中村ホールデン梨華@AD-LAMP

炎上を、学びに変える!炎上は見えてなかったインサイト!炎上から学べる社会を作ります。倫…

中村ホールデン梨華@AD-LAMP

炎上を、学びに変える!炎上は見えてなかったインサイト!炎上から学べる社会を作ります。倫理/社会的に広告がどう受け取られるか、炎上した背景の解説だけでなく改善提案をします。https://www.ad-lamp.com/

最近の記事

広告の炎上だけでは足りない、広告主に市民の声を届けるシステムを

改善に繋がりにくい広告の炎上日本ではTwitter上での広告の炎上が話題になることが多いですね。 萌え絵が公共広告で使われていたり、 女性の表象や男女の対比表現が物議を醸したり。 良かれと思って作った広告に想定外の批判が来たり。 このような物議を醸す広告が世に出てしまう原因として、 男尊女卑、マイノリティへの配慮、人権意識の低さ、など社会意識の欠如が指摘されます。 炎上の歴史を遡ると、 1970年代「私作る人、僕食べる人」という食品の広告が、 2010年代ではSNS上で

    • 脱・炎上自己責任論

      Doveの広告炎上がなぜ起きたかについての記事が、Twitterで180万Viewもの注目を集めました。 炎上を批判と謝罪で終わらすのではなく、建設的な学びとしてとらえ、炎上を学びに変える目的で書きました。広告主を責めたいのではありません。 私のスタンスを明確に示せてなかったと思い、この記事を書きます。 まとめ炎上した広告の制作チームやクリエイティブ担当者を責めることは、楽ですが、本質的な解決にはつながりません。 この「批判が集まって謝罪&広告取り下げ→炎上が繰り返される

      • Dove炎上広告からみるDEI広告と表現の課題

        広告炎上チェッカーとして、広告コンサルティングを行っている中村ホールデン梨華です。私は日本とイギリスで60案以上の炎上広告を市民の声を聴いて作りなおした経験があります。 イギリスで作り直した炎上広告の1つが、Dove(ダヴ)の広告でした。イギリス市民と話し合って、共感を集められるような広告コンセプトに作り直しました。 私は、海外のメディア知見に加え、今まで広告に取り入れられにくかった”一般市民の声”を聴くことが専門なので、その視点から今回のDoveの「#カワイイに正解なん

        • 海外での広告の掟”Representation”とは

          社会意識が高まり、日本でも環境に配慮したり、今まで注目を浴びなかった属性の消費者や実態についてアプローチする広告が出てきています。今まで60案以上の海外の炎上広告を市民の声を聴いて作りなおしてきました。 イギリス広告業界、社会団体と協同した経験やイギリス大学院や論文で広告倫理について学んだ経験からの知見から、 DEI(多様性・公平性・包括性)の企業コミュニケーションでの掟ともいえる”Representation”について解説します。 日本で全く聞かない!Represent

        広告の炎上だけでは足りない、広告主に市民の声を届けるシステムを

          海外の社会派広告の共感のヒントは制作プロセス‼Doveの事例から

          広告炎上チェッカーとして、広告コンサルティングを行っている中村ホールデン梨華です。私は、会社員としての広告調査の経験と、イギリスでの市民広告プロジェクトを通して、広告を多く分析してきました。 ダヴの20 年にわたるありのままの美しさを見せるキャンペーン: AI の影響を乗り越える Dove Code – AIキャンペーン 「AIにどんな美の基準をとりこませたい?」と問いかけるメッセージとともに、AIが示す美女とDoveが20年映してきた「本物の美」を対比させる広告。 2

          海外の社会派広告の共感のヒントは制作プロセス‼Doveの事例から

          フェムテック企業向け炎上リスク管理セミナーします!

          「ヴァギ活」「赤いバスボム」などフェムテック業界は炎上が絶えません。 フェムテックは今までタブー視されてきた分野なので共通認識がなく、異なる価値観が衝突しやすい=炎上しやすいのだけど、 ✅当事者インサイトがない ✅医療文脈から遠ざける ✅男性目線で性行主義 だと企業姿勢自体に疑問が投げかけられます。 どれも女性を消費する主体として扱う文脈が先行するばかり。 「どうしていいかわからない」そんな方のために、 フェムテック企業向けのリスク管理セミナーを10月後半に無料提

          フェムテック企業向け炎上リスク管理セミナーします!

          イギリス広告規制ルールー日本との違い解説

          改善に繋がらない広告の炎上 日本ではTwitter上での広告の炎上が話題になることが多いですね。 公共広告で萌え絵が使われていたり、 女性の表象や男女の対比表現があったり。 度々広告のジェンダー表現が物議を醸してSNSで炎上する日本の状況とは反対に、イギリスでは、広告が炎上することは少ないです。 広告炎上が少ないだけではなく、炎上後の対応に失敗して企業イメージが悪くなることも少ないです。 イギリスで広告の炎上対策がしっかりしている理由について 広告規制ルールとその作

          イギリス広告規制ルールー日本との違い解説

          英国の炎上から学ぶ、事なかれ主義に代わる対応

          広告炎上に見る事なかれ主義「誰かにとってはそんなに気にならないような苦情」を受けて広告主が対応を急ぐ、というような対応が広告の炎上では度々見られます。 その背後には事なかれ主義や「お客様は神様」とするサービス精神が。 このような荒波立てぬ顧客に優しい企業態度は、 大変美しい日本の誇る精神ではあります。 しかし、日本でよく見る広告の炎上においては、 この精神に基づくと、 「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」と 消費者の受け取り方に責任を置く「ご不快構文」を発表し広告取り下

          英国の炎上から学ぶ、事なかれ主義に代わる対応

          「#生きづらさを生きていく」法務省の広告から考える

          どこかエモい雰囲気を感じさせる #生きづらさを生きていく という広告のコピーが 批判を浴びているようです。 批判内容とその理由、また広告主の法務省の真意を 1つずつ見ていきたいと思います。 広告チェック広告自体の問題点:問題度 低 結果:ぽつぽつと不満あり 要因:伝えたい内容が分からない まずは広告コピーを見ていきましょう. 批判を受けた広告 広告への批判1 生きづらい社会を肯定 #生きづらいを生きていく。 というコピーは、消費者には、広告主が生きづらい社会を肯

          「#生きづらさを生きていく」法務省の広告から考える

          女性用広告が進化!生理用ナプキン訴求の変化を分析

          今回取り上げるのは花王のロリエの広告です。 好感を持てる広告 二階堂ふみさんが生理について話す、国際女性デー限定で放映されたCMだそう。 花王 ロリエ 「ムリしない篇」 なぜ好感が持てるのか1.ありのままの感情を認めている ロリエの広告「ムリしない篇」は、女性の「(生理中は体調や気持ちが)いつもと同じじゃなかったりする」「無理しないことを大事にしたい」という気持ちをそのままストレートに表現しています。 この描写は、ハッピーになれない気持ちを受け入れる姿勢がある、と

          女性用広告が進化!生理用ナプキン訴求の変化を分析

          煽る広告「大丈夫になりたい」の是非を探ると問題だらけだった。大丈夫?

          今回取り上げるのは日経電子版の広告「大丈夫になりたい」というコピーです。Twitterで少し話題になっていました。 まず、今回は広告コピーとその背後にある意図について他の煽り広告と比較しながら分析し、代案を出します。なお、今回イラストは分析対象外です。どれもかわいくエモさあり、私が何か言えることはありません。 広告のコピーチェック広告自体の問題点:問題度 中 結果:ぽつぽつと不満あり 理由:賛否両論なコピー まずは広告コピーを見ていきましょう 「大丈夫になりたい」はな

          ¥300

          煽る広告「大丈夫になりたい」の是非を探ると問題だらけだった。大丈夫?

          ¥300

          「なぜ」イベントを企画したのか?広告表現から社会を考えるワークショップに向けて

          この度、写真研究者の小林美香さん(Twitterアカウント)と広告について語り合うイベントを開催できることになりました。 チケットはこちら イベントの背景や内容についてまとめます。 講師に聞く!広告コンサルの私が気づかないこと元々、広告はビジネス効果が優先です。 だから消費者に興味を持ってもらわないと意味が無い。 私は、会社で、認知や好感UPを基準として、 この広告について消費者はこう思いますよ、と 社外では広告倫理を基準として、 こう受け取るので批判されるかも、不快感

          「なぜ」イベントを企画したのか?広告表現から社会を考えるワークショップに向けて

          資生堂インテグレートの広告はどう批判されたか。消費者を動かす代案を考える

          2016年に炎上したインテグレートの広告「25歳過ぎたら女の子じゃない」のシリーズで、資生堂が取り下げていない広告がありました。 この広告は炎上には至っていないのですが、 批判されやすいだろうな、と感じたので、そのポイントを解説します。 批判されやすいポイントのチェック広告自体の問題点:問題度 中 結果:炎上 理由:消費者に寄り添わない表現 該当広告: 炎上しやすいポイント 1 パワーディスタンスの職場に共感できない 2 職場での不適切な指摘 3 頑張ってるを顔に出さない

          資生堂インテグレートの広告はどう批判されたか。消費者を動かす代案を考える

          ゲーム広告への批判から探る「ファンを裏切らない」エンタメ広告のあり方

          今回はツイッターで批判が集まってしまったゲームの広告をとりあげ、広告の好まれるユーモアについて分析します。「ファンを裏切らない」エンタメ広告のあり方とは何か、参考にしていただけると幸いです。 問題のデジタル広告問題になったのはゲーム「メメントモリ」の広告。 広告に批判が集まった原因1.ゲームの世界観と合わない 2.自虐にならない 3.ゲームの魅力が伝わらない 1.ゲームの世界観と合わない 今回の広告は、ゲームの世界観とは相反する雰囲気になっています。 このミスマッ

          ゲーム広告への批判から探る「ファンを裏切らない」エンタメ広告のあり方

          炎上広告から倫理を学ぶ体験型研修のふり返り

          広告の効果測定や広告倫理についての文献を読み漁った経験から、広告の研修を行いました。 色々な発見がありましたので、記録として振り返りを書きます。 学生イベントで参加者の属性が事前に分からなかったため、 下記を目的をもって、広告や社会学などに詳しくない人が誰でも気軽に参加できるように設計しました。 概要日時 :2022年2月 学生イベントにて ディスカッション参加者 :20代 15人程度広告研修の目的 目的 ・商業的な存在である広告を社会的に見る ・人と意見を交わして自

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          プチ炎上から学ぶ広告を批判する消費者vs広告の問題点:宝島社広告

          広告の炎上には2パターンあって、 広告自体に問題がある時と、 特定の価値観を持つ消費者が広告を批判して話題となる場合があります。 この2つの判断が難しいからこそ、広告主にとって、放映や放映中の判断は悩ましいですよね。 今回は、批判を集めてプチ炎上となった宝島社の広告を取り上げ、消費者と広告倫理の双方から分析します。 広告制作や評価の参考になれば幸いです。 批判があった広告内容実際の宝島社の新聞広告はこんな感じでした☟ プロレスにおけるヒールと広告中の女性の靴のヒールをか

          プチ炎上から学ぶ広告を批判する消費者vs広告の問題点:宝島社広告