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yukiko160830
【公開通知】「12月5日【開設準備】」:北風ゆうびん休憩所
こんにちは、深見です。
「12月5日【開設準備】」(『北風ゆうびん休憩所』)を公開しました。
新しく公開しました
— 深見萩緒 (@agarose_chann) December 5, 2023
12月5日【開設準備】 - 北風ゆうびん休憩所【アドベントカレンダー2023】 - カクヨム https://t.co/6aoJpmKqeC
700文字超過くらい誤差ですよ誤差。
「なんて書けばいい?」
「北風郵便局の分室ですって、書いてちょうだいな」
「むずかしい。ぶんしつって、分かんない」
そうか。とゆみこさんは思います。この子くらいの歳の子に「分室」と言っても、たしかに、分かりにくいかもしれません。それに、ちょっとお堅い響きでもあります。
「そうね。そうしたら、休憩所って書きましょうか。お手紙たちが、ここでひと息つくんですからね」
「分かった」
黒板の埃を拭い、男の子は文字を書き始めます。白いチョークで力強く、
『北風』
それから、少し困ったような顔をして、また書きます。
『ゆうびん』
郵便という漢字が分からなかったのです。でも、平仮名で書いた方が、優しい印象になります。男の子はそれで納得して、更に書き進めます。
「きゅう、け、い、しょ……」
「入んないね」
隣で見ていた子猫の女の子が、残念そうな声を出しました。男の子の文字は大きすぎて、『きゅうけいしょ』の『きゅうけ』までしか、黒板の中に収まりきりません。
「ねえ、入んない」
男の子はゆみこさんを呼び、白いチョークを差し出しました。
「漢字で書けば、三文字よ」
「漢字わかんない。書いて」
そこで、『休憩所』の三文字は、ゆみこさんが書きました。
クッキーが焼ける匂い、嗅げる幸せってかんじ。よろしくお願いします。
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