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自分が書いた良くないと思った記事について、親友と解明した。

世界よ。これが〝親友”だ。


「今、一ヶ月毎日noteを書くっていうのしてるんだ」

「へー、いいじゃん。」

「とりあえず、何にも決めずにいつも書いてるんだけど、なんかもうすでに好きじゃない記事があるんだよね」

「どれ?読んでみる」

「これなんだけど。なんかわかんないけど凄く好きじゃない」

「あー、確かに俺もこれはよくない気がする」

先日親友と電話した。電話の相手は我が友、その名をいたさんと言う。
なんで、いたさんかというと苗字が板垣だから。
彼は、僕という生き物の生態を興味深く面白がってくれる
数少ない人類の一人。

確か18歳くらいの頃、一緒にピアノを習いに行こうと、
グループレッスンに通っていたことがある。
その時、僕が代表で契約しに行ったんだけど、
「一緒に通う人の名前」みたいな所に名前を書かなきゃいけなくて。

僕は出会った頃から「いたさん」と呼んでいて、
なぜか本気でいたさんの名前を板垣退助だと思っていた。
なので、そのまま書いたら全然、
退助じゃなかったっていうエピソードがあるくらいには親友だ。

*ちなみにこの後、いたさんに電話で「ねぇ、いたさんの名前って退助?」
って聞いたら、「違うが」と言われたので経緯を全部話して、
速攻YAMAHAに電話した。
いたさんが。

そんな彼は鋭い意見と妙な観察眼、少しバグった脳みそを持っているのにまともで、面白い。人間のふりして人類の暮らしに溶け込んだ、
ヴァンパイアのような男だ。
いつか僕のライブで彼を見かけたら、話しかけてみてほしい。
いや、本人がどう思うか知らんけど。
いたさんなら大抵のこと、大抵の人は大丈夫なはず。たぶん。

今、僕は、8月29日まで毎日noteを書くというのをやっているのだが、
ただ闇雲に書くだけでは意味がないし、良いか悪いかは置いといて、
自分が「好きだな」と思う文章が書きたい。
なので電話をしながらいたさんと共に、
「なぜこの時の記事が好きじゃないと感じるのか」
を客観的、主観的に紐解くことにした。

「永司はこれの何が好きじゃないと思ったの」

「んー、なんか書いてて楽しくなかったのと、書きたいことが書けてないというか、歩きながら終着点を決めてるというか…それでいて文章も自分らしくない気もしてて、もう、なんか、全部

「なるほど。とりあえず俺が思ったのは」

・構成が悪い。
・歌会のnoteの文章は、永司らしくない。
誰でも似たように書けると思った。
・歌会のやつは、【読んでもらおうとしてる】
・永司は、自分に向けて書いてる人。
歌会のnoteはそうじゃないからつまらない。

「どう」

「全くその通りだと思いました…。」

「まぁ、俺は全部が悪いとは思わなかったけど。まず、中盤の好きな短歌のことを頭に持ってきた方が読みやすかったんじゃないかなって感じた。なんかこの文章、準備運動が長いっていうか、本題に入るまでが長いんだよね。
多分それが、「歩きながら終着点を決めてた感覚」の正体なんじゃない?」

「確かに最初は、前日に歌会に出たからそのことを書きたかったんだけど、上手く書けなくて、ルール説明みたいになっちゃった気がする…。」

「この記事の感じって文章含め、誰でも書けるんだよね。
ルール説明に舵を切った時点で、所々頑張ってるけど、全体的に、
「永司らしさ」が消えたと思う。」

「歌会について書くのはいいと思う。
でも、「歌会がどんなもので、どんなルールがあって…」とかいうのは、
別に永司からじゃなくても知れるじゃん?
なんで永司は歌会に行くのか?行って何を感じてるのか?っていうのを書いた方がいいし、永司自身もきっとそれが書きたかったはず」

「俺がnote…というか人の文章を読むならさ。その人が何を考えてるかとか、その人はどういうふうに目の前のものや、ことを表現するのかの方が、面白いし、読みたくなる」

「僕も!」

「永司は歌会に行って何を思ってるの」

「僕はそもそも人の作品に触れるのが好き…な気がする。
そこにその人らしさがある気がして、嬉しいし、楽しい
歌会もそういうのにたくさん触れられるから好き…なんだと思う」

「それ!それを書いていく文章にしていけばいいんじゃない?
永司は曲に関してもだけど自分に向けて作ったり書いてる人で、
それを楽しめる人や、それを聴いてそれを読んで、
何かを想ってもらえる人に会えたら、なんだか嬉しいって感じる
生き物なんだから。」

「ちなみに「らしさ」で言うと俺、この記事好きだった」

「そうなの?僕これ、小説みたいな文章で、なんかちょっとカッコつけてるみたいだなって思ってた。」

「でも、これ楽しんで書いてたんじゃない?」

「確かに…。横断歩道のボタンを押すところとか、浜辺に向かうところとか、ただのことを大袈裟というか、自分の感じた自分の言い方で書くのは、
楽しかったかも」

「そういう楽しさを見つけたり、
内省をしていくのが永司の文章なんだよな。
つまりそれがさっきも言った、「自分に向けて書く」って感じ。」

「他の記事も、自分にクエスチョンをして自分で考えて感じて、
アンサーを出すみたいな。考える内容自体は意味があることでも、ないことでもいいんだと思う。それを書いてて「楽しいか」とか、「書きたいのか」っていう好奇心が必要でしょ。永司は。」

「言葉の使い方とかは、たくさん書いていけば好きなのが見つかるんじゃないかな?初めから自分はこの書き方が、
書きやすいって知ってる人は少ないと思うし。
またこの時みたいなの書いてみればいいんじゃない。」

いたさんめっちゃ喋る人みたいになってるけど、
いたさんの言葉ばかりメモしてたら、こんななっちゃった。
本当は二人であーでもないこーでもないと、僕を探してたよ。
3時間半くらい。

その人らしさと言うの自分だけじゃ見つけられなくて、
いつも誰かが教えてくれるのかもしれないと思った。
それが友達だったら嬉しいし、信じられるよね。
そんな人と会えただけで、
僕の人生は運のいい人生だ。

この後はたわいもない話をして、
ワンマンも無事に終わったし、今度どっか行こうねと
伝え、電話を切った。
この人、長生きしてほしいな…と思った。

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