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ショパンコンクール2021

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#飯田有抄のショパコン日記

飯田有抄のショパコン日記56〜オペラ座での入賞者ガラコンサート

飯田有抄のショパコン日記56〜オペラ座での入賞者ガラコンサート

55の日記に書きましたとおり、にわかに固めた「黒くしときゃ大丈夫」コーデでお出かけしたポーランド国立オペラ劇場(ワルシャワ大劇場)と入賞者ガラコンサートの1日目。それはそれは華やかなことでございました。

表彰式やコンサートの模様はYouTubeの配信からも、その雰囲気が伝わったことと思いますが、ここでは会場の内部を少しお写真でも。外はこの通り、宮殿のような劇場入口がライトアップされてドーン!

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飯田有抄のショパコン日記42〜審査員ヤノシュ・オレイニチャクさんインタビュー

飯田有抄のショパコン日記42〜審査員ヤノシュ・オレイニチャクさんインタビュー

ポーランドが誇るピアニストであり、コンクールの審査員であるヤノシュ・オレイニチャクさん。日本でのリサイタルでは各地で熱狂的な感動を巻き起こしておられます。私も2018年11月の日本ツアーでは2公演を拝聴し、号泣ものの感動をいただきました。

さて、そんなオレイニチャクさん、連日の審査でお疲れの中、快くピティナの取材に応えてくださいました。

(このインタビューが行われたのは、ファイナルラウンド開始

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飯田有抄のショパコン日記43~反田恭平さんのファイナルを心酔エール耳で聴く!

飯田有抄のショパコン日記43~反田恭平さんのファイナルを心酔エール耳で聴く!

ただいまポーランド時間の22:18。本選初日の超満員のホールからようやく出て、ホテルに戻りました。まだ、興奮が冷めません・・・。

あまりにも美しい4名のファイナルステージ。正直、こんなにファイナルがすでに祝祭的で、全員がキラキラと輝きを放つステージだとは、想像できていませんでした。3次予選までとは打って変わって、登場する奏者は皆どこか晴れやかな表情で、オーケストラとの舞台を心から楽しみにしてきた

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飯田有抄のショパコン日記35〜お土産にはショパコン・グッズ♪

飯田有抄のショパコン日記35〜お土産にはショパコン・グッズ♪

演奏レポの公式写真をちょっと待っているので、ここで閑話休題。お土産に最適なショパコン・グッズのご紹介です。

物欲に任せて買いまくってしまった・・・のではありません! レポのため仕事のためです(ホントかよ)。可愛いです。今年のショパコンのデザイングッズたち♪

黒いTシャツとトートとマグカップ、普通にステキですよ、このデザイン。コンクールの記念じゃなくても、すごくいい。

実はこのデザイン、ピティ

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飯田有抄のショパコン日記38〜小林愛実さんを入魂エール耳で聴く!

飯田有抄のショパコン日記38〜小林愛実さんを入魂エール耳で聴く!

日本のコンテスタントの最後を飾る小林愛実さんの3次予選の演奏が終わりました。

あんなに長い長い長い長い拍手を客席から贈られたのは、今のところ彼女だけ・・・

あの拍手の意味を、どうとらえるか。私にとっては必要な時間でした。というのも、あまりにも心を揺さぶられる演奏だったので、とてもすぐには切り替えられない。次の奏者を迎えられない。そんな心境だったのです。もちろん賞賛の意味で多くの方が喝采を送って

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飯田有抄のショパコン日記33〜古海行子さんを入魂エール耳で聴く!

飯田有抄のショパコン日記33〜古海行子さんを入魂エール耳で聴く!

たったいま、古海行子さんの3次予選の演奏が終わったばかりです。ちょっと・・・感動がすごすぎて・・・

でもこの日記レポートでは、とにかく現地で受けている衝撃(もちろんいいもの)を、すぐにお伝えすることにしているから、書き進めてみます。

よく、「ゾーンに入る」っていうじゃないですか。スポーツ選手などが、最高のパフォーマンスを出す瞬間の状態。とても冷静に、でも究極に冴えた感覚に入るときのこと。
古海

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飯田有抄のショパコン日記32〜ポーランドのリズムと抑揚♪

飯田有抄のショパコン日記32〜ポーランドのリズムと抑揚♪

3次予選の初日は、ポーランドお二人に始まり、また別のポーランドお二人で終わる、その間に挟まれるアジア人勢、という並びになっていましたね。

昨日の最後から二人のお二人は、

アンジェイ・ヴィエルンチンスキ Andrzej Wiercinski さんと、 ピオトル・アレクセヴィチ Piotr Alexewicz さん。うおおお、舌を噛みそうです。

レポートを書き切る時間がかなりシビアなのですが、ど

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飯田有抄のショパコン日記31〜反田恭平さんを入魂エール耳で聴く!

飯田有抄のショパコン日記31〜反田恭平さんを入魂エール耳で聴く!

反田さんならやってくれる・・・そんな思いでこの時間を迎え、ドキドキしながら配信をご覧になった方も多いことでしょう。静まり返った会場に、柔らかに立ち上るような音色で、反田さんのマズルカ Op.56が始まりました。自由にたゆたうような拍感で、耳に心地よく届くデリケートな音色。じっと耳を済ませていると、ショパンの先へと時が進み、スクリャービンの音楽までもが見通せるような気持ちになりました。

ソナタ第2

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飯田有抄のショパコン日記25〜ショパンの一家が暮らしていたサスキ庭園へ

飯田有抄のショパコン日記25〜ショパンの一家が暮らしていたサスキ庭園へ

10月13日の今日、コンクールは2次予選と3次予選の中日で、審査はお休みです。さすがに連日、客席とホテルのパソコンの前に座り続けていたため、体がガチガチに。運動がてら、カスキ庭園まで散歩に行きました。かつて、ここにあった宮殿で、ショパンのお父さんがフランス語教師として働いていたため、一時期一家もこの敷地内に暮らしていたそうです。今は宮殿はなく、広々とした美しい公園となっています。

あいにくの曇り

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飯田有抄のショパコン日記28〜3次予選その前に、気持ちの整理。

飯田有抄のショパコン日記28〜3次予選その前に、気持ちの整理。

2次の審査結果の発表から、丸1日が経ちました。14日午後5時(日本時間)からは、いよいよ3次予選が始まります。

87名からスタートした1次予選から、この時点ですでに23名に絞られました。コンクールはますます白熱していくわけですが、ここで少し整えておきたい部分があるかもしれません。

3次のラウンドに進む奏者たちを、この先も応援できる喜びがある一方で、自分がずっと応援していたピアニストや、予選を見

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飯田有抄のショパコン日記22〜音楽における「解釈」とは? ホジャイノフさんとキムさん

飯田有抄のショパコン日記22〜音楽における「解釈」とは? ホジャイノフさんとキムさん

すでに日本でもおなじみのピアニスト、ニコライ・ホジャイノフ Nikolay Khozyainovさんの2次予選のステージは、とてもフックが多すぎて、どこからお伝えしたらよいものか。

まずはプログラムが目をひきましたね。

ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」
ワルツ第9番 変イ長調 Op.69-1
ワルツ第4番 ヘ長調 Op.34-3
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
フーガ イ短

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飯田有抄のショパコン日記17〜古海さんを全力エール耳で聴く

飯田有抄のショパコン日記17〜古海さんを全力エール耳で聴く

2次予選4日間も半分が終わっています。3日目夜の部は、客席もかなり埋まっている感じ。このセッションのトップバッターに落ち着いた表情で登場したのは古海行子さんです。

1曲目のポロネーズ第5番から、とても知的で構成感のしっかりとした演奏です。主要主題が最後に戻ってくるところで、ややアジテートしてテンポが上がるのも、緊迫感みなぎる表現でした。
「幻想ポロネーズ」では、中間部のメロディーの美しさを、ハー

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飯田有抄のショパコン日記20〜動画で日記!ホールへレッツゴー♪

飯田有抄のショパコン日記20〜動画で日記!ホールへレッツゴー♪

早いもので、2次予選も最終日。なんだか曜日感覚も日付感覚もごっちゃでございます。

昨日の朝、2次予選3日目の朝ですが、動画日記を作ってみました! ホールに向かう気分を味わってもらえたら♪と思いまして。
マスクしてると、ひとりでぺらぺらしゃべるのも恥ずかしくありません(笑) よろしければ、ご一緒にレッツゴー♪ 

飯田有抄のショパコン日記18〜すごい人たちが出てきちゃった!!

飯田有抄のショパコン日記18〜すごい人たちが出てきちゃった!!

ちょっと感情反射的なタイトルですいません。私の脳内言語がダダ漏れです。3日目夜の部は、濃厚でした。それはそれはもう、濃厚でした。強烈な奏者たちが次から次へと登場しまして。

「すごい人」の登場となるたびに、とんでもなく素晴らしい音楽に出会えた感激と喜びと、「ああ、私の”推し”はどうなってしまうのか・・・」などという不穏な(?)心のざわめきとが、もうごっちゃになって、味わったことのない感覚になって、

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