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自由の海を知れ

毎日更新!をひと月続けた後、そのうち「ほぼ毎日」になり、前回は5日ぶりの更新となってしまい、反省したつもりがとうとう今回は6日も間が空いてしまった。
いつでもできる、という設定ではいつでもやらないのと同じ。
やっぱり「必ずやる」って決めないと、なかなか行動には移せないのだと身をもって知ったのでした。

そんな昨日、コーチをしに行っている高校では、新一年生が一気に16名も入ってくれて、グランドが急に密状態。幸せな密。

これから新たに始まる高校生活、そして高校サッカーへの入口の日。こういう節目は大事なので、心機一転してもらうためにも、グランドにホワイトボードを引っ張り出して少し話をさせてもらいました。

もちろん新入生だけでなく、2年生や3年生達にも、マインドセットの機会として改めて伝えよう、と。

自由とは。
フットボールをするのならば、そこは避けて通れない。

自由とは、自分の由縁。自分が自分である理由。
つまり自分がどんな人間であるかということを、プレーを通じて表現してほしい。それこそ自由に。

もちろんそれは一人一人違うのだから、お互いのその違いをわかってあげて、認めてあげて、相互理解してこそ、チームスポーツとしてのフットボールができる。

「アイツはこういうやつ」

良い部分も悪い部分も。
それをお互いがわかっていたら、アイツがボールを持った時に、相手よりもいち早く走り出せる。アイツのミスは、俺がいち早く拾いに行ける。それぞれの自由を、仲間が補完し合う。そんなチームになってほしい。

この高校サッカー部は相当に自由な雰囲気でやってるし、実際相当に自由。こんな自由すぎる人間がコーチをしているからそうなってしまうのは性なのだけれど。
でも自由な雰囲気って、裏を返せば、緩んだ雰囲気にもなりがちだ。

中学までは
「これをこうしてやれ」「ここまでやれ」「これはするな」「なんでやらないんだ」と大人に設定された中でやっていた。
でもその中で頑張っても、それはただの頑張った感でしかない。大人に言われて言われたぶん、やってただけ。
「俺ら、頑張ってたよなぁ」なんて、それはあくまでも幻想だ。

そうではなくて

自由とは、自分がどれだけやるかを自分で決めること。
どこでサボるか、どこで諦めるか、どれだけダレるかも、全て自分次第。

だから、大人に厳しく言われる環境と、大人からほぼ何も言われない、縛られない環境と、どっちが本当の意味で厳しい環境か。

間違いなく後者。つまりこっちだよと。

10周走れと言われて走るのではなく、どれだけ走るのかは自分で決める。それが自由。そして自立、自律。
100周走ったっていいし、1周でやめたっていい。それを自分で決めるのが、フットボールにおける自由ってことだ。
知らんけど。

ジャンボジェット機に乗って、操縦はパイロットに任せて安心して眠りについて、機内に異変が起きてることにも気づかず、気づいた時にはもうアウト、墜落してそのまま死んでしまうのか

小型セスナを自ら操縦すれば、危険には自分で気づける。自分で対処することもできる。もちろん、リスクもあるけれど。

ジャンボジェット機で眠るのか、小型セスナを操縦する人になるのか。自由とはそういうことだ。

彼らにこんな「自由とは」という話をしようと決めていたそんな朝、九州に住む大切なアミーゴが、パウロ・コエーリョという作家さんの言葉を教えてくれた。

「 船は港にいる時、最も安全であるがそれは船が作られた目的ではない 」

これだ。まさにこれやんか!このタイミングでこれを伝えてくれるこのタイミング。やっぱりあの人最高なの。gracias!
大切に思うこと、大事にしたい観点を共有できている気がする。歳を重ねていけばいくほど、こういうのがとても嬉しくなってくる。

選手達にも、このコエーリョさんの言葉をそのまま伝えました。守られている、もしくは縛られている時は安心、安全。でもそれは自由ではない。フットボール本来の姿ではない。勇気を持って、自分で舵を取って、自ら船に乗って航海に出てほしいんだと。

自由の海へ、自ら船を出せ。

大人でもなく、かといって子供でもない。中高校生はそんな時期。
小学生のようなミスはダメだけど、でも
大人になって失ってしまう感性とか、自由度とか、純粋さとか⋯そんなものは、全然残したままでいい。

未成年なのだから、未完成のままでもいい。

「サッカーをするなら年齢関係ない。大人にならないと」
なんてよく言う言葉、最近、本当に嫌いになってきた。

年相応でいいんだぜ!じゃないとつまらないよ。

「自由には責任が伴う」
そんなことを偉そうに言う大人のことも、信用しなくていい。

責任は大人が取るものだ。彼らが自由にチャレンジして失敗したそのツケは、大人である僕らが取ればいい。

10代はキラキラしてるけど危なっかしい。だからこそ魅力がある。そんなティーンエイジだからこそできるサッカーを、存分に楽しんで存分に表現してほしいんですよね。

過去のnoteは こちら から




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