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ヤッホーブルーイングの個性派クラフトビール4本 1000BeerChallenge(61-64/1000)

■実は大手、ヤッホーブルーイング

ヤッホーブルーイングは、今ではかなり派手に展開しています。実はビール業界での売り上げは6位だそうです。サントリー、キリン、アサヒ、サッポロを除けば、上にはオリオンビールしかいない。まあ、トップ4社で市場シェア99%だそうですし、オリオンビールってそんなに売れてるんだっていうのも意外なので、6位と言われてもピンとこないんですけど。
でもヤッホーブルーイングのビールは、コンビニにもいつも置かれていますし、直営のビアレストランも都内だけでも8店舗まで増えました。なかなかやり手なんです。


■実は老舗、ヤッホーブルーイング

ヤッホーブルーイングの誕生は1996年。酒税法が変わって小規模なメーカーもビールをつくれるようになったころです。いわゆる地ビールが生まれ始めた最初期。
軽井沢を拠点としていますが、さほど地元っぽさ、地ビールっぽさはアピールしていません。広くビール好きな人にバラエティーあふれるビールを紹介してビール文化を創出する、というミッションを掲げているので、地ビールという言い方はされません。もしくは、地ビールブームの終焉とともにクラフトビールという立ち位置に移ったのかもしれません。


■実はクラフトビールブームの生みの親?

1996年の誕生以来、小規模なビールメーカーとして活動してきたと思われます。それが2014年に路線を変更したように見えます。キリンビールと業務・資本提携を開始したのです。そしてキリンの生産力を借りることで大きく展開します。2017年には銀河高原ビールを買収したり、成長を続けています。

そしてヤッホーブルーイングは、PRやマーケティングの非常に上手な会社として知られています。ユニークな商品名やラベルで目立ったり、イベント参加やメディア露出時には社長が着ぐるみを着て出てきたり、会社や商品の名前を広めて認知されて売り上げも上がって、という流れを作り出しました。
で、そんなヤッホーブルーイングの露出や認知が上がった2014年頃から、同じく急激に認知度が上がっていった言葉があります。「クラフトビール」です。
もしかして、クラフトビールってのを普及させたのはヤッホーブルーイングなんじゃないか、とも思われます。もうブランディング的にも規模的にも「地ビール」じゃないよねー、っていう感じで。やっぱりやり手です。


■[beer060] YONAYONA ALE

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よなよなエールは、醸造所の発足当初1997年に誕生、いまでもヤッホーブルーイングのフラッグシップという位置付けのようです。
夜な夜な毎晩飲んでも飽きない美味しさ、みたいなところから来てるんでしょうか。


■ビール情報

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名称:YONAYONA ALE
メーカー:ヤッホーブルーイング
産地:軽井沢
タイプ:ペールエール
アルコール度数:5.5%
価格:290円くらい
入手場所:ビックカメラ


■味わいメモ

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外観:淡い茶色。
アロマ:ホップの華やかさと苦味。熟成香。
味わい:熟成香。フローラル。弱めの苦味。若干酸味。
ボディ:フルボディ

とてもシンプルなペールエールって印象です。会社の雰囲気はふざけてるけど実は真っ当なんですよ、と言いたいのかなって感じすらします。
公式サイトの商品ページには、アメリカンペールエールと書かれていますが、セッションIPAほどアルコール度数が低くもないので、華やかさ重視のペールエールくらいの意味合いなんでしょう。実際、フローラル感は強く、華やかな熟成香がありますけれど、苦味は抑え気味な印象でした。

好き度:★★★

やや軽めのスタンダードなペールエールという感じ。特別個性派でも凝ってるわけでもないけれど、メーカーとして中心に据えるには良い一本なのでは。


■[beer062] SunSun Organic Beer

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100%有機栽培のモルトとホップだけでつくったとのこと。ニッチかもしれないけど確実なファン層がいるだろうところにぴったりのものをつくるっていう、これももしかしたらヤッホーブルーイングの得意技なのかもしれません。


■ビール情報

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名称:SunSun Organic Beer
メーカー:ヤッホーブルーイング
産地:軽井沢
タイプ:エール
アルコール度数:5%
価格:290円くらい
入手場所:ビックカメラ


■味わいメモ

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外観:少しくすみのある明るい麦わら色。
アロマ:麦の甘み。フローラル感。酵母感。酸味。
味わい:柑橘感。酸味。フローラル。苦味。熟成香。酵母感。
ボディ:ミディアムボディ

色からして素材感があります。オーガニックっぽい。
香りは華やかな麦の感覚。こっちもわりと素朴な印象です。
しかし口当たりは酸味が強めです。柑橘系っぽい。麦とホップの華やかな感じもありつつ、ストレートな苦味が加わります。熟成香や酵母感も残りつつ、余韻は爽やか目の苦味が中心。
軽めだけどきちんとしてるって印象のビールです。シンプルな甘みと苦味が軸なのですが、柑橘系の酸味と渋みが複雑さを加えてる感じ。

好き度:★★★★

オーガニック系のものって素朴さにこだわりすぎかなという印象で、ものたりさなを感じることが多い気がするのですが、このビールは一捻りしてるので満足感があるような感覚です。ケース買いはしないだろうけど、こういうのもたまには良いねーって。


■[beer063] 僕ビール君ビール

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カエルのポップなラベルのビール。僕にもー、君にもー、みたいな馴染みやすい雰囲気を演出してるんでしょうか。なかなか可愛らしくていいんだけど、あんまり意図がわからない。まあ目立つからいいのか。
中身はセゾンタイプとのこと。確かベルギーの昔ながらのビールで、各農家が農閑期に作ってたからそれぞれのレシピがあって、みたいな、これと言った定義のないものだった気がします。
僕ビール君ビールは小麦も使ってて、軽くて華やかな感じにつくりましたって雰囲気になってます。


■ビール情報

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名称:僕ビール君ビール
メーカー:ヤッホーブルーイング
産地:軽井沢
タイプ:セゾン
アルコール度数:4.5%
価格:290円くらい
入手場所:ビックカメラ


■味わいメモ

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外観:淡い金色。
アロマ:フローラル感。熟成香。酵母感。野菜的な印象も。
味わい:酵母感。酸味。フローラル。苦味。熟成香。
ボディ:ライトボディ

色は薄め。香りも軽快ながら、ちょっと特徴的。華やかな熟成香や酵母感もあるのですが、香ばしさの印象があります。小麦なのかな。
味わいもまず酵母感と香ばしさ。後から苦味もくるのですが、最初は弱めに感じました。ボディもコクというよりは爽やかだけど、熟成香があり、甘い喉越し感。でも後味は意外と苦い。

好き度:★★★

軽くて香ばしいからか、なんだか不思議と駄菓子感があります。懐かしさもあるような。ベルギーの素朴なビール製法にでも懐かしさを感じられるなんて、人類は懐かしさの要素を共有してたりするんでしょうか。


■[beer064] インドの青鬼

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水曜日のネコって名前だと、それがどういうビールなのかわかりませんが、インドの青鬼って言われると、たぶんIPAなんだろうな、と思えます。
実際にIPAなのですが、ちょっと不思議な味わい。ぐっと苦いんじゃなく、まったり甘いIPAだったんです。


■ビール情報

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名称:インドの青鬼
メーカー:ヤッホーブルーイング
産地:軽井沢
タイプ:IPA
アルコール度数:7%
価格:290円くらい
入手場所:ビックカメラ


■味わいメモ

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外観:淡い茶色。
アロマ:ホップの苦味。フローラル感。カラメル香。シロップのような甘い香り。
味わい:熟成香。ホップの苦味。シロップ風の甘さ。
ボディ:フルボディ

甘さが不思議。カラメルを通り越して、なんかシロップみたいな甘さ。香りからして甘いんだけど、飲んでみても甘い。苦味もあります。おそらくスタンダードなIPAのような香りや苦味はひととおりあるんでしょうけれど、その上にこってりした甘みが乗っている感じがします。甘みが苦味をかき消してるような、ちょっと癖が強いなあ。

好き度:★★

■ナチュラルボーン個性派

いろんなビールがあるってことを広めるのが目的と言っている会社ですから、当然ビールは個性派になります。というか、個性がないビールを売ったら信義に反することになる。
まあそこまで大げさではないでしょうが、どのビールも一捻りあって面白い。でも、本来のスタンダードなビールもきちんと踏まえてるよという感じもあるのがにくいところです。さすが一生懸命ふざける会社です。


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ビール代になります。