晴人は荒れていた。荒ぶっていた。ハチャメチャで滅茶苦茶だった。野蛮で横暴で非道で怠惰だった。誰もが恐れ畏怖し話しかけられる人はごく一部だった。ごく一部とは後に夜覇王のメンバーとなる者。高校生の晴人のようになるのは中三になって半年の頃だった。それまでは正しく魔王であった。
中学の三年間で晴人、翔、賢也、奈緒の四人で学校内で壊した物は窓ガラス十二、机八、椅子十、扉十一、トロフィーなどの記

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その光が照らすもの 11.幕間 1

双葉は今日、仕事がないので朝から学校に行っている。朝から双葉がいると周りの人は結構びっくりする。特に先輩が。朝から行くといつも先輩たちに話しかけられ、教室に着くのが時間ギリギリになるのが問題の種。
そして今日もまた教室にギリギリで着いたため、友達の話が途中で輪に入れない。しかし今日はちょうど話が変わるところだった。
「今日のニュース見た?警察署内で銃を発砲したって話」
「見た見た。怖いよね」
「な

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