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ルミネ広告チェック&炎上対策!分かりやすく解説

今回は2015年に炎上してしまった広告の問題点を分析します。
実際の広告はこちら。

バリバリ厳しめ!広告の炎上チェック

広告自体の問題度: 高
結果:大炎上
理由:男女不平等の観点からN


炎上ポイントまとめ ここがダメ!広告のシーンごとに読み解く

女性に対する男性からの期待
1 『職場の華』というステレオタイプから逸脱した女性を揶揄
2 職場で女性性を出すのを良しとする
男尊女卑
3 男性は女性を評価する立場にあるという男性優位
4 人(女性)を物として見る視点
5 女性の伝統的イメージを強調する時代遅れの表現
コンプラ違反表現
6 職場で人を外見で評価するという不適切さ
7 一元的で脅すような表現
広告目的の未達成
8 意図と異なり女性を応援していない
 

1.『職場の華』というステレオタイプから逸脱した女性を揶揄

ルミネの広告シーン

「寝てそれ?フッ」「需要が違う」という男性の台詞がハラスメントと思われる。この言動の背景にはステレオタイプから逸脱した女性を揶揄する姿勢が見える。
この点は英国の表現規制CAP&BCAP 2018の禁止項目にも当てはまる。

2. 職場で女性性を出すのを良しとする

ルミネの広告シーン

職場では、仕事の能力を基本としてコミュニケーションを行う事が適切であり、一般的に男性性、女性性を介してコミュニケーションが行われる事の多い恋愛での場とは異なる。職場でも女性は女性として生きる事を良しとする表現で消費者は不快感を持った。

3.男性は女性を評価する立場にあるという男性優位

ルミネの広告シーン

男性の態度や「需要」「職場の華ではない」といった表現は、男性は女性を評価する立場にある、という男性優位なジェンダー構造が顕在化されている。

4.人(女性)をものとして見る視点


女性は男性の「需要」を満たすために存在するというような女性を物として見る視点が含まれていることが否めない。

5. 女性の伝統的イメージを強調する時代遅れの表現


「やっぱかわいいなあの子」「職場の華ではない」などの評価が女性にのみ向けられている表現から、男性に気に入られる女性、というようないわゆる伝統的な女性性を強調している事が読み取れ、時代遅れな印象を受ける 

6.職場で人を外見で評価するという不適切さ

ルミネの広告シーン

「寝てそれ?」「髪切ったん?」の台詞 男性からの評価は専ら外見を基本としており、上述のように仕事の評価が基準となる職場に適切でない。

7.一元的で脅すような表現

広告シーン

登場人物の男性の言動を通して広告主が男尊女卑的な考えを肯定しているかのような描写が目立った。というのも、女性が職場において外見で評価されるという時代錯誤を映した上で、不当な指摘をされた女性が「さぼってた?」と自己嫌悪に陥り、「職場の華」を目指す、というストーリーから『職場の華にならないと仕事に影響する』と脅している表現として捉えられるためである。また、2人の女性社員を比較し、1人の社員を「変わらなきゃ」と思わせる、焦らせるという描写も脅迫的

8. 意図と異なり女性を応援していない


結果、「働く女性たちを応援するスペシャルムービー」と題した広告にも関わらず、女性軽視として捉えられるに至った。

炎上可能性をゼロに!不快にさせない広告にするには?

・男性の目線をなくす

⇒女性自身が、人からの評価関係なく「変わりたい」と思う自発的なストーリーにする。

・比較される/比較する表現を除く

⇒女性同士を比べて優劣をつけるのではなく、個々人のなりたいようになれるのを応援する表現にする。

・職場の設定を変更する


⇒デートの日、お出かけの日、休日などに変更。職場ではおしゃれや可愛さは、出しても出さなくても良いというのが通念です。

広告効果を最大化するには?

・メッセージとブランド名を消費者の記憶に残す
⇒ストーリーの主役がルミネになるようにする
今回、炎上した観点から広告を見てきましたが、そもそも、この広告はビジネスパフォーマンスも悪かったと思います。
理由は、何が言いたいかが分からない事、何の広告なのかわからない事です。
「ルミネが変わる」事も、そもそもルミネの広告である事は最後まで分からないので、視聴者はイライラしやすい。
売り上げや認知に貢献する良い広告は、いつも分かりやすく、ブランドの名前が記憶に残りやすくなっています。

実際に自社の広告を事前にチェックしたい

広告炎上や批判可能性を抑えること、メッセージを適切に伝えるには、
社会背景や、ターゲットの傾向、感情など様々な要因を理解する必要があります。
デスクリサーチ、アンケートの実施、調査会社への依頼など方法は様々だと思います。

当方は、広告評価を行った経験を活かし、広告内容のチェックを行っております。もし自社広告、発信内容に不安がある方はお役に立てますので、ご連絡ください。


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