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追加合格の電話連絡はいつ?大学入試の合格発表の基本

受験生の皆さんで、合格発表があったが「追加合格の候補者」だったという方も多いかと思います。特に第一志望の大学の場合は、いつ追加合格の電話連絡が来るのか、どれくらいの確立で電話が来るのか不安になりますよね。
この記事では、大学入試における「追加合格」の仕組みや特徴、また電話で連絡をもらった際の対応などを解説します。学校ごとに追加合格の扱いは異なりますが、大きな流れ・仕組みを知ることで少し不安が解消できますので、ぜひご覧ください。


大学入試の追加合格について

まず、大学入試における追加合格とは通常の合格となにが違うのでしょうか。
主に追加合格の候補者というのは、一般入試において設定されることが多いです。というのも、年内入試と言われる「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」は専願(合格した際は入学することが条件)の場合が多いため、合格した方が入学する確率がほぼ100%となります。最近では、他大学と併願できる総合型選抜などを行う大学も多くありますが、そういった総合型選抜でも追加合格を行うことはほとんどありません。

大学入試での追加合格の仕組み

では、なぜ大学は通常の合格ではなく「追加合格」というものを行うのでしょうか。
シンプルに説明すると「必要な人数の入学者が集まらなかったので、追加で合格を出して入学者を確保する」といった仕組みなのですが、少し腑に落ちない点もあるかと思いますので解説していきます。

基本的に大学というのは文部科学省からの「認可」を受けて設置していますが、その中には大学ごとの「定員管理」というものも含まれます。また、私立大学においては文部科学省からの補助金を受け運営をしていますが、その補助金を受け取るための基準として「収容定員(学部の定員×4学年)」に対する学生数の上限が定められています。

【収容定員4000人未満の大学】
2023年度1.5倍
2024年度1.4倍
2025年度1.3倍
【収容定員4000人以上8000人未満の大学】
2023年度1.4倍
2024年度1.3倍
2025年度1.2倍
【収容定員8000人以上の大学】
2023年度1.3倍
2024年度1.2倍
2025年度1.1倍

参考:Beetween情報サイト「2023年度から私学助成不交付基準は収容定員超過率に一本化

その為、入学者をたくさん確保すれば良いというものではなく、上限に沿って学生募集をしています。
さらに、大学というのは一種の箱物ビジネスでもありますので、収容定員以上かつ補助金を受け取れる上限ギリギリまで学生を確保することが収入という意味で重要です。
もちろん、収入のための入学者というだけではなく、効率的な教育ができる人数配分や、資格試験に合格できる基礎学力など多くの要因がありますので、一概に言えませんが大きな方針としては適正な人数を上限に近しい幅で入学してもらうことが重要になります。

ここで抑えておきたいポイントとしては、一般入試の場合「合格者全員が入学するわけではない」といったところです。
合格者のほぼ全員が入学するのであれば、入学してほしい人数をあらかじめ正規での合格者数とすればよいのですが、ここが難しいところでもあり、一般的に合格者が入学する可能性は以下のようなポイントがあります。

  • 人気のある大学>人気のない大学(滑り止め)

  • 一般入試>共通テスト利用入試

  • 後期試験>前期試験

  • 試験での成績下位>成績上位

上記のような係数となります。
なので、上記の係数の掛け合わせとなり、単純に入学してほしい人数から、合格者の数を逆算できないという点が大学入試担当者を悩ませるポイントでもあります...

各大学のポジションにより異なりますが、以下のような状況で入学者の不足や入学辞退が発生し、追加合格候補者からの繰り上げ合格を行います。

  • 大学の対象の入試の入学手続き締切り日
    こちらは、入学手続き締切り日に想定より、入学手続きをしてくれる人数が少なかった場合に追加合格の連絡をする場合があります。この要因としては、自大学より上位の大学が積極的に合格を出したため、そちらの大学が選ばれてしまったなどが考えられます。

  • 競合となる大学の合格発表日
    自大学と多く併願される大学の合格発表日に、想定より多く辞退の申し出があった際に追加合格の連絡を行います。上位の大学ももちろんですが、例えば女子大であれば他の女子大や、語学系であれば語学分野での上位校などの学問分野も関係してきます。

  • 中期/後期入試の出願締切り日
    こちらは想定より中期/後期入試での出願が少なかった場合です、受験生は2月後半など後期になればなるほど既に入学する大学を決めている傾向がありますので、早い段階で追加合格の連絡を行い入学者を確保したいと考えます。


学校ごとの連絡方法の違い

追加合格の連絡については大学ごとに異なりますが、大きく分けると2種類になります。

1.あらかじめ周知している日程での連絡

こちらは入試ガイドやHP、募集要項などで、事前に第一次追加合格発表はx月xx日、第二次追加合格発表はx月xx日のように告知している大学があります。
受験生の心情を考えると事前に予告されている方が安心できるので、比較的親切な大学ですね。
こちらの追加合格発表については書面・電話・HPでの告知がありますが、HPでの受験番号の掲示もしくは、電話で連絡が行われることが多いのではないでしょうか。

2.随時大学が判断したタイミングでの連絡

こちらは入学辞退者が発生したなど大学が追加合格を判断したタイミングで、追加合格の連絡を行うパターンです。
こちらの作成では、ほとんどが電話連絡となるでしょう。また、上記で記載した「各大学の入学手続き締切り日」「競合となる大学の合格発表日」「中期/後期入試の出願締切り日」これらの日程の前後での連絡が多いはずです。
受験生の心情からすると不安な日々が続きますが、大学担当者としてみると、こういった細かなコントロールをする大学は中長期で見て偏差値・ブランドを上げていく土壌がある大学のように感じます。


追加合格の電話連絡の基本

追加合格の電話連絡は前述した状況で、各大学が想定している入学者数よりも少なくなりそうな際に、追加合格の候補者として事前に通達していた受験生に対して電話を行うものです。
前提としては、「追加合格対象者」や「追加合格候補者」といった候補者であると事前に大学から通達されている人が対象となります。
コロナ禍の際に、首都圏の比較的大きな大学が、候補者でない不合格者にも追加合格の連絡をしていたと聞いたこともありますが、候補者以外に連絡をすることはほとんど無いと思っていいでしょう。

電話連絡とは?

電話での追加合格の連絡は出願の際に登録した電話番号に、大学から電話がかかってきます。
そのため、どの電話番号を出願の際に登録したかしっかりと覚えておいてください。また、自身の携帯電話だけでなくご家族の電話番号や固定電話を登録した方は、そちらにも電話がかかってくる場合がありますので両親以外のご家族にも状況を説明しておくとスムーズにコミュニケーションができるかと思います。
もし可能であれば、留守電話が可能な設定にしておくと、不在の際も慌てずに済みますね。

連絡が来る時間帯

各大学ごとに追加合格の電話連絡が来るタイミングは異なりますので、一概には言えません。しかし、大学の事務対応が行われている時間帯が多いので平日の9:00~18:00ごろが多いです。
この時期の特に入試対応をする職員は、週末も出勤していることが多いため、土日でも電話がかかってくる可能性がありますので、週末でも着信があれば対応できるようにしておきましょう。

電話連絡に対する対応方法

多くの受験生は不安に思いながら、電話を待っているのではないでしょうか。受験生からの質問で「電話に出られなかった場合はすぐに不合格になりますか?」と聞かれることが多いですが、私が関わっていた大学ではそのようなことはなく留守番電話にメッセージを残す、再度時間を改めてかけなおすといった対応をしていました。
受験生の人生を左右する対応になりますので、「電話がかからなければ不合格」といった対応は行っていません。もしかすると規模が大きな大学であれば、電話連絡をする人数が多いためそのようなこともあるのかもしれませんが、多くの大学では1度電話に出られなくとも再度の電話や、留守番電話へのメッセージがあるでしょう。

ただし、受験生側も電話に出られなかった際は必ず、気が付いたタイミングでかけ直しをしてください!
すぐに不合格ということはありませんが、1~2日何度も電話をしたが繋がらない・折り返しがない場合は入学の意思が無いと判断してしまう場合もあります。もちろんその際は留守番電話になにかしらメッセージを録音することが多いですが、留守番電話にもならない場合は、仕方なく次の候補者に連絡といった場合があります。
また、追加合格に関しては1~2日で大きく状況が変わりますので、入学の意思がない場合でも電話に出る、かけ直しをするといった対応をした方が良いでしょう。電話を待っている他の受験生もいますので、他の候補者に順番を回してあげるといった意味でも、必ずご自身の意向を伝えてください。


連絡が来た場合の対応

電話で連絡が来た際に、知らない番号から突然の電話のため焦ってしまうかもしれませんが、以下のポイントは必ず確認・メモするようにしましょう。すぐにメモできる状況でなくとも担当者に少しメモの用意をする旨を伝えれば、ちゃんと待ってくれるはずです。

  • 追加合格となった入試区分/合格学科
    電話で先方からも伝えられるはずですが、こちらは必ず確認をしてください。実際に入学手続きに進んで際に、思っていたのと違う第二希望の学科だったという場合もありますので、ちゃんと確認しましょう。

  • 入学手続きの期日
    通常、追加合格での合格者の入学手続き(入学金の振り込み)までの期間は非常に短くなっています。電話を受けた日から3日以内に入学金を振り込む必要があるなど、スケジュールを必ず確認してください。また、銀行窓口での振り込みの際は、窓口が夕方には閉まってしまいますので気をつけてください。

  • 入学手続きの流れ
    入学までどのような手続きを行う必要があるか確認してください。HPから手続き書類をダウンロードするものや、入学金以外の初年度の納付金の入金手続きなど、必ず期日とて手順を確認してください。
    希望の学科に追加合格したが、手続きができずに入学ができないといった場合もあります。

  • すぐに入学するか判断できない場合は、回答の期日
    大きな進路選択となりますので、すぐに返事ができないという場合もあるかと思います。その際は迷っている旨をちゃんと伝え、いつまで回答を待ってもらえるか確認しましょう。期間は短いかもしれませんが、回答までの猶予がもらえると思いますのでそのうえで家族と相談をしましょう。

改めて追加合格の電話連絡について記載すると、入学金の納入期間が短いなど、受験生を急かすような印象を持つかと思います。
こちらは大学担当者も悩ましいところで、本来であれば十分に考える時間を与えたいのですが、他に追加合格を待っている受験生や、入学すると言いつつ保険としてキープし第一志望の追加合格を待つ受験生などもいるため、シビアな対応となってしまっているのが現状です。

さいごに

そして最後にお伝えしたいことは、電話に出られなかった際や、家族との相談に時間がほしいといったことは必ず担当者に伝えていただきたいといったことです。また、本当は入学したいが入学金の準備に時間がかかるといった経済的な事情があれば必ず相談をしてみましょう。
大学の入試担当者は受験の大切さや、さまざまな家庭の事情があることを理解しています。もちろん、相談したうえで他の候補者のことを考えて断られる場合もあるかもしれませんが、書面などを交わしイレギュラーな対応をしてくれる大学もあります。
進路選択を間違えないためにも、なにかあれば必ず交渉・確認をしましょう。

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