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遊戯王 マスターデュエル:テーマ「メガリス」について(前編)

2023年12月06日:リミットレギュレーションの変更等を考慮して、全面的に加筆訂正・再編集致しました。

当ノートでは、遊戯王 マスターデュエルに実装されているテーマ「メガリス」について解説します。

《真炎竜アルビオン》や《合体魔神-ゲート・ガーディアン》が実装された2023年12月5日のアップデートの直後の環境を想定した内容になっています。

テーマ全体の特徴について概説したり、テーマ内カード・関連カードを紹介する「前編」。基本的な動かし方や具体的なコンボルートに言及する「中編」。デッキレシピをまとめた「後編」の3つに分けています。

当ノートは前編です。


概要

遊☆戯☆王オフィシャルカードゲームにおいて「メガリス」は2019年10月12日に発売された基本パック「遊戯王OCGデュエルモンスターズ IGNITION ASSAULT」で初登場・カテゴリ化したテーマです。

初登場時には儀式モンスター6種類、フィールド魔法1種類、永続罠2種類の計9種類のカードが実装されました。その後、儀式モンスター1種類と速攻魔法1種類が追加されました。

2023年12月06日時点では以下のとおり11種類のカードが実装されています。いずれも無制限ですので3枚ずつ投入することが可能です。

  • 儀式モンスター

    • 《メガリス・フール》

    • 《メガリス・オフィエル》

    • 《メガリス・ハギト》

    • 《メガリス・オク》

    • 《メガリス・ファレグ》

    • 《メガリス・ベトール》

    • 《メガリス・アラトロン》

  • フィールド魔法

    • 《メガリス・ポータル》

  • 速攻魔法

    • 《メガリス・アンフォームド》

  • 永続罠

    • 《メガリス・プロモーション》

    • 《メガリス・エマージョン》

遊戯王 マスターデュエルにおいても同様に、上記11枚が無制限カードとして利用可能な状態にあります。

加えて、ソロモードには「メガリスの謎」という名前でゲートが用意されています。そちらからも「メガリス」を学ぶことができるようになっていますので、興味があればぜひ試してみてください!

特徴1:儀式魔法を使わない儀式テーマ

「メガリス」最大の特徴は、儀式テーマでありながら儀式魔法を使わずに儀式召喚できるようにデザインされていることです。

元々は「メガリス」儀式モンスターの効果で儀式召喚を狙っていくデザインだったのですが、後ほど速攻魔法《メガリス・アンフォームド》が追加されたことでモンスターカード以外でも儀式召喚ができるようになりました。

この「メガリス」ギミックを利用した儀式召喚方法はテーマの肝ですので、後ほど別項にて詳しく解説します。

特徴2:守りに長ける地属性・岩石族の儀式モンスター達

「メガリス」モンスターは地属性・岩石族の儀式モンスターで統一されています。メインモンスターやEXモンスターは実装されていません。

全体的に防御力が高い反面、攻撃力は低く設定されています。《メガリス・ベトール》等で相手モンスターを除去して盤面を空けて直接攻撃を狙うか、あるいは《メガリス・ファレグ》等で攻撃力を強化するなどしないと相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えるのは難しいでしょう。

各モンスターにはそれぞれ固有の効果が1つと、レベル2・レベル4・レベル8ごとに共通した儀式召喚効果が1つの計2つの効果が与えられています。

レベル2・レベル4「メガリス」儀式モンスターは墓地からの儀式モンスター回収や「メガリス」カードのサーチといったサポート要員。レベル8の「メガリス」儀式モンスターはパンプアップ・対象にとっての破壊・自フィールドカード保護といった戦闘系・妨害要員とハッキリ役割が分かれています。

特徴3:サポートに特化した魔法・罠

「メガリス」魔法・罠は儀式召喚をサポートしたり、自分モンスターをサポートすることに特化した効果となっています。

相手の効果の発動を妨害したり、相手のモンスターを破壊したりといった効果はないので、そういった動きはレベル8「メガリス」モンスターや汎用カード・他テーマカードに頼る必要があります。

特徴4:4種類の儀式召喚方法

「メガリス」カードによる儀式召喚方法は大きく4種類に分けることができます。

《メガリス・アンフォームド》を利用した儀式召喚方法以外は名称ターン1制約があることは念頭に置いておいてください。

レベル8「メガリス」モンスターの共通効果

1つ目はレベル8「メガリス」儀式モンスターの共通効果を利用した儀式召喚です。《メガリス・ファレグ》《メガリス・ベトール》《メガリス・アラトロン》の3枚が該当します。

手札から自身を捨てることで発動し、自分の手札・フィールドからモンスターをリリースすることで手札から「メガリス」儀式モンスターを出すことができます。

普通の儀式魔法とほぼ同じ効果・使い勝手ですが、それゆえに自分の手札・フィールドから「儀式召喚したい儀式モンスター」「儀式召喚カード(ここではレベル8『メガリス』儀式モンスターのこと)」「儀式素材」の最低3枚がコストとして消費されてしまうのでコスパが悪いです。正直、この儀式召喚方法はお勧めできません。

加えて、見落としがちですが、この効果で儀式召喚できるのは「メガリス」モンスターに限られるという縛りがありますので使用時は注意が必要です。

《メガリス・アラトロン》だけは相手メインフェイズ中に、上記の手順で儀式召喚を行うことができます。これは結構活躍するところ盤面が多くて頼りになります。

レベル4「メガリス」モンスターの共通効果

2つ目はレベル4「メガリス」儀式モンスターの共通効果を利用した儀式召喚です。《メガリス・オフィエル》《メガリス・ハギト》《メガリス・オク》の3枚が該当します。

フィールド上で発動することができ、自身を儀式素材に必ず含めながら自分の手札・フィールドのモンスターをリリースすることで手札から儀式モンスターを出すことができます。レベル8「メガリス」モンスターによる儀式召喚方法とは異なり「メガリス」以外の儀式モンスターも儀式召喚できます。

必ず自身を儀式素材に含めないといけないので、自身を場に残して戦闘に利用したり、壁役として置いておいたり、リンク素材にしたりといったことができない点はマイナスです。

《メガリス・オク》だけは《メガリス・アラトロン》と同様に相手ターンでも儀式召喚を行える強みを持っています。

《メガリス・フール》

3つ目はレベル2「メガリス」儀式モンスターの《メガリス・フール》による儀式召喚です。

自分・相手メインフェイズ中にフィールド上で発動することができます。自身の手札・フィールドからモンスターをリリースし、手札・デッキから「メガリス」儀式モンスターを出すことができます。

儀式召喚できるのが「メガリス」モンスターに限られますが、極めて優秀な儀式召喚方法です。

《メガリス・アンフォームド》

4つ目は速攻魔法《メガリス・アンフォームド》による儀式召喚です。《メガリス・アンフォームド》は相手モンスターの攻撃力を下げる効果もあるのですが、そちらはほとんど使いません。事実上、儀式召喚するためのカードです。

儀式召喚したい「メガリス」儀式モンスターのレベルの倍ちょうどになるように、自分の手札・フィールドからモンスターをリリースして、デッキから対象のを守備表示で儀式召喚します。

儀式召喚の内容自体は《メガリス・フール》の下位互換です。出したい「メガリス」儀式モンスターがデッキにない場合は使えませんし、儀式素材は「対象のレベルの倍ちょうど」でないといけないため、レベルの合計が4・8・16になるようにリリースしないといけません。よって、手札で腐る可能性がある適当な高レベルモンスター(例えばレベル11の《原始生命態ニビル》など)を使って適当に出すことも難しいです。

ただ、悪いところばかりでもありません。《メガリス・フール》の儀式召喚方法に勝る点が2つあるからです。

1つは手札から発動できる点です。《メガリス・フール》の儀式召喚方法は優秀ですがフィールドにいないと発動できません。そして、そのためには他の儀式召喚方法を使って場に出す必要があります。この《メガリス・フール》を場に出すまでがそこそこ大変なのに対して《メガリス・アンフォームド》は手札から発動するだけで済みます。

《メガリス・アンフォームド》の効果で手札・フィールドのレベル4モンスターをリリースして《メガリス・フール》を出すというのは黄金パターンなので相性が良かったりします。

2つ目は名称ターン1が付いていない点です。《メガリス・フール》に限らず「メガリス」モンスターの儀式召喚方法には名称ターン1制約が付いています。この制約によって展開が微妙に足りなくなる場面というのはそこそこあるのですが、そういった場面で《メガリス・アンフォームド》を使えば無理やり展開していくことができて便利です。

特徴5:横展開に適さない

多数の儀式召喚方法があるということで、儀式召喚を繰り返して大型リンクモンスター等に繋げる展開系のテーマなのかと思われるかもしれませんが「メガリス」は横展開に向きません。他の展開系テーマ・アーキタイプと比して、展開にあたって必要になるコストが非常に大きいためです。まぁ、これは「メガリス」に限らず儀式テーマ全般に言えることかもしれませんが……。

「メガリス」儀式モンスターを素材にEXモンスターを展開しようとするのではなく、「メガリス」儀式モンスターと魔法・罠を使って戦っていくことが肝要です。

特徴6:墓地に儀式モンスターを肥やしつつ展開

「メガリス」は、ただ強い儀式モンスターを出せばよいというテーマではありません。墓地に儀式モンスターを貯めて《メガリス・ファレグ》や《メガリス・ベトール》の効果を強めることを意識しながら動かなければいけません。

そのため展開方法が若干特殊というか、コンボのなかには「その動きいるか?」と訝しんでしまう動きがいくつかあります。逆に言えば、そういった変な動きをしないといけないのが「メガリス」ですので、デッキ構築や動かし方は結構難しいです。

もちろん、言わずもがな手札のリソース管理やデッキ内に眠っていてほしいカードの枚数調整等も意識を向けておく必要があるので、やるべきことは多いです。

テーマ内カード概説

ここまでの情報を踏まえたうえで「メガリス」カードをそれぞれ解説します。文章量の都合からカード効果を読み上げるのはできるだけ避け、私の解釈を中心にお伝えします。

《メガリス・フール》

「メガリス」モンスター唯一のレベル2儀式モンスターです。

効果①・効果②ともに非常に強力な効果ですが初動で出すカードではなく、最終盤面に配置する系のカードです。その理由は、効果②を使って相手メインフェイズ中にデッキから《メガリス・ベトール》を出す動きが非常に強いためです。儀式召喚版の《アクセル・シンクロン》や《I:Pマスカレーナ》だと思ってください。

レベル2と低いので《メガリス・アンフォームド》でレベル4「メガリス」モンスターや《センジュ・ゴッド》《マンジュ・ゴッド》といったレベル4モンスターを素材に儀式召喚するのがオススメです。

優秀な展開効果・リソース回復効果をもっているので3積みするのもアリですが、手札から発動する効果はなく、レベルの低さから儀式召喚の素材にするのにも向きません。

よって、総合的に考えると2積みでも十分だと考えます。もちろん、個々人の好み次第で3積みするのも普通にアリです。

《メガリス・オフィエル》

「メガリス」モンスターのサーチ担当です。

「メガリス」はテーマ内モンスターが強い(正確にはテーマ内魔法・罠が弱い)ので「メガリス」モンスターをサーチできる《メガリス・オフィエル》の価値は高いです。

2積みか3積みをオススメします。

《メガリス・ハギト》

「メガリス」魔法・罠のサーチ担当です。

「メガリス」魔法・罠は《メガリス・アンフォームド》以外は微妙なので、相対的に当カードの価値も下げざるを得ません。

1積みか2積みで良いと思います。

《メガリス・オク》

手札交換、および墓地肥やし、および相手メインフェイズ中の儀式召喚ができるマルチタレントです。

効果だけ見ると強そうですが、実際に使ってみるとかなり微妙なカードであることに気づきます。

まず効果①ですが「カードを2枚ドローして、手札を1枚捨てる」か「カードを1枚ドローする」だったら採用も視野に入ったと思います。が、現在の手札交換効果ではわざわざ当カードを採用するメリットは薄いと言わざるをえません。「メガリス」は手札交換要員を気軽に採用できるほど、デッキ・手札に余裕があるテーマではないからです。

効果②は相手メインフェイズ中に「メガリス」以外の儀式モンスターを出せるのが強いです。ただ、であれば《メガリス・フール》や《メガリス・アンフォームド》で良いでしょう。左記2枚のカードとは違い「メガリス」儀式モンスター以外も出せるのは強みですが、であれば専用の構築が必要になります。デッキの内容が【純メガリス】に近づくほどに当カードの投入価値は低下し、他の儀式テーマと混ぜるほどに価値が強まるカードだと評価しています。

ポテンシャルはあると思うのですがイマイチ使いどころが難しいです。そして、使いどころが難しいカードを気軽に採用できるほど「メガリス」にはデッキパワーがありません。

採用しないか、多くても1枚採用で十分です。

《メガリス・ファレグ》

守り色の強い「メガリス」にあって唯一の攻め担当です。

自分の墓地の儀式モンスターの数だけ、自分フィールド上のモンスターの攻撃力・守備力を強化します。一瞬勘違いしそうになりますが、カウントの対象となる儀式モンスターは「メガリス」儀式モンスターでなくてもOKで、かつ攻撃力・守備力上昇の対象には自身も含まれます。また、この効果は重複するため《メガリス・ファレグ》を複数体並べることができればパンプアップの上昇量がすごいことになります。

後攻ワンキルも視野に入る強い効果ですが「メガリス」には相手の盤面を簡単に捲ることができるほどのパワーはないので、無理に後攻ワンキルを狙うような構築にするよりも、先攻をとっての返す3ターン目に出して攻めるのが無難ではないでしょうか。

こちらが先攻をとった場合、自分ターン中に3枚、相手ターン中に1枚か2枚、墓地に儀式モンスターを送ることができます。さらに当カードを場に出すために儀式モンスターを素材にすればバトルフェイズ時には7枚・8枚くらいは墓地に貯まるので2,000点以上の強化が望めます。

攻撃力だけでなく守備力も上昇することから守り要員として――場に出したモンスターの戦闘破壊阻止に使えなくもないですが、フィールドのカードを守るならば《メガリス・アラトロン》の効果のほうが強いですし、《メガリス・ベトール》で場を荒らして、そもそも攻撃されないようにするほうが安全だと思います。よって、やはり当カードは攻め要員として使うべきです。

レベル8なので儀式素材としても優秀であるほか、手札から捨てることで儀式召喚効果を発動できるので何かと便利です。ただ、ろくな妨害効果を持たないので、このカードにデッキスロットを割くことに抵抗があるのも事実です。よって「メガリス」ギミックだけで展開していくアーキタイプの場合は3積みか2積み、「メガリス」以外の展開手段や補助手段を入れている場合は1積みか2積みにするのが良いと考えます。

《メガリス・ベトール》

「メガリス」の切り札といえる存在です。

自分の墓地の儀式モンスターの「種類の数」だけ相手フィールド上のカードを対象にとって破壊します。単純に、墓地に儀式モンスターを送るだけでは効果を高めることができないため、どのようにして送るかの手順はしっかり考えておく必要があります。

破壊効果はかなり強烈で、カードをセットしてターンを返さざるを得ない罠デッキ相手には滅法強いです。また、展開途中に無防備なカードが並んでしまうタイプのアーキタイプにも強く出ることができます。

欠点は墓地に儀式モンスターを貯めておかないと効果が弱まること(最悪、効果が使えない)と、この破壊効果が名称ターン1であることです。使いどころを誤ると簡単にリカバリーされてしまいます。

基本的には3積みして、相手メインフェイズ中に《メガリス・フール》の効果②でデッキから出して、相手のフィールドをグチャグチャに荒らすのが「メガリス」の黄金ムーブです。

《メガリス・アラトロン》

奇襲的展開要員、および守り要員です。

対象をとる効果に対するターン1の妨害効果を持つほか、相手メインフェイズ中に儀式召喚する効果も有している便利なモンスターです。

《メガリス・フール》を使って相手メインフェイズ中に《メガリス・ベトール》を出すのが「メガリス」の強い動きなのですが《灰流うらら》によって妨害されるほか《無限泡影》でも妨害されます。前者は《墓穴の指名者》で防ぐとして、後者を防ぐ要員として《メガリス・アラトロン》は便利です。

ただ、あまり過信できないのも事実。相手ターン中の儀式召喚効果もコスパが良いとは言いがたいのであまり使いたくありません。

便利なカードであるほか、レベルが高くて儀式素材にもなるので2積みか3積みを推奨します。

《メガリス・ポータル》

「メガリス」魔法・罠のなかではマシな部類です。

効果①は地味ですが悪くありません。

効果②は便利といえば便利なのですが墓地に儀式モンスターを貯めないといけない「メガリス」とは若干ミスマッチな効果です。悪くはないのですが、良くもないというのが私の評価です。

個人的には採用しないか、1積みで良いと思います。

《メガリス・アンフォームド》

3積み必須の超優秀な展開札です。

上のほうで詳しく説明しましたが、このカードは「メガリス」の生命線と言えるカードです。儀式召喚にかかるコストは重いですが、効用に十分見合ったものです。

3積み必須です。

《メガリス・プロモーション》

微妙です。

効果を読んでいただければわかるように、普通に微妙なカードです。永続罠ではなく永続魔法であれば1枚入れてもよいかなと思える程度です。

基本的に不採用です。

《メガリス・エマージョン》

微妙です。

永続的な蘇生カードなのは良いと思うのですがフィールドから離れたときにデッキに戻るのが微妙です。罠カードなので現代遊戯王のスピードに付いていけない感もあります。《メガリス・プロモーション》と同様に永続魔法であれば1枚入れる価値はあったと思います。

基本的には不採用です。

関連するカード・テーマ概説

「メガリス」と組み合わせると相性が良い。あるいは一見すると相性が良さそうだけれども意外と微妙なところがある。そんなカードやテーマを簡単に紹介します。

《センジュ・ゴッド》《マンジュ・ゴッド》

召喚時にデッキから「メガリス」儀式モンスターをなんでもサーチし、その後は儀式素材として利用できます。「メガリス」に限らず、儀式テーマ全般と相性が良い汎用サポートカードですね。

「メガリス」においては「メガリス」ギミックの初動安定性を上げたり、次ターン動くためのリソースを確保確保に役立ちます。

反面「メガリス」ギミックの底上げというか、最終盤面を豪華にする目的ではあまり役立ちません。なぜならば「メガリス」ギミック自体はそこまで最終盤面を強くできるテーマではないからです。

《儀式の準備》

レベル2・レベル4「メガリス」儀式モンスターのサーチに利用できます。

「メガリス」を使い始めた最初のうちは3積みしていましたが、展開ルートをちゃんと計算していったところ、意外と活躍できないカードであることが分かりました。

その理由は「メガリス」の初動にはレベル8「メガリス」モンスターか《メガリス・アンフォームド》が必要なのですが、当カードはそれらカードにアクセスできず、にも関わらずデッキスロットを圧迫してゲーム開始時5枚ドローでそれら初動札を引く確率を下げてしまうためです。

《儀式の準備》を投入するのであればレベル2・レベル4「メガリス」モンスターの投入枚数を絞って、初動札であるレベル8「メガリス」モンスターや《メガリス・アンフォームド》を引けるように調整してください。

テーマ「魔神儀」

儀式テーマ全般のサポートを意図して設計されたテーマです。

効果は全体的に便利なのですが「メガリス」は墓地に儀式モンスターを貯めつつ展開しないといけないので、単純に儀式素材を供給するだけの「魔神儀」は思ったほど活躍できません。むしろ「魔神儀」ギミックのせいで手札・デッキスロットが圧迫されて「メガリス」本来の動きを阻害することすらあります。

「魔神儀」を使うならば《魔神儀-ペンシルベル》と《魔神儀-タリスマンドラ》を1枚ずつ投入するみたいな最小構築か、あるいはガッツリ組み合わせて【魔神儀メガリス】だとハッキリ言えるような混ぜ物にするかのどちらかにするのがベターです。中途半端に混ぜるのが一番良くないです。

また「魔神儀」を利用して展開するとフィールド上に儀式モンスターを並べやすくなる反面、墓地に儀式モンスターが溜まりくくなります。そのためフィールド上の儀式モンスターを素材にEXモンスターを出して、墓地に儀式モンスターを送ることができるようにEXモンスターを吟味しておいてください。

テーマ「勇者」

「メガリス」に不足している効果妨害要員である《流離のグリフォンライダー》を簡単に立てられるのが嬉しいです。「勇者」ギミックの欠点である、通常召喚したモンスターの効果が発動できなくなる点も儀式召喚しかしない「メガリス」であれば問題ありません。

ただ「勇者」ギミックはそこそこデッキスロットを圧迫します。加えて、初手次第では「メガリス」ギミックと「勇者」ギミックがコンフリクトして、どちらのギミックもまともに動かせずに相手にターンを返さざるをえないという事故が発生しやすくなります。

安定感を上げるよりも上振れを狙って組み合わせるテーマと言えます。

《干ばつの結界像》

召喚権を使わない「メガリス」のほか「勇者」とも相性が良いので【結界像勇者メガリス】みたいなアーキタイプにすると輝きます。

地属性以外の特殊召喚を封じるので「メガリス」は自由に動けますが、相手には(アーキタイプ次第ですが)大なり小なり影響を与えることができます。

モンスターゾーンで発動し、相手モンスターの攻撃で破壊されてしまう永続魔法・永続罠と考えれば、結構強いことが分かるかと思います。

《宣告者の神巫》で《虹光の宣告者》のコンボ

儀式テーマといえば《宣告者の神巫》で《虹光の宣告者》を落として儀式モンスターか儀式魔法をサーチすることが多いので「メガリス」とも相性が良いかと思ったのですが微妙でした。なにがどうというほどでもなく、普通に、そんなにシナジーがない印象です。

儀式モンスターをサーチしたいのであれば《センジュ・ゴッド》《マンジュ・ゴッド》を採用したほうが良いです。というのも《宣告者の神巫》で《虹光の宣告者》を落としてレベルを6にすると《メガリス・アンフォームド》の素材として使いにくいのです。その点《センジュ・ゴッド》《マンジュ・ゴッド》はレベル4固定なので《メガリス・フール》の展開に使うことができます。

かといって、じゃあ「宣告者」と組み合わせればどうか、とも思いましたが、そちらのほうがよっぽどシナジーがないのでダメです。

レベル8「壊獣」モンスター、および《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》

「メガリス」が苦手とする後手捲りの強い味方です。

《メガリス・アンフォームド》でレベル4「メガリス」儀式モンスターを出せたり、レベル8「メガリス」儀式モンスターの素材としても使えるので相性が良いです。

《死霊王 ドーハスーラ》および関連カード

最近まで見落としていたのですが《死霊王 ドーハスーラ》、およびその関連カードである《アンデットワールド》や《屍界のバンシー》は相性が良いです。

第1に「メガリス」に不足している妨害要員として優秀です。

第2に墓地に送る、あるいは墓地にいて効果を発動する系のカードであるほかレベルが4や8なので儀式召喚の素材としてぴったりです。

第3に「メガリス」は特に種族に関係する効果がないので《アンデットワールド》で種族を変更しても特に悪影響がありません。

「勇者」と近いポジションですが構築次第では、あちらよりもデッキスロットを圧迫しないうえに事故りにくいので、その点も良い感じです。

《強欲で金満な壺》

EXデッキへの依存度が小さい「メガリス」と相性が良いです。

《金満で謙虚な壺》

EXデッキへの依存度が小さい「メガリス」と相性が良いです。

《No.97 龍影神ドラッグラビオン》と《No.100 ヌメロン・ドラゴン》のコンボ

原則として「メガリス」を使うならばEXモンスターに頼らないようにするのが大事なのですが、このコンボとの相性は抜群です。

以下の動きがかなり強いです。

  1. 1ターン目。レベル8になるように《メガリス・フール》を展開。左記《メガリス・フール》を除く自分の手札・フィールドのモンスターのレベルの合計が8以上になるように調整しながらターンエンド。

  2. 相手メインフェイズ中に《メガリス・フール》の効果で自身以外を素材に《メガリス・ベトール》を儀式召喚して場を荒らす。相手はターンエンド。

  3. 返ってきた3ターン目に《メガリス・フール》《メガリス・ベトール》を素材に《No.97 龍影神ドラッグラビオン》をエクシーズ召喚。《No.97 龍影神ドラッグラビオン》の効果で《No.100 ヌメロン・ドラゴン》を特殊召喚。

  4. 《No.100 ヌメロン・ドラゴン》の効果で自身の攻撃力を9000にして、相手に直接攻撃してターンエンド。

総評

2019年後半に登場したテーマというだけあって光るものは持っています。そこは間違いありません。

ただ、テーマ単体で使うにはカードパワーが心許ないうえ、初動が太いとは言えず、墓地を儀式モンスターで肥やさないと真価を発揮できず、手札やフィールドのモンスター消費が激しく、横展開に向かないので大型リンクモンスターなどを立てにくく、戦闘・除去・妨害に適したモンスターが実質2種類しかなく、その効果も大振りである……ということで正直言って強くはありません。

環境には決して入ることはできませんが、ファンデッキのなかでは強い――くらいの立ち位置にあるテーマだと考えています。

遊戯王 マスターデュエルにおいてはテーマ内カードの大半がN・Rで構成されているので安価に組みやすいです。ゲートも用意されているので試しに触ってみるのも面白いかと思います。


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