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旅するお菓子やの由来

3週間ぶりの更新になってしまいました(汗)。今回は、何故私が「旅するお菓子や」と名付けたのか、そして、何故「ベーキングパウダー及び保存料不使用」のお菓子を作っているのか、話が出来たらと思います。因みに、トップの画像は私がマルシェへ出店する時に使うロゴです。「a dopo」と前に付けた話も出来たらと思います。

コンセプト

先ず、私のお菓子のコンセプトはプロフィールにも記していますが「コーヒーやお酒に合うお菓子」です。私が元々、甘いものが得意ではなく(パティシエのくせに)、バリスタとしてはコーヒーだけでなくカクテルやワイン等の経験も重ねたことが根本にあります。

基本的に私が考えるレシピは、甘さ控えめで「素材の味を引き立てる作り方」を意識しています。「何の味を引き立てたいのか」そこをはっきりさせて、それをそっと引き立てる組み合わせの食材を1つ加える、シンプルな構造が多いです。そして、そこに合わせたいのは大好きなコーヒーや、時にお酒などでした。紅茶でも合うものはあると思うのですが、明るい印象の紅茶より、少し深みがあるコーヒーの方が、私のお菓子には良く合います。深みというのは、「深煎り」という意味ではなく、味わいの深みです。

保存料不使用

私が作るお菓子は全て「ベーキングパウダー不使用、保存料不使用」です。理由は単純で「私のお菓子には必要ないから」です。必要な素材、食材であればそこにお金を費やしますが、不要なものに費やすのは勿体無いと考えるからです。ベーキングパウダーは特に、1回作るのに数グラムと少量ながら、販売している量は何十回も作れる量で、安価でもありません。普段から作っていない限り、期限切れになるリスクもありますし、湿気に弱いので管理も大切です。その負担が、私には不要でした。

「ベーキングパウダーを使わないで、ケーキが膨らむの?」私がこれまでよく聞かれた質問です。答えは「はい」です。薄力粉(小麦粉)には元々膨らむ要素が備わっており、それが薄力粉に含まれる「タンパク質」の含有量で差が出ます。ベーキングパウダーはその膨らむ力を強くさせるのと、膨らんだ弾力性を維持させるために使われます。

私が使う薄力粉は、タンパク質の含有量が低い薄力粉を使っています。そのため、仕上がりもふわっと焼き上がりながらも、しっとりとした食感を残すお菓子が出来ます。そして、何より大切なのは「作る過程のコツ」です。きっちり1グラムもずれずに計るよりも、作る中で「このタイミングでこうする」という数か所のコツさえ分かれば、ベーキングパウダーを使わなくても美味しくお菓子は作れます。

保存料不使用なのは、ベーキングパウダーを使わない理由と同じく私には不要だということと、「長期保存用に作っていない」からです。保存料を使えば、賞味期限は長くなり、お菓子を長く楽しめるメリットはあります。しかし私のお菓子は前述とおりコンセプトと、「素材の味を引き立てる」を意識しており、長期保存向けには作っていません。また、保存料不使用にすることで、小さなお子さんからご年配まで、幅広い年代の方に安心して食べて頂けます。そしてもうひとつ、ロゴに繋がる理由があります。

a dopo 旅するお菓子や

私のお菓子は「近い未来で、また食べたくなる、会いたくなるお菓子でありたい」という思いがあります。一度きりではなく、また食べたくなる、それも1年後とか遠い未来ではなく、数か月後の近い未来。ロゴの「a dopo」はイタリア語で「またね」という意味で、またいつかのまたね、ではなく近々またね、という短期間の再会を願う時に使う「またね」の意味です。a dopoという始まりは、そんな思いを込めて付けました。

「旅するお菓子や」は、元々「旅するパティシエ」と名付けようとしたのですが、既にその名前で活躍されている方がいて、お菓子やにしました。「旅する」は、私が5年ほど前から不定期で各地のマルシェやイベントに出店していたので、固定された位置にいない、旅するように活動していたのと、購入してくれる方々が様々な地域からいらして下さり、「私が行けない場所へ、お菓子が旅してくれる」と思ったのが名付けの理由です。「お菓子や」と名付けたのは、「お菓子屋」という店を持っていないので「屋」という漢字ではないのと、「お菓子たち」という複数形の意味などを込めています。


私のお菓子は、「万人受け」はしないお菓子だと思っていますし、そうでなくて良いと思っています。「コーヒーやお酒に合うお菓子」というコンセプト、「何の食材を引き立てたいか」はっきりさせ、3種類以上の味を組み合わせはしないのは、これからも変わらない軸です。今後、「旅するお菓子や」は、私が作る季節のお菓子と、それに合うコーヒーを一緒に楽しむ「旅するお菓子や会」を全国や、海外でも開催したいなと思っています。お菓子だけでなく、私も一緒に旅をして、様々な人と出逢い、お菓子を食べて笑顔になってほしい。私がお菓子を作るきっかけの「笑顔」を、沢山見られるよう、動いて行きます。応援して頂けたら、凄く嬉しいです。


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