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「耀変建盞茶碗」とウーロン茶

皆さま、こんにちは!
AFUストアです。

昨日、応援購入サービスMAKUAKEにて「耀変建盞茶碗」のプロジェクトを開始しました。
リターン品にウーロン茶をお付けする予定なのですが、今回は、
耀変建盞茶碗で味わうウーロン茶
をテーマに、本プロジェクトの魅力をお伝えしようと思います。

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ところで皆さんは、ウーロン茶と聞くと、どんなお茶を想像されますか?
「ペットボトルで手軽に手に入り、油っこいものやお肉を食べるときに一緒に飲むと脂肪を分解してくれる中国茶…」
そんな機能的なイメージを抱いている方が多いのではないでしょうか。もちろんそのイメージに間違いはありません。
ですが……私は声を大にして言いたいのです。
ウーロン茶は、単純に美味しい!
のだと。

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日本ではすっかり生活に溶け込んだウーロン茶ですが、実は、原産地である中国では生産地である福建省と広東省の一部でしか飲まれていません。
その理由は、とても高価だからです。
ウーロン茶は16世紀に福建省武夷山で皇帝への献上茶として誕生しました(烏龍茶の「龍」は、皇帝という意味で使われていました)。そのため長らく庶民の口に入ることがなく、地域によっては未だに高級茶の代名詞となっています。
意外にも高貴な出自を持つ、ウーロン茶。胸やけするほどお肉を食べたあとに、まるで義務のようにゴクゴク飲むのはもったいないような気がしませんか?

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それでは、ウーロン茶を美味しくいただくにはどうすれば良いのでしょうか?
私は、お茶発祥の国にして有数のお茶大国である中国のお茶の飲み方に注目しました。
そうして分かったのは……
中国の茶杯は、小さいのです。
お茶碗がことごとく小さい! まるでぐい吞みです。
その理由を調べてみたところ、

小さい茶杯をさらに三回に分けて飲むことにより お茶を味わいやすくします。小さい湯呑で飲むのはお茶を味わうの意味から 大きい湯呑で飲むのは喉が渇いているからと言われています。
https://e-chinatea.com/explanation-of-chinese-teaware/

とのことだそうです。
なるほど、中華料理店で出される大きなプラスチックコップやペットボトルで飲むと、次から次へとウーロン茶が口の中に流れ込んできて、じっくりとお茶を味わう、という感じにはなかなかなれません。

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ためしに、小さくて底の浅い、口の開けたお茶碗でウーロン茶を飲んでみました。
いつものペットボトルのお茶なのですが、何やら大変に貴重なものをいただいているように感じます。
自然と一回に口に入れる量が少なくなり、その分だけ、お茶の持つ香りと味に集中できるのが分かります。
そうだ、ウーロン茶は香り高く濃厚な味わいを持つお茶なのだ…!

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2017年、福建省アモイ市で行われたBRICS首脳会談において習近平国家主席から各国指導者に国礼として贈られたことで一気に世界中に知られることとなった「建盞」。中国南宋時代にウーロン茶の故郷である中国福建省で生まれました。
鎌倉時代に交易品として日本に伝わると、釉薬に美しい紋様が浮き出たものは「耀変天目」の名で呼ばれ、茶器の最高峰として、足利、織田、豊臣、徳川など時の権力者たちが好んで所有しました。
中国の皇帝への献上茶として誕生した「ウーロン茶」。
日本の権力の象徴にもなった「耀変建盞茶碗」。
その二つが、同じ中国福建省で生まれている…
私は、何かが結びついた気がしました。

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両宋時代に全盛を極めた「建盞」ですが、中国の製茶法が大きく変わったことから元代にはその制作技法が途絶え、1970年代に復刻するまで、実に600年余りもの長い沈黙がつづきました。
そのため、実のところ、献上茶されたウーロン茶を皇帝たちが「建盞」に注いで飲むことはなかったのです。

……ですが、これだけの美しいお茶碗です。もし16世紀にまだ残っていたのならば、皇帝たちは必ずや「建盞」にウーロン茶を注ぎ、じっくりと一口一口に舌鼓を打ったに違いありません!

そんな“あり得たかもしれない歴史”の妄想に浸りながら、ご自身への献上茶として極上の一杯をお楽しみいただけたらと思います。

「耀変建盞茶碗」リターン品にお付けするウーロン茶はもちろん、本場福建省から厳選したものを予定しています。皆さまに、最高に贅沢なひと時をご堪能いただけるよう引き続きプロジェクトに努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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