見出し画像

「デジタル人材」と「非デジタル人材」を分ける要因って?

こんにちは!アドビ未来デジタルラボです!

学生研究員プロジェクトは、始動から半年ほど経ち、最終発表に向けて佳境へとさしかかってきました。各チームそれぞれ、WEB調査やKOLインタビューを行い、自分たちの仮説の検証と提言への準備に取り掛かっています。

このnote記事は、各チームの研究や提言がどのように進捗しているかをまとめた3本目の記事となります。今回は、デジタル人材教育グループ「codeblack」からのレポートです。

このチームの研究の経過を知りたい方は、こちらから記事をご覧いただけます。


こんにちは!学生研究員の海野です。 私のチームCode;Blackは「デジタル人材の育成」をテーマに約半年間活動を行ってきました。第3回となる今回のログレポートでは、これまでの議論の振り返りとともに、私たちが行った調査の結果と考察、今後の展開についてお伝えします。

1) わたしたちが目指す未来

私たちは「デジタル人材」を「デジタル社会にワクワクする人」と定義し、「誰もが社会に新しい価値を生み出し"デジタル人材"として生きる未来」を目指し、議論や調査を重ねてきました。どうしたらデジタル人材を増やすことができるのか?私たちの思い描く未来を実現するためには何が必要か?チームメンバーでさまざまなことを議論していく中で、そもそも「デジタル社会にワクワクする人」がどんな人なのか、それぞれの解釈が曖昧であることに気がつきました。

具体的な施策を考えるよりも先に、まず「私たち学生世代が、デジタルに対し “今、何を考えているか“ 」を知る必要があるのではないか?その上で、「デジタル人材」と「非デジタル人材」を分ける要因を明らかにすることで、今後のデジタル人材育成における効果的な施策を立てることができるのではないか?

私たちは上記のように考え、第2回のログレポートでもお伝えしたような、大学生を対象としたアンケート調査と、デジタル分野に詳しい有識者の方々とのディスカッションを実施することにしました。

2) 「デジタル人材」と「非デジタル人材」を分ける要因はどこにある?

アンケート調査では「デジタル社会にワクワクする人がどのような人なのか」、「デジタル人材とそうではない人にはどのような差があるのか」を明らかにすべく、パイロット調査を行った後、全国の18歳〜25歳の大学生・大学院生計800名にWEB上で実施しました。このとき、回答者自身がデジタル人材であると自認しているか否かでスクリーニングすることで、それぞれの属性の人々の回答の差異から、「デジタル人材」と「非デジタル人材」を分ける要因を探ることができるようにしました。アンケート作成にあたり、パイロット調査の結果をもとにメンバー間で話合いを行い、以下のような仮説を立て、複数の質問項目を考えました。

  • “デジタル”への印象の違い

  • デジタルに対して効率的という印象を持っている人ほどワクワクせず、逆に創造的や新しい価値を深めるなどの印象を持っている人ほどワクワクしているのではないか。

  • 本人がデジタル人材になる必要性を受動的に捉えているのか・能動的に捉えているのかがデジタルにワクワクしているかに影響を与えているのではないか。

  • 過去の経験の違い:デジタルにワクワクするのに、過去の経験が影響を与えているのではないか。何かきっかけになるような起点があるのではないか。

  • 周囲の影響:自分の周りにデジタルに精通していたり、ワクワクしている人が多いほど、本人もデジタルにワクワクするのではないか。

3) アンケート調査結果で着目した箇所3点

アンケート調査の結果をもとに、メンバーで分析を行いました。具体的な分析結果は割愛しますが、結果の中から私たちが着目した点について3つ挙げます。

1つ目は、「友人や知人など、あなたの周りにデジタルにワクワクしている人はいますか。」と質問した結果についてです。この質問に対し、デジタル人材だと思わない人の方が「周りにデジタルにワクワクしてる人が1人もいない」と回答する割合が大きい傾向がありました。

この結果から、自分の周りにデジタルに精通している人やワクワクしてる人が多いほど、その人に感化されて本人もデジタル的な活動に対して好感的になるのではないか、という解釈が得られました。


2つ目は、「デジタル人材になるためには、どんなきっかけや支援が必要だと思いますか。」と質問した結果です。この質問に対し、デジタル人材と非デジタル人材で大きく差がでた項目は、「動画で学ぶ機会をより多く提供する」でした。一方で、デジタル人材と非デジタル人材の両者が求めることは「大学の授業で学ぶ機会を得ること」となりました。
この結果から、デジタル・非デジタルの両者にとって大学の授業がきっかけとなっていることがわかった。またデジタル人材は自ら学ぼうとする能動的な姿勢がより強いと感じられました。

3つ目は、「デジタルデバイス(スマートフォン、パソコン、タブレットなど)を触るようになったきっかけについてお伺いします。それぞれのデジタルデバイスを使い始めたときの心情として、お気持ちに最も近いものをお答えください。」と質問した結果です。この質問に対し、パソコンやタブレットにおいて、デジタル人材と自認している人は、使い始めたきっかけが「自ら積極的に、使用意向があった」が多いことに対し、デジタル人材だと思わない人は「使用意向がなかった、半ば強制的に使い始めた」 という人が多いことがわかりました。

この結果から、デジタルデバイスの使い始めるきっかけが「自ら積極的」なのか「周りから強制的」なのかが、デジタル人材と非デジタル人材を決める要素の1つであることが考えられました。

4) 今後の活動〜デジタル社会にワクワクする人を増やすために〜

アンケート調査を通じて、デジタル人材と非デジタル人材の差をいくつか明らかにすることができました。ここから、私たち学生メンバーだけではなく、デジタル分野に詳しい有識者の方2名と、アンケート結果から考えられたことをもとに、「学生がデジタル人材になるためにどうすべきか」についてディスカッションを行い考察を深めます。

そして、3月の最終報告会では、私たちの思い描く「誰もが、社会に新しい価値を生み出す "デジタル人材" として生きる未来」へむけた具体的な施策を掲載した「デジタル未来白書」を発表する予定です。見た方がデジタルの未来にワクワクするような白書を作成したいと考えているので、ぜひお楽しみに✨


この記事の執筆者

海野 恵
芝浦工業大学大学院 理工学研究科 機械工学専攻 学部時代は同大学デザイン工学科所属し、主にUI/UX デザインについて学んでいます。大学院では感性工学や人間中心設計について学び、研究を行っています。

▼このチームの過去の研究レポートはこちらから


この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!