【CALメンバー紹介】モデルにして作家、染夜美月が描く至高のヴァンパイア小説
♦︎染夜美月の織りなす物語世界
2022年に発足した文芸叢書CAL(Classic Anthology Library)では、デザインエッグ社から毎年2回、幅広いジャンルでアンソロジー小説を企画・出版しております。
この度、第4回企画「ヴァンパイア(吸血鬼)」をテーマにしたゴシック・アンソロジー『黒の聖餐』を10月10日に出版いたします。
本書には総勢18名の実力派人気作家が御参加して下さり、文学を愛する5名の編集部メンバーの御協力のもと完成いたしました。
今回は出版記念といたしまして、第4回企画にご参加くださった作家でモデルの染夜美月様について御紹介させていただきます。
染夜様は2016年よりモデル業を開始され、現在はカメラマンの個展モデルとして非常にアーティスティックな御活動をされています。
お写真の見目麗しい御姿からも伺えるように、染夜様はモデルとして非常に人気が高く、SNS上には彼女を被写体にしたいプロのカメラマンの方々が沢山いらっしゃる御様子。
そんな染夜様は2023年より文学活動を開始され、処女作「夜と月」が第9回出版大賞で佳作を受賞されるという華々しい出発を飾られました。
CALには表舞台に立つ仕事をされている女流作家の方が多く参加されていますが、その中でも染夜様は人々を惹きつける特別な光を持った御方だと言えるでしょう。
♦︎染夜美月が描く吸血鬼とは?
染夜美月様は今回の吸血鬼企画に、「雨の庭園」という素晴らしい物語を御寄稿して下さいました。
ここでは本編の内容を伏せつつも、可能な限り染夜様の作品の魅力に迫りたいと思います。
吸血鬼と聞くと、ゴシック文学の愛読者の方ならおそらく恐ろしい不穏な存在をイメージするのではないでしょうか。
現代の吸血鬼像は、ポリドリ、ストーカーらの古典的な吸血鬼文学のカテゴリーとはまた異なる新たな輪郭を持ち始めつつあります。
むしろ吸血鬼は私たち人間以上に感受性が豊かで、自分たちのことを呪われた特殊な存在だと自覚している分だけ、理解を示してくれる人間には深いやさしさと憐れみを寄せてくれる存在でもあるのではないでしょうか。
私が染夜様の吸血鬼小説を初めて読ませていただいた時に感じたのも、やさしさと相手のことを想う純粋な気持ちでした。
これを他者への「配慮」──あるいは吸血鬼に代表されるような非人間的存在への「気づかい」──と表現しても良いかもしれません。
染夜様の物語では、この「気づかい」が持つ人間特有の心の襞、繊細さ、情感といったものが、極めて詩的な叙情的空間の中で見事に織りなされていました。
都会的なバーを舞台にしつつも、コアにあるメッセージには格調高い美しさを感じました。
現在、市場に出回っている物語の中には、容赦のない残酷な現実を読者に突き付けるものもあれば、それとは逆に、のんびりと何も起きない平穏な日常を淡々と映し出すものもあります。
染夜様の作品は平穏さを感じさせつつも、その日常の中に読者を酩酊へと誘う幻想の種子が胚胎していて、それこそ読みながら染夜様がお作りされたカクテルを飲んでいるような余韻を覚えました。
染夜様の「雨の庭園」は今夏発売予定のアンソロジー小説に収録されておりますので、ぜひ書籍の方を手に取ってその瑞々しい感性に触れてみてください。
染夜様の短編小説は、現在彼女のnoteでも公開されています。
最新の御活動は彼女のXアカウントでも更新されていますので、ぜひともフォローと御支援をよろしくお願いいたします。
CALの最新情報はCAL公式アカウントで随時発表していきますので、どうぞご期待下さい。
◆◇書籍情報◇◆
※本記事に掲載させていただいた御写真は、すべて御本人様の使用許可を得た上で掲載させていただいております。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?