かわいい顔したサイコパス 〜 三苫薫の凄さ
2月20日に行われたゼロックススーパーカップ、終了間際に小林悠が劇的な決勝点を決め、フロンターレが勝利した。
このゴールを導いた田中碧から遠野へのパス、小林悠の裏取り、そして遠野から小林悠へのスルーパスのタイミングや質が実に味わい深かったし、とても自分好みの崩しだった。ガンバのセンターバック・三浦弦太がなぜ反転させられてしまったのかなども、考察を深めることができますね。
あぁ、好き。こういう崩し大好き。このプレーだけで一つの文章が書ける。また次の機会にでも。
今日は、この試合で2ゴールを決めた三苫薫について。
僕が思う「三苫薫の凄さ」を、短めに書いてみようと思います。
昨シーズン、新人ながらいきなりブレイクした三苫薫。彼はドリブラーという印象があるけれど、ドリブラーという形容だけでは彼の魅力や凄さは語れないし、彼はきっとドリブラーではない。
ほとんどの人が【ドリブラー】だと思っている乾貴士が、実はドリブラーではないというのに似てる。
(乾自身も自分のことをドリブラーとは思わないと発言してるし、乾を育てた岩谷氏も、乾はレシーバーやと言っている)
そもそもドリブラーの概念て何やねんとなるのだけれど、そこに言及したらクソ長くなるので、今回はやめておきましょう。
では
三苫薫は何なのかと言えば、、
ドリブラーを装ったカメレオン、もしくは、かわいい顔したサイコパス。
もちろんドリブルは彼の大きな武器だし、実際にそのドリブルで昨シーズンは何度もゴールを生んできた。
相手に近い内足でボールを持ちながら相手と対峙し、相手の重心をグイグイ動かさせてその逆を取ったり、内足加速で一瞬にして相手を置き去りにもできる。
そのドリブルのイメージと実際にしてやられた残像があるから、相手はむげに飛び込めない。
その相手の心理を彼は利用する。ここから姿を表す、フットボーラーとしての二面性。
抜き去られるのを嫌がって間合いを保つ相手に対して、彼はその相手を見ないで遠くを見ながらボールを持てる。
むしろもう、その相手とは勝負すらしてない。そんな感じ。
「君なんか見てないし、僕はもっと遠く見てるもん。そんな間合いがあるなら僕、パス出しちゃうし」(三苫氏の頭の中。想像)
と、いきなりノーモーションでアウト回転のアーリーパスを突き刺したりしちゃう。
彼はボールを見ずに相手を見れるし、相手を見ずに遠くの味方を見れる。
来るなら抜く、来ぬなら刺す。
ドリブルという武器を時には振りかざして相手を錯乱し、時にはその武器を隠して抜かず。
相手は脳内パニック、動かされた骨盤もパニック。次に同じ状況で三苫と対峙する時、相手選手はおそらく的を絞れぬまま寄せてくることになる。
カットインされるのは嫌だから内側を切ることになるのだろうけど、それなら縦にいくフリして相手を誘って下がらせて、そこにできたスペースに、またさりげなくラストパス通しちゃうし。
相手に応じて、その場でいかようにも変化できるカメレオン。
あんな爽やかイケメンなかわいい顔してるくせに、相手の心理や残像を利用しながら、自らの二面性で相手をなぶり殺すサイコパス。それはまるで、現在放送中のTBSドラマ「天国と地獄」に出てくる殺人鬼、高橋一生演じる日高(今は綾瀬はるかが乗り移ってる設定だが)のようである。
いやちょっと待て、日高は実は犯人ではなく殺人鬼を装わざるを得ない善人なのではという疑惑が先週あたりからし出してるので、今は僕が脳内パニックを起こしているところなのだが。あー、今夜の最新回が楽しみで仕方ない。綾瀬はるかの美しさが爆発してる。
・・・ 高橋一生ではなく、三苫薫の話に戻ります。
彼はまた、ドリブラーを装ったゲームメイカー、と言ってもいいかも知れぬ。
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