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怪我を防ぎ、効果を高めるベンチプレスのフォーム

ベンチプレスのフォームについて考えていきます。
ベンチプレスはトレーニングの中で最も多くの男性がメニューに組み込む種目ではないでしょうか。
また、〇〇〇kg挙がったなど使用重量に関しても関心の高い種目だと言えます。

「100kg挙げる方法」
「ベンチプレス徹底解説」
「間違ったフォーム3選」
のような記事をSNS上でもよく見かけます。
こういった事からもベンチプレスに関して多くの方が
「もっと重量を挙げたい」
「大胸筋を肥大させたい」
と考え、悩んでいることが分かります。

今回この記事を書いたのもこの関心の高さがあるからですが、、、。

さて、多くの記事が出回っているなかで私が今回触れるのは
「物理的な筋肉の作用」
についてです。
解剖学的にどう動かしたらいいのか、どこの筋肉を働かせたらいいのかなどは、多くの記事で情報が出ていますので説明を省きます。

トレーニングを行う際に無視してはいけないのが
「負荷」
です。
筋肥大のトレーニングフォームは
・機能的に対象の筋肉に負荷がかかるフォーム
・負荷を受け止めるフォーム
この2つが噛み合わなければいけません。

前者は肘が屈曲すれば上腕二頭筋が収縮するということです。
肘の屈曲動作がなければ上腕二頭筋を鍛えるのは難しいですよね。
一方後者は外部の負荷(ダンベルやバーベルなど)を対象の筋肉に乗せられるかどうかということです。
仮に肘を屈曲させたとして、寝て曲げるのと立って曲げるので負荷のかかり方が変わります。これは「物理学」の要素が関係してきます。

では実際にベンチプレスのフォームに置き換えて考えていきます。
ベンチプレスでかかる負荷の方向は例外なく「真下」になります。
そして大胸筋にこの負荷を乗せたい場合、前腕はバーに対して「垂直」でなければいけません。この位置は動作中大きくは変化しません。

この状態で上腕が動くことで大胸筋に負荷が乗っていきます。
ここからが重要になります。
「上腕がどの角度に来た時に大胸筋に乗る負荷が最大になるか」
ということです。
一般的にいう可動域ということになります。

深く下せば最大になるのでしょうか?
バーが胸につけば最大になるのでしょうか?

答えはNOです。
ここの考え方がベンチプレスの効果が最大になるかならないか、怪我をしやすくなるのか防ぐのかの分かれ目です。

答えを先に書くと、
「上腕が床に対して平行、肘が上体の真横」
になった時が最大になります。

体の機能だけを考えれば、大胸筋が最大限にストレッチされた方が負荷が強くなるという事になります。
ですが、ベンチプレスという種目では「バーベルの負荷」があります。
これを無視することはできません。
体の機能とは別にバーベルの負荷が真下に働いているという事を理解する必要があります。

ブリッジができるほど胸椎が柔らかかったり、大胸筋を含め体に厚みがある方は「勝手に」上腕が平行以下になることはありません。
なぜなら胸にバーが当たるからです。

逆に体が硬くブリッジができない、体に厚みが無い方はコントロールしなければ上腕が平行の位置よりも下がってしまいます。
これは「バーを胸につけなければいけない」という思い込みが関係しています。

なぜ平行の位置が最大になるのか?
立った状態で腕を横に挙げてみて下さい。
サイドレイズの動きです。
この時最も三角筋が辛く、硬くなるのは腕が平行になった時だと思います。
重さが最も遠くになり、筋肉が最も緊張できる位置がこの位置です。

つまり、バーベルを胸につけようとした結果、肘が体のラインよりも下がってしまうと負荷が弱くなると同時に、大胸筋の緊張がほどけてしまいます。

この緊張がほどけた時に肩の関節に負担がかかったり、他の部位に無理な力が入って腰や首を痛めたりといった怪我が起きます。

つまり肘の位置が体のラインよりも上で動作している時の大胸筋は
「常に緊張状態」
なのに対し、肘の位置が下がってしまう時の大胸筋は
「緊張→弛緩→緊張、、、」
を繰り返していることになります。

この状態では怪我もしますし、高重量を挙げるのは不利です。

「可動域が浅いのはカッコ悪い」

そういう風潮がありますが、体の大きな方、トレーニングがうまい方には共通の動き、原則があります。

見栄を張って可動域を大きくするのか、効果を最大限にする為に適切な可動域で動かすのか。
本当に必要なのはなんですか??


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