見出し画像

意外と優しい世界で、うそつきの私とおさらばする

自問自答ファッション教室に行ってきました。

【少人数で学ぶ】自問自答ファッション教室盛り上がってますっ🗒✨|自問自答ファッション通信|あきや あさみ (note.com)


あきやさんとの出会いは2020年秋。ちょうど今と同じくらいの時期。
この頃、というか、それまでずっと、服が欲しい衝動に頻繁に襲われ、その度にネットショッピングをしては「なんか違うな。」と手放すことを繰り返して生きていた。

とはいえ、服の数はそんなに多くはなかった。
子供の頃は物を溜め込みがちな性分だったけれど、大学生の頃に引っ越しの荷詰めバイトをしたことで、断捨離の鬼になっていたので。
サービスを申し込む家の3割くらいは、引っ越し当日にも関わらず、床が見えていない。
あちらこちらに落ちている紙切れ、一生かかっても着れない量の服の山、納戸に詰め込まれた大きなガラス片、洗われないまま戸棚に仕舞われた食器。
その人にとっては全部大事なものなんだと思う。
だから、ひとつひとつ丁寧に梱包して、新しい家に運んで、またひとつひとつ並べなおす。
でもそれがなんだか無性に虚しくて、打ちひしがれてしまって、物が多い家に行けば行くほど、そのフラストレーションを自分の家で発散し、持ち物が減っていった。
そしてイメコンを活用して、似合うものもわかっていて、性格的にもバリエーションはあまり必要ない。
正直なところ、制服化はもうほとんど済んでいた。

でもじゃあなんで服が欲しいのがやめられないんだろう。
着ている服に満足はしているはず。
でも、ずっとなにかが足りない気がして、それを探しにいつまでもネットショッピングサイトをたゆたっていた。

もう何度も襲ってきた衝動がまたやってきて、検索サイトにそのまま弱音を垂れ流す。(腹痛の時とか、「お腹 痛い」で検索しますよね。ね?)
「服 欲しい どうしたら」
そんな感じのことを検索して、まとめサイトのたぐいを流し見しようとして、あるブログが目に留まった。

自問自答ファッション通信 (jimon-jitou.com)

なにこれ、と思って、読み始めたら止まらなくなった。
まずは自分を知ろう、その上でファッションを選び抜けば、それが自分の心身を守り、自分の価値観を表現し、さらには自分を望む方向へ導いてくれるという話がたっぷりの愛とともに書かれていて、ぼろぼろぼろ、と目から鱗が落ちた。
ああ、私が探してるものは、服屋さんをいくら探したって見つからないんだ。
怒りのままに物を減らしたって、自分を満足させてあげることはできないんだ。

メールを見返すと、講座の申し込みをしたのが9月の終わりだった。
ブログを見つけた日付は正確にはわからないけど、きっと手の早い私のことだから、数日も経たないうちに申し込みをしていたんだと思う。


2021年の初め。待ちに待った講座を受けた。
この時期、災厄が猛威を振るっていて、もともと対面の予定だったところをオンラインに変更してもらった。

画面の向こうのあきやさんは、ブログで見たとおり、優しくてニコニコしていて、とても話しやすくて、楽しい時間を過ごさせてもらった。
(そして、この時期はまだ買い物同行もあり、そちらで直接お会いすることも叶った。)

じゃあ、それで、得たものは?
と言われると、押し黙ってしまう。

もちろん、良い方向に変わったことはたくさんある。
制服化が極まって、毎日同じ服装をすることに抵抗がなくなったし、ハイブランドに軽やかに入店することもできるようになった。
きちんと試着して買い物をするようになって、失敗は激減した。

でも、最初の第一歩であるはずの「自分を知る」が全く達成できていない気がしていた。

それもそのはず。
私、あきやさんの前でめちゃくちゃ優等生を演じました。
だから出来上がったコンセプトも「これが、私…?」という感じだったのです。
これ、もう、本当に、あきやさんに申し訳ない。
でも、私も、それが本当の私だと心の底から信じて、話をしていた。そのときは。

いま思い返すと、「お金があったらやりたいこと」で「オランダに行きたい」とか言ってるんです。
家庭の事情で数か月だけヨーロッパに滞在していて、せっかく近いからとオランダ旅行を計画してたけど、災厄で叶わなくて残念だったなーってことを思い出して、この話をしました。
……正直、世間話です。
全然未練ないです、オランダに。
でも本当にそれくらいしか出てこなかった。
やりたいことも特になくて、というか、私ごときに何ができるんだろう?とそればかりが頭を支配していて。
たまたまイメコンの講座を受講済みだったので、それを生業にすればいいのかな、なんて思って話をして。

一応、それらしく話ができてほっとした自分もいたと思う。
らしく、ってなんだよ。と思うんだけど。
とにかく、私は優等生を演じきって、講座を修了した。

そういう経緯もあってか、実際の阿笠さんとnoteの阿笠さんはギャップがありますね、とあきやさんに言われる。
「阿笠さん、なんてかわいらしくていい子なんだ…」と思っていたら、noteを読んで「オイオイオイオイオイ!!!」となった、と言われてめちゃくちゃ笑った。
教室でその話になったとき、えぞたぬさんにも確かに~と言われたので、意外とそう思われているのかな。
ここでは、ぼそぼそと喋ってますが、ニコニコ明るくて良い子です。


それから、あきやさんに「アウトプットしてみてくださいね」という言葉をいただいて、細々とnoteを書いたりして。
あとは時々、あきやさんに会えそうな催事にお邪魔したり、講演会に伺ったりして。
少しずつ自問自答ファッションを楽しんでいた。

そして、自分で書いた文章を、自分で読み返すことの大切さに、じわりじわりと気付き始める。
思考って、頭の中に飼っているだけでは育たないみたいだ。

あきやさんが言っていた「自分を開示していけばそれに呼応して、同じ考えの人たちが集まってくる」とか。
今推している人の「本当の自分をさらけ出したら離れていってしまうような人は、最初からふるい落としておいたほうがいい。」という話とか。
受け取った言葉を積み重ねて咀嚼して、ああ、本音って出したほうがいいのね、とやっと納得できた。
そうして最近、枷が外れたように楽になった。

誰からも嫌われない自分になって、なんになるの|阿笠ヤコ (note.com)

発信を怖がってしまうわたしへ|阿笠ヤコ (note.com)

子どものころの将来の夢をコンセプトにしてしまおう|阿笠ヤコ (note.com)

こんなこと言っちゃだめでしょ、ということをさらけ出しても、別に世界は変わらないし、逆にそれを面白いと言ってくれる人がいるんだな、とわかってほっとした。


さて、そんなこんなを経て臨んだ自問自答ファッション教室ですが、心底楽しかったです。

初めは自問自答ファッションってなんだろう、というところから、自分がまだ頑張る余地がありそうなことはなんだろうな、というところを思い出させてもらって。

そしてお待ちかね。
あらゆるワードを投げかけられたときに、それぞれどんな風に感じるか?というところを洗い出す。
ここ、すごく面白くて、自分ひとりで受けるのと、人と一緒に受けるのとで競技が全然違った。
もちろん、ひとりで受けても、あきやさんが「こういう風に考える人もいますよー」と教えてくれるけれど。
もう、そのワードが聞こえた時点であからさまに嫌な顔になったり、ニコニコしたり、そういう反応が直に見られるのは本当に面白かった。
わかるわかる!となった人と、次の瞬間には真逆の思想を披露し合っていたりね。

そして、全知全能のあきや神が、お金も世界平和も才能も授けたとき、どう生きていきたいですか?、とみんなの欲望を引き出してコンセプトを誕生させるところのライブ感もすごかった。
(なかなか欲望が出てこないときに、「それは、あげます!」「それは、叶っています!!」と詰め寄っていくあきや神が愉快でした。)
ここの質問群だけ、端から順番に二周してくださったのですが、それがすごくよかった。

私は一番最後だったので、自分は何を言おうかなーと考えつつ、みなさんの話を聞きます。
あきや神が叶えるスケールはどでかいです。
ハイブランドのバッグをいくつでも買えるし、世界中どこにだって行けるし、住めます。もちろん、世界一を獲れる才能だって思いのまま。
事前にいくつか答えは考えていましたが、ああ、これもいいなら、もっと、欲張ってもいいな、と妄想が肥大化していきます。

さらに、ここまで数年の長い時間を経て、自己開示ができるようになった私は一味違います。
一周目の最後にぼろぼろと欲望を垂れ流していきます。

やってみたいことは、「世間的に悪いとされていること」をひととおり。
煙草を吸ったり、風俗に行ったりとか、まあ、その他もろもろ。
依存をしたいわけじゃないので、強靭な精神も授けてもらうことにして。

行ってみたいところは、漠然としてるけど廃墟。
実際は危ないから行かないけれど、そういうのをなしにしてくれるならノーリスク廃墟訪問はしたいな。

で、住みたいのは、森の中。
買い物にも食事にも困らない。
理屈はわからないけど虫も出ない。
私の世話をする人はいるかもしれない。
でもその森の中でひとりぼっちになりたい。
で、あわよくば、神社か寺に住みたい。
……いや、というか、神社を建てて私を祀ってほしい。
人間から崇拝されたい。

途中から自分ヤバイこと言ってるな?と内心焦りつつも、みなさんが「おお!!」という雰囲気で聞いてくださるので、ぜんぶ出た。
ライフワークはなんだろうってところで、今いちばん腹落ちしている「小説家」と答えたところ、「あ、でも教祖はどうですか~?」とさわやかに訊いてくるあきや神も面白かった。(実際、教祖も捨てがたい。)
そして、どんな小説書きます?と言われたときに、人の心を緩めたり解放できるようなものであればなんでも、と答えた。

二周目。
みなさんのコンセプトが進化していきます。
もうこのターンが本当に熱くて、殻を破ったぞ!みたいなところでは「いえーーーい!!!」とガヤを入れてしまった。
やかましくてすみません。

そして私も例に漏れず、一瞬の恥じらいが邪魔をして言えなかった「官能小説家になりたい!」を言い切り、「人の性癖を歪めたい!!」と高らかに宣言します。(ヤバイ。)
気持ちよかった。

結果、教室で出来上がった私のコンセプトは、
「自由で凛として洗練された 魂を解き放つ 人の性癖を歪める 毒を秘めた官能小説家」
前半から後半への緩急がえげつないですね。別人みたい。
掲げるコンセプトはもう少し省略しようかな。自分が忘れちゃうので。


今まで、自問自答ファッションに関係するイベントについて、レポらしいレポを書けずにいました。
だって、本当のことを言えないままで、貴重な機会を棒に振ってしまって、そんな自分を落第生だと思っていたので。
でも、そこからインプットとアウトプットを続けてきて、今回の教室でやっと、第一章を完結できた気持ち。
たっぷり3年かかりましたが、また次のステージに進めそうです。

あきやさん、教室でご一緒してくださったみなさま、とても楽しく有意義な時間をありがとうございました。

これからもよろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?