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骨董蒐集家がゴネたら

陶磁器というほど曖昧なものはない。
陶器は土からできている。一方、磁器は石からできている。
両者の味わいは全く異なる。
確かに、用途という面をみると両者を区別する意味はない。日用雑器として食卓で用いられたり、花器として生活を彩る。
しかしここでもやはり、味わいの違いというのは歴然とある。器によって映える料理も違えば、生ける花も違う。それを無視してよいものかどうかは甚だ疑問である。
今や、何にしても道具といった一面だけで見る時代ではない。同時に鑑賞の対象としての見方を我々は失ってはならない。
陶磁器という言い方は、日本料理と中国料理を東洋料理とくくるようなものである。

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