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データの可視化でKPIを達成するための仕組みづくり

こんにちは。ADWAYS(アドウェイズ)のディレクター高野です。

現在は、クリエイターチームの中で「データ」を活用した課題解決にフォーカスし活動しています。

今回は、課題解決のために、どのような考えのもとデータを可視化し、どのような施策を実施しているかをアプリプロモーションにおいての文脈で書いていきたいと思います。


データ可視化は目的でなく手段のひとつ

クリエイターチーム(ディレクター/デザイナー)の中でも、データの活用は、デジタル広告に紐づくデータや工数などの業務管理データ、組織(人)データなどさまざまです。

現在、広告領域のクリエイターチームでは、TwitterやFacebook、Instagram、Google、Yahoo!、Tiktokなど、さまざまな媒体(配信面)に出稿するためのバナーや動画といったクリエイティブのプランニングから制作、ディレクションまでを主に行っています。

営業担当や運用担当とともに日々配信したクリエイティブの検証PDCAを回しており、配信したクリエイティブが、どれくらい認知され誘導でき獲得(※1)できたかなどを、セグメント化したターゲットごとに、クリエイティブ単位で、日毎にデータをみることができます。

※1

認知・・・広告が見られたかどうか
〈 主な広告指標 〉
Impression … 表示された回数
CPM(Cost Per Mile)… 表示1000回当たりの単価

誘導・・・広告を見た後、アプリストアなどへ誘導できたかどうか
〈 主な広告指標 〉
Click … クリックされた回数
CTR(Click Through Rate)… 表示回数に対してクリックされた比率
CPC(Cost Per Click)… 1クリック当たりの単価

獲得 ・・・誘導後、ダウンロードまでできたかどうか
〈 主な広告指標 〉
CV(Conversion)…インストールなど成果に至った獲得件数
CVR(Conversion Rate)…クリック数に対してコンバージョンに至った比率
CPI(Cost Per Install)… 1インストール(コンバージョン)当たりの単価
CPA(Cost Per Acquisition)… 1獲得(コンバージョン)当たりの単価


デジタル広告に限らず、近年企業に存在する膨大かつ複雑なビッグデータを統合的に有効活用することの重要性が問われていますが、当然ながらデータの可視化が目的ではなく、データを課題解決のための根拠として正しく活用するためにあります。

プロモーションはそれぞれ目的を持って行われており、案件の特性や状況によって、KGI、KPI(※2)は異なりますが、課題解決に向けたプロセスの中でデータを可視化することで、検証時間を短縮し、次フェーズの新規クリエイティブ検討や、時間軸をもったクリエイティブプランニングに比重を置くことができます。よりスピーディーなPDCAを回すことができ、結果KPIの達成に活かすことができると感じてます。

営業担当や運用担当、クリエイターチーム内で効果がいいと思っていたクリエティブが、別の人からしたら「その認識違うけど……」みたいなことが起こったりします。

そういったズレを起こさないためにも、みんなで共通認識を持つことができる、ターゲットごとのクリエイティブ検証サイクルを可視化する仕組みを作ったほうがいいんじゃないかという考えに至りました。

※2

KGI(重要目標達成指標) / Key Goal Indicator
組織やプロジェクトの最終目標が達成されているか計測するための指標。誰でもわかりやすく、これが達成できたら事業の成果に貢献すると納得できる基準であることが重要。

KPI(重要業績評価指標)/ Key Performance Indicator
KGIに向けて順調に進んでいるかを図る指標。アプリプロモーションではよくこのKPIが使われる。


手段としてのTableau(タブロー)可視化

そこで、各種数値データとクリエイティブデータを紐付けるための可視化に活用しているのが、Tableau(以下/タブロー)というBIツールです。

簡単に説明すると、把握しづらい数値データを直感的に分かるグラフなどに可視化するBI(BI=ビジネス・インテリジェンス)ツールです。
特徴として、下記図の3つがあります。

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・さまざまな種類のデータを反映できるという「反映性」
・ドラック&ドロップの操作で簡単に使えるという「操作性」
・色や形などの表現方法を自由に変更できるという「表現性」


例えば、エクセルの数字が羅列されたデータを直感的に把握するには、並列、変化、構成、相関をそれぞれ比較した4類型で表現します。

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もちろんエクセルにもグラフ化など機能はありますが、前述の特徴により運用面でも便利なため、経営状況の把握や業務マネジメントなど多岐にわたり活用されています。

クリエイターチーム内では、タブローを活用した可視化で下記のような5つのSTEPを構築しています。

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このSTEPの中でも一番重要なのは、STEP1の【分析内容の計画立案】です。
もちろん、分析結果をもとにSTEP5の【改善】でアクションに移すことがマストなのは大前提ですが、

「そもそも何を結果として望んでいるのか?」
「どういうプランで検証してPDCAをまわしていくのか?」


など、現状の課題やクリエイティブを連動させた運用設計を把握して進めていかないと、

「データを可視化したけどどうするの?」

みたいな状況に陥ってしまうことになります。


また、データなど情報量が少なすぎるとアウトプットの信憑性が低くなってしまうため、ある程度ボリュームのあるデータが必要になってきます。
下記は極端な例ですが、左右を比べると右のほうがより信憑性があると思います。


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クリエイティブ検証に連動したダッシュボード

クリエイティブの設計には、下記のようなフレームワークを使用し、時事的要素や心理的なフレームワークなどを組み合わせ、案件の特性をより活かしたアイデア出しをしていきます。

WHO(誰に)
ユーザーインサイトや配信セグメント。
媒体特性に合わせたターゲティング。

WHAT(何を)
ベネフィット。
機能やサービス特性などベースとした訴求軸。

HOW(どのように)
クリエイティブの表現方法。
動画 or 静止画。構成要素や展開。コピーやテキスト。


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そして、検証迷子にならないよう目的達成(ゴール)までの大枠のスケジュールをひき、検証結果をもとに施策の起動修正をしていきます。
こういったサイクルが、目的達成への最適解となります。


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STEP1の【分析内容の計画立案】が終ると、STEP2【データの作成 / パブリッシュ】でデータを作成していきます。

ADWAYSでは、各広告媒体の配信データを統合しデータソースを自動で抽出しているので、既存のデータソースを適宜活用し、別でどの訴求軸やフォーマットで効果が良かったかを可視化して比較するために、クリエイティブごとに設計と連動させたタグ付けをしています。

データが揃い次第タブローサーバーにアップ(パブリッシュ)していきます。

パブリッシュして初めて STEP3【可視化】になり、計画に沿って切り口や数値をストーリーに合わせ可視化していきます。
下記が実際にクリエイティブ検証で作成しているダッシュボードの簡易設計図です。

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このダッシュボードをもとに、期間(フェーズ)やタググループ、キャンペーンなどでフィルタリングし、どのクリエイティブが効果良好かをチーム全員で仮説検証し、STEP5【改善】で次の施策を繰り返していきます。


まとめ

今回はアプリプロモーションの文脈で、データの可視化でKPIを達成するための仕組みづくりの考え方や、施策のプロセスを書かせていただきました。

こういった仕組みづくりは、営業担当、運用担当、そしてクリエイターチーム内でそれぞれの役割があって成り立っていることを念頭に置き、アトリビューションの定義など「正しく計測すること」を大前提に、今後もより効率化できるような仕組みをデータ可視化によって創り、関わる人すべての課題解決になったらいいなと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


ADWAYSでは営業担当、運用担当、クリエイターでひとつのチームとなり最適な課題解決を行っています。
インターネット広告(バナー・動画)を主軸に、WEB(ランディングページ・ティザーサイト・サービスのWEBサイト)、コーポレートアイデンティティ(ブランディングデザイン・サービスのロゴ)、プロダクト(インターネット広告業界における流動的な市場への適応・プロダクト開発)など、まずはご相談ください。


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