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【西アフリカ料理】マリの絶品サンドウィッチ

「西アフリカのパンはおいしい」

これは西アフリカに行ったことがある人からよく聞く言葉だ。
マリのパンのおいしさは、おそらく、彼の地がかつてフランスの植民地だったことに由来する。

マリでパンといえばフランスのバゲットやバタールのような形のものを指す。確かにおいしい。フランスのもののように、口の中が切れるほどパリパリした皮ではないのだが、十分においしく食べやすい。

このパンで作られたサンドウィッチがまたおいしい。

毎朝そこかしこにサンドウィッチの露店が現れる。店主のほとんどが女性である。

毎日のように通っていたサンドウィッチ屋の店主サナバ

マリのサンドウィッチはオーダーメイドだ。
まずパンのサイズを選ぶのだが、単位は長さでなく値段。パンだけでなく、中に入れる具も「いくら分」と金額で注文する。最初はいくらがどれくらいなのか全然わからず、地元のお客さんの注文する様子を見て注文した。
(余談だが、マリでは普通の数字と通貨の数字の数え方が違うので、これにも最初は戸惑う。この話は機会があればまた後で)

店によって具の種類や味付けが違うので、食べ比べるのも楽しかった。具材は主に串焼き(すべて炭火焼!)の牛肉とフライドポテト、ロコ(あげたプランテーン)、玉ねぎ、トマトなどで、まれに魚(素揚げして粗くほぐしたもの)がある店もある。それらを好みでパンにはさんでもらう。

アパートの近所にあったサナバの店は、肉の味付けがおいしかった。肉は焼く前にソースに漬け込む。サナバのソースは、オイル(多分パームオイルの白かピーナッツオイル)にすりつぶしたニンニクやセロリの葉、西アフリカ料理に欠かせないブイヨンの素、塩、マスタード、スパイスなどを入れた漬けダレだ。隠し味はカレー粉で、これが他にはない味を出していたと思う。ここに、親指の頭ほどの大きさに切った牛肉を漬け込み、串に刺して炭火で焼く。フライドポテトとの相性も良く、毎日食べても飽きない味だった。残念ながら写真はない。

サンドウィッチ屋は一日中開店しているわけではない。大抵が朝だけ。あるいは、夕方だけのお店も見かけたことがある。いずれにせよ開店時間は長くない。

一人でやってきて道端に店を広げ、片付けて一人で帰る。
そういう店の在り方に少し憧れる。

ミネコ


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