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科学はHowToのことではないよ

こんにちは。Q&Qのあどにゃーと申しますにゃ。
ビジネスマンは知っておいて損はない、科学について語りたいと思います。科学とは一体何でしょうか?How Toと何が違うのでしょうか?

私は科学は「再現性と反証性の両方を持つもの」と定義します。2つとも聞き慣れない言葉ですので、それぞれ説明していきます。

再現性とは?

再現性は「同じ方法でやると誰がやっても、似た結果が得られる」という性質を示します。いわゆるHow Toですね。例えば、カレーを作る場合、レシピを見てそのとおりに作れば、誰が作っても似た味が再現できますね。これが再現性です。

再現性を持たずに炎上した例に、小保方さんのSTAP細胞がありますね。STAP細胞は、論文に記載された方法を実施しても、誰も似た結果を得ることはできませんでした。小保方さん本人ですら、後の再現試験で似た結果を出せませんでした。

小保方さんが論文作成時に奇跡的に一度実際にSTAP細胞を発見していたとしても、その方法で”再現できない”ということは、これは科学ではないのです。1度の成功は奇跡であって、科学ではありません。

反証性とは?

反証性は「誰でも試験によって結果が間違っていることを検証することができる」という性質を示します。具体的に、先程の小保方さんのSTAP細胞を例にとると、同じ実験方法で結果が異なると検証できたので反証性はあるといえます。(再現性がなかったのでは科学ではないですが。)

反証性のない例題としては下記のようなものがあります。
「神は特別な人には見える」
試験をして見えなかったとしても、あなたに能力がないせいだと言えてしまいます。これでは反証性はありません。したがって、その人にとっては本当に神がみえたとしても、見えない人側から反論の余地がないので科学ではありません。

反証性のおもしろさ

反証性の面白さは、自らが間違うことを前提にしているというところです。100%正解というものはなく、条件・前提・方法によっては結果が塗り替えられるものであるというスタンスです。反証性と再現性を併せ持つ科学のスタンスは絶対的な真実は存在しないから、常に謙虚に誤りを修正し概念を更新していくことになります。

Twitterで流れるような、
「女性差別は絶対に悪だ」「ベジタリアンこそが正義だ」といった二元論はまったく科学じゃないんですね。

あの万有引力を導いた天才のニュートンですら、後のアインシュタインの相対性理論によって例外ケースの発見されているように、科学は絶えず誤りを修正し概念を更新していく謙虚なものなのです。

科学のマインドに学ぶ

産業革命後のすべての人間は、科学に遠からず関わって生きています。しかし世の中は「その時代のトレンド」からはみ出る行動に対して、宗教や変人といった扱いをしてしまいます。反証性を認めなくなってしまったということですね。

ビジネスにおいても昔の時代はキャリアウーマンは変人扱いされたし、転職も非常識だったかもしれません。15年前に将来の夢に子供が、動画共有サービスで動画配信する人なんて言ったらアタマおかしいと言われたに違いありません。現在も、働き方改革によるビジネストレンドは強制退勤を生み、働きたいという主張を殺しています。多様性の推進も、単一性を除外しマクロ視点の多様性を殺して、すべてのミクロ的に均質化しようとしています。

しかし「絶対的な真の正解があり、反論の余地を認めない姿勢ことが宗教的」であり、「常に謙虚に誤りを修正し、より良いものを探し続ける行為こそ科学」です。ビジネスマインドにおいて、自身や自社が宗教的になっていないかを再度チェックし、科学的な姿勢に立ち返り、相手の意見を取り入れたり、視座を広げていくことが重要だと思います。

ベジタリアンはクソだと思っている人も、肉食はクソだと思っている人も相手の意見に耳を傾けて、自分の主張の中の間違いを謙虚に修正し、相手のあり方を認めていく姿勢こそが本来は大切だと思います。

反証性を鍛えよう

日常のふとした疑問の答えを自分自身で深堀りするQQというサービスを作っています。サービス時代が変人的、宗教的だとよく言われますが、ふと常識を疑ったりする「問いの探求」は反証性を鍛える行為だと思います。

もし興味が湧いたら覗いてみてください。

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