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半年間ほったらかしにしていること。

リモートワークのBGMと化している、RBCiラジオ『MUSIC SHOWER Plus+』。月~金でやっているこの番組の終わりに、必ず「チロンチロンピーこと、くだかまりでした!」というパーソナリティの挨拶が入る。

「“チロンチロンピー”って一体なんのことなのだろう」と毎回疑問に思うのだが、それをずっと疑問に思い続けるほど重大な疑問でもないので、疑問に思ったそばからすぐに忘れてしまう。そのせいで、番組を聞くようになって半年経った今も疑問を解決できていない。

この半年、“チロンチロンピー”の語源にまつわるような話にはならなかったので、リスナーの間では「地球は丸い」という感じで、あまりにも当たり前すぎて話題にものぼらないのだろう。

気にはなる。しかし、もし知ってしまったら、それはそれで寂しいような気もするし、“一体何なんだろうな感”のこそばゆい感じも嫌いじゃない自分がいるので、とりあえず何もしないでおこうと思う。

じつは“チロンチロンピー”以外にも、半年間放置していることがある。
それは、今年4月、親戚が送ってくれた小包だ。
GW期間、田舎へ遊びに行くはずだったのだが、こういう状況なので断念した自分を気遣い、叔父と叔母が送ってくれたのだが。
半年経った今も小包は未開封のまま、キッチンの隅っこで解き放たれるときを待っている。

昔、田舎から送られた果物を半年間放置後、開封したことがある。
箱の中は、見る影もないほどに崩れ落ちた果物だったものに集まる無数の黒い物体が、羽音を響かせて描く地獄絵図になっていた。
一瞬パンドラの箱を思い浮かべたが、すぐに打ち消した。
パンドラの箱には希望が入っていたが、
この箱には希望どころか、後悔だけしか残っていなかったからだ。

鳴呼、キッチンの箱の中身が気になってしかたない。
夏を越えたその中身は……。“開けたらとんでもないことになる予感”しかしない。かといってこのまま放置するのが一番ヤバい、絶対にヤバい。
ああ誰か、自分に勇気を……。

“Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.”
(人生はクローズアップで見れば悲劇だが、
ロングショットで見ればコメディだ)    
                                               by Charles Chaplin
       (チャールズ・チャップリン)

なるほど。
さあ、勇気を出して箱を開けよう。
我がコメディ人生の主人公になるのだ!


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……………。

“田舎にこれなくて寂しいだろうから、
これ食べて元気出してね”


親戚からのメッセージが入っていた。
叔母さん、ありがとう。
でもこれ、東京でも買えるよ…。

そっと箱のふたを閉じた。
そう、人生はコメディなのだ。

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