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【論文】プラスチックの紫外線劣化と超音波による評価

こんにちは。
ふと、論文を読んだのでメモしておきたいと思います。

論文のタイトルは「UV-C による熱可塑性プラスチックの劣化形態と超音波による評価」で著者は日本大学の坂巻さんです。掲載雑誌は日本材料科学学会誌「材料の科学と工学」Vol.58,No.1,2021です。

http://www.mssj.gr.jp/zk/zk_backno/J58/NO1/mstjv58n01p34.pdf

内容

プラスチック材料へ280nm以下の紫外線(UV-C)を照射したときの劣化状態や機械的強度を評価するとともに、それらの結果と超音波探針による非破壊評価結果の相関性を検証しています。

劣化モードの分類

UV-Cを照射した際の劣化状態は材料によって異なる結果となりました。
劣化モードを定義して材料を分類しています。

  • 表面反応型:POMなど。表面が白化して粉状になり基材から脱落する。基材の厚みが変化する。

  • 劣化層形成型:PPなど。表面が黄変したりクラックが発生するが、基材から剥離せず、表面に劣化した層が形成される。機械的強度が変化する。

  • ボイド・ピット発生型:PCやPETなど。試験片全体にボイドやピットが発生する。上記2つに比べれば変化は小さい。

劣化層形成型の機械強度と超音波評価結果の相関

超音波評価結果と機械強度変化の相関性にいては、劣化層形成型のPPについて確認されています。

ザックリいうと、機械強度と超音波音速および減衰率保持率には高い相関があるそうです。超音波は波形によって応答性が変わるようですが、どちらにしろ相関性があるそうです。特に減衰率保持率の相関性が高いようなので、非破壊検査で使用するとすれば、この項目を見ながら判断することになりそうです。

今日は以上です。

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