見出し画像

地ビール戦国時代を生き抜いたオラホビールは思わぬ実力派でした。 1000BeerChallenge(126-127/1000)

■オラホビール

オラホビールはビールメーカーや醸造所の名前ということではなく、信州東御市振興公社という会社が製造販売するビールのブランド名です。
信州東御市振興公社という堅い名前の会社。というか公社。設立は1996年とのこと。1996年くらいといえば、規制緩和によって地ビールが大量に生まれたころにあたるので、地ビール第一世代とも言えるでしょう。
公社が作る地ビールというと、ブームに乗ってとりあえずつくってみました! という雰囲気の適当な味のものが多いイメージなのですが、信州東御市振興公社は意外と(って言ったら失礼でしょうが)本格派でした。
オラホは地元の言葉で「私たちの」みたいな意味らしい。OH!LA!HO BEER とも書く遊び感もあるし、実はなかなか面白そうな会社です。もう社名もオラホビールにしちゃえば良いのに。


■雷電

オラホビールには雷電の名前を冠したビールが2種あるみたいです。今回の雷電カンヌキIPAと、もう一つ、雷電というビールがある様子。ただ、雷電の方は季節仕込みとされていて、春夏秋冬それぞれ違うビールになっているそうで。いわゆる季節限定生産、常時流通してるわけではないものでした。
雷電カンヌキIPAの方はレギュラーラインという位置付けで良いんでしょう。

雷電は地元出身の伝説の力士の四股名みたい。江戸時代の力士なのですが、当時としては規格外の197cm、169kgと推定されています。ちょっと前の把瑠都と同じサイズ。今でもデカい方です。
雷電が強すぎてつまらないということで、彼に限り「鉄砲」「張り手」「閂」「鯖折り」が禁じ手にされた、というエピソードが残っていることから、ビールにも「かんぬき」の名前がつけられているようです。まあ相手の肘を極める閂や、背骨を極める鯖折りは、骨や靭帯を破壊する危険があるので、実際に事故があったら禁じ手とされる可能性もないとはいえないけれど、さすがに突っ張りや張り手まで禁じられたということはないとは思うんですが。
それはそれとして、超強かった雷電は今でも地元のヒーローで、ビールにもなるわけです。


■[beer126] 雷電カンヌキIPA

画像1

歌舞伎調のイラスト。外国人ウケも良さそうです。


■ビール情報

画像2

名称:雷電カンヌキIPA
メーカー:信州東御市振興公社
産地:長野県
タイプ:IPA
アルコール度数:6%
価格:300円くらい
入手場所:ナチュラルローソン


■味わいメモ

画像3

外観:淡い茶色。
アロマ:熟成香。フローラル感。ホップの苦味。
味わい:熟成香。フローラル感。ホップの苦味。麦の甘さ。
ボディ:フルボディ。

IPAらしい色。ホップの華やかさと苦味がきちんと香る。スタンダードなIPAだなって感じです。
味わいも実直。ホップの苦味が前面にきます。その後で華やかなホップの香りと熟成香がきて、しっとり落ち着く感覚。後味でも心地よい苦味が残ります。苦味が強いけれど、ボディが重たくないし柑橘感もあるので、もったりすることなく爽やかで飲みやすい印象。ずば抜けた何かがあるわけじゃないけれど、ちゃんと美味しい実力派って感じです。

好き度:★★★★


■[beer127] CAPTAIN CROW

画像4

海賊風のデザイン。IPAということで海のイメージなのかもしれません。コンビニに急にこのデザインがあると、なんとなく浮いてる感じがするんですけれど、手に取りにくくて損してるところないかなあ。


■ビール情報

画像5

名称:CAPTAIN CROW
メーカー:オラホビール
産地:長野
タイプ:ピルスナー
アルコール度数:5%
価格:300円くらい
入手場所:ナチュラルローソン


■味わいメモ

画像6

外観:淡い茶色。
アロマ:熟成香。フローラル感。ホップの苦味。
味わい:熟成香。麦の甘さ。フローラル感。ホップの苦味。
ボディ:フルボディ。

色はIPAらしい普通の濃さという印象ですが、香りは結構ホップ感があります。華やかなホップの香りと、ややこってり目の熟成香のような甘さ。苦そうな香りは意外と弱めかな。
でも味わいの方は苦味が主役。しっかりした苦味が最初から最後まで続きます。トロピカルな熟成香もきちんとあって、ボディには麦っぽさも。喉越しで甘みが抜ける感じがあり、後味は再びの苦味主体。
ホップがたっぷりのIPAというと、ホップの華やかさと苦味がメインというイメージがありますが、このビールは苦味と甘み。でも主役は苦味で、甘みがそれを引き立ててるというか。苦いの嫌いっていう人にはおすすめできないけれど、これは好みの味わい。

好き度:★★★★★


■やるじゃないかオラホビール

あれ、これ、は、美味いじゃないか。って感じの2本でした。言い方は悪いけれど、期待を裏切る美味しさ。
2本とも美味しかったし、オラホビールのビールの平均点が高いんでしょう。コンビニでも売ってるから便利だし、300円くらいというコストパフォーマンス高めの価格も含めるとかなりいけてる醸造所でした。

画像7



ビール代になります。