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【公開通知】「12月6日【秋の便り】」:北風ゆうびん休憩所

こんにちは、深見です。
「12月6日【秋の便り」(『北風ゆうびん休憩所』)を公開しました。

 それは、落ち着いた色味の茶色の封筒でした。和紙を思わせる柔らかい手触りの封筒で、金色の蝋で封がしてあります。
 ゆみこさんは封筒をリビングに持ち帰り、木製のペーパーナイフを手に取ります。
 今さらながら、お手紙をここで開けてしまっても良いのかしら、と思ったのですが、局員さんには何も言われなかったし、これまで通りにして構わないでしょう。

 すすっとペーパーナイフを動かして、ゆみこさんは、封筒を開けました。
 すると、

「アー、疲れた。まったく今年はひどいものだわ」
「こんな年、滅多にないよねえ」
「夏が長い年はよくあるけど、こう何度も呼び出されるのはね」
「たまったもんじゃないわよねえ。ああ、疲れた!」

 ワッと、声の波がリビングに溢れました。ゆみこさんは驚いて、辺りをきょろきょろ見回します。だって、声はこんなに溢れているのに、声の主たちがどこにも見当たらないのです。

『北風ゆうびん休憩所』12月6日【秋の便り】より一部抜粋

とうとう言い逃れが出来ない文字数になってきました。よろしくお願いします。


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