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キャッチコピー覚書

こんにちは、AFUストアでございます!

私は入社後、コピーライターとして働いてまいりましたが、先日、大幅な組織変更があり、これからはプロモーション業務を中心に活動していくことになりました。
そこで今回は、この半年間の総括として、私が入社以来学んできた「キャッチコピー」作成のノウハウについて簡単にシェアさせていただきたく思います。

キャッチコピーって、ナニ?

そもそも「キャッチコピー」とは何でしょうか? 
Wikipedia曰く、

キャッチコピー、キャッチフレーズとは、主に商品や作品の広告など、何らかの告知や宣伝に用いられ、謳い文句や煽り文句となる文章で、広告コピー(広告文)の一部である。惹句(じゃっく)とも呼ばれる。
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=57665

とのことで、この記述は「1文、1行程度のものから、数行に亘る物まで形式は様々である。広告や宣伝においては、キャッチコピーで商品の印象が決まると言え、その出来如何によっては商品自体の売れ行きが大きく左右される事になるため、重要視される」とつづきます。Wikipediaにしてはやや主観的な記述ではありますが、事実そのとおりだと思われます。
ちなみに、私が入社して最初に作ったキャッチコピーはこんなものでした。

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NOKIAの完全ワイヤレスイヤホンのキャッチコピーです。クラウドファンディングのトップ画像で使用されたものですが、前職である記者の手癖が抜け切れていないというか、いかにも硬質な感じがします。

キャッチコピーの名作を見てみよう!

私が悩みぬいて初めて書き上げたキャッチコピーを確認したところで、次に、超一流と言われるキャッチコピーを見てみましょう。
私の勉強ノートの中から、戯れにいくつかピックアップさせていただきます。

「価値ある、おいしさ。」(チョーヤ)
「やがて、いのちに変わるもの。」(ミツカン)
「人を、想う力。街を、想う力。」(三菱地所)
「向き合って、その先へ」(三越伊勢丹)
「ひとの ときを、想う。」(日本たばこ産業株式会社)
「すぐ、そこ」(サンクス)
「まだ、ここにない、出会い。」(リクルート)
「お、ねだん以上。ニトリ」(ニトリ)

どのキャッチコピーも見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか? 耳なじみがあり、スッと頭に入ってきますね。

これらと私のキャッチコピーとの差はどこにあるのか……。

こうして写経のごとく書き起こしてみると気づくことがあります。

名作キャッチコピーの秘密

名作キャッチコピーを見て思うのは、とにかくメリハリがあるということです。見る者を言葉にとどまらせる力が段違いに強いのです。
私の「細部まで響きが伝わる 真の音楽体験」は、発語したときに音としてもなんだかザラついていますし、どうしても脳が言葉の“意味”を追いかけてしまい、感覚に訴えてくるものがほとんどありません。「説明」でしかなく、「キャッチコピー」には十歩ほど届いていない、そんな感じがします。

では、この十歩の差はどうやったら埋めることができるのか?

もちろん、つい半年前に「キャッチコピー」の作成を始めた者が一足飛びに「名作」を作ることはできません。ですが、世の「名作」たちの“骨格”を真似することはできます。
つまり、句読点です。

素人でも“それっぽくなる”魔法

短い文字数で最大の効果を上げようとしたとき、もっとも頼りになるのが、句読点です。
上記の8つの名作キャッチコピーの共通点は、句読点の使い方が恐ろしく巧みだということです。
たとえば、一番最初に挙げた「価値ある、おいしさ。」などは、わずか十文字しかありませんが、そのうちの二文字を読点と句点が占めています。読点は「価値ある」を引き立て、句点は「おいしさ」に説得力を与えています。文全体に血を通わせるために絶対に必要な二文字です。その他7つのキャッチコピーも同様のことが言えますね。
つまり、キャッチコピーにとって“句読点”は、“呼吸”であり“命”なのです。
そこで、私は、学びました。

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これは私が最近つくったキャッチコピーです。決して上手とは言えませんが、完全ワイヤレスイヤホンのキャッチコピーよりも幾分かは風通しの良い文章になっている気がしませんか? 
このプロジェクトに関しては、もちろん商品そのものがとても優れているのは言うまでもありませんが、売上を見ても、商品の魅力がずいぶん支援者様に届いたように思われます。
入社当初につくったキャッチコピーがただの「説明」だとすれば、本作はギリギリ「キャッチコピー」の枠に入れてもらえるのではないかと、手前みそながら、そう思います。

……ということで今回は「キャッチコピー覚書」と題して、キャッチコピー作成のノウハウについて書かせていただきました。
だれでも一朝一夕でセンスの良いキャッチコピーが作れる、という即効性の高いものではありませんが、本物のキャッチコピーから“学ぶ”際の目の付けどころはお伝え出来たのではないかと思います。
やればやるほど奥が深いキャッチコピーの世界ですが、その入り口として、文の構造に注目するのも面白いかもしれません。

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