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『拝啓、向日葵』

「向日葵について書いてみて欲しい」


というお題を貰った。
向日葵について考えたことが人生であんまり無いので
(咲いてるなぁと思ったくらい)
はて、どうしたもんやらといった気持ちでいる。

とりあえず花と言ったら
〝花言葉”(安直)ということで、
調べてみた。

【ひまわりの花言葉】
「憧れ」「情熱」「あなただけを見つめる」など。
太陽に向かって花が咲く様子に由来します。

良っ。ひまわりの花言葉には、
あまりネガティブな意味は無いそう。
解釈一致である。
太陽向いてるもんなぁ。

ひまわりは、贈る花の本数でも意味が変わるそう。

1本:ひと目惚れ
3本:愛の告白
7本:ひそかな愛
11本:最愛
99本:永遠の愛
108本:わたしと結婚してください
999本:何度生まれ変わってもあなたを愛する

いや、良っ。
999本の時にも意味があるの、強い。
というか、999本て。
ちょっと、やんちゃ過ぎじゃ無い?

7月の誕生花でもあるらしい。7月全体と、7月6日を担当しているそうなんだけど、サイトによっては、7月19日の誕生花でもあるとのこと。
何を間違えたのか僕も7月生まれで、しかも19日なので親近感が湧いた。
向日葵のような人間かというと、疑問が生じるけれども。
(7月19日は後、トリカブトとかゲッカビジン、コレオプシスなどだそう。)

ここまで書き進めて思ったんだけど、ひまわりの情報しか書いてない。
これはまずい。先日書いた、
○ボ(自主規制)な記事と同じ流れだ。

(↑ゲ○みたいな記事と↓それのどこが良くなかったのかを考えた記事)

この負の連鎖は断ち切らなければならない。
もう誰も悲しませてはいけない。(主に僕)
かといって僕がひまわりに対してできることなんてあるのだろうか。
いや、無い。

そういえば、ひまわりってヒマワリとか向日葵って書くより
「ひまわり」ってひらがなで書きたい。
「冷たい」は漢字の方が冷たそうだから漢字で書きたい。
でも、「あたたかい」はひらがなの方があたたかそう。
それと、「思う」と「想う」は使い分けたい。
言葉とか、言葉のデザイン性って不思議。

と、無理やり違う方向に舵を切ってみたのは良いものの、
ひまわりからどんどん離れていきそうだし、他にもあるから、
これについては別で書きたいし。

僕は何が出来るんだ。ひまわりに対して。
残り千文字だぞ。千文字。途方も無っ。
(8月29日まで、毎日noteを更新する。
そして、最低2000文字というルールがあります。)
何か書かなければ。書くといえばなんだ?
物語?日記?寄せ書き?書き置き?手紙?
そうだ!手紙だ!!

…というわけで(?)
手紙を書くことにしました。
ひまわりに向けて。

『拝啓、ひまわり様へ』

青々とした空には何者にも縛られない入道雲が、その体いっぱいに自分自身の持つ自由さというものを表現している。そんな盛夏の候、
あなた様におかれましては、
ますますご壮健でご活躍のこととお喜び申し上げます。
今回、あなたのことを考える。ただただ、あなたのことを考える。
そのような機会を賜りましたので、
こうして、手紙を送らせていただこうと考え筆を取った次第です。
拙い言葉になってしまうと思いますが、ご承知おきください。

【海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり】
これは、「寺山修司」の作った短歌です。
あなたのことを思い出そうとすると、
この短歌のことがいつも頭に浮かんでくるのです。

ーーー場所は真夏の縁側。
ほんの少し山を奥まで進んで行った先にある、
片田舎の大きい民家。
夏の暑さを外へと解放するように、
両方の引き戸はその終点まで開かれている。
真ん中の小さなちゃぶ台ではこの家の味のする麦茶が置かれていて、
片方にはまだ薄茶色の湖に氷が浮かび、
もう片方は、端の丸っこくなった氷だけ…。
そちらの氷は不定期に透明なグラスの内側とぶつかり合い、
その命をほのかに削りながら時折、一瞬だけ音を立てる。

それらと同じ場所には中途半端に削られた色鉛筆と、
それを描いた物にしか終わりのわからないような絵が置かれている。
(落書きとは呼ばない)
飽きてしまったのだろうか。
それの生みの親は縁側へと向かい、
何をするでもなく外の景色を見つめていた。
そしてもう一人も、その隣でそうしている。

「こんなにつまんないところないよ」と彼女は言う。
「どうして」と彼は問いかける。
「だって!どっちをみてもやまばっかりで、
あそぶところもおかいものできるようなところもなんにもないもの!」
彼女は語気を強めさらに続ける。

「…あのえみたいな。あのえみたいなところにいきたい。
さっきかいたあのえみたいなところ。
なんでもあってねむくってもよるまでおきててよくて、
ずっとたのしくて…。そう、たのしいの。
たのしいところがいいなぁ。とにかくずぅーっとたのしいところ」
話していく内に、彼女の機嫌は良くなっていった。

「あなたにはそんなところある?」
彼は返事をする。
「とても好きなところがあるよ」
それはなぁに、どんなところ?と彼女の言葉と心はさらに跳ねた。
まるでこれから羽ばたく鳥が翼を広げるかのように、
彼は右手と左手を、ゆっくりとその最果てまで伸ばす。
そして続きを語り始める。
「海って言ってね。この両手いっぱい…いや。
それよりも、もっともっと大きくて…」

真夏の縁側で向かい合って話す二人のそれを
〝僕”はその部屋のもう少し奥から眺めている。
彼は海について自分の言葉を紡ぎ続ける。
彼女は両手、両膝をべたっと床につけ、
身を乗り出しその話を聞いている。
内側から湧き出る好奇心を隠すつもりなんて一つもない。
そんな必要はないからだ。

二人のさらに向こうでは、
幾つものひまわりがその姿を誇っている。
それぞれがそれぞれの姿形を持ちながら。
ひまわりという花は太陽の方向を向いて咲くそうだ。
あの夏のその時。
幾つも咲いたひまわりの全ての視線が
二人に向かっていたような、
そんな気がしていた。ーーー

…あなたを想うときこの首が浮かび、このように感じるのは、
ひとえにただ太陽をまっすぐ見つめ続けるあなたの姿が、
海について語る彼、そしてそれに夢中になる彼女の
まっすぐな姿と重なるからなのでしょうか。

私にもわかりませんが、この心にあたたかい熱を持って、
浮かび上がる気持ちは確かに輪郭を有しています。
そのような感情を私にくださったこと、
心からお礼を申し上げます。

こちらでは、この季節の高まりを知らせるように、
夏の虫の声がけたたましくも、高らかに響いています。
あなたの咲き誇る場所も、そうでありますように。
末筆ではございますが、ご健勝をお祈りしています。

ひまわりへの手紙

最後にひまわりというお題で
短歌も書いてみてほしい。
とのことだったので、それを載せて終わります。









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