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TRPGセッションのための海外歴史画像の見つけ方

こんにちは! CoC×歴史、おいしい!!!!!
どうも、歴史シナリオではタイムスリップ感を味わってほしい系KPです。

TRPGで海外の歴史を舞台にしたセッションをするとき、

・現地の画像を入れたい!
・歴史モノっぽさを出したい!
・雰囲気たっぷり味わいたーい!!

となるときはありませんか? 私はあります。

そういうときにイイ感じの画像があると助かりますよね。ココフォリアの前景やスクリーンパネルでイイ感じの画像を出したい! なんとなく歴史っぽい感じとか現地風なあるいは異国風な感じが欲しい! でもそういう画像をどうやって調べたら出てくるのかがそもそも分からない!!! このnoteは、そういう人に向けた、なんとなくその時代っぽくてイイ感じの画像をネット上で見つけるための検索アイデアまとめnoteです。

同好の志のお役立ちになれば幸いです。

なお、この記事はCoCベースで話をしていきます。他システムの住人は適宜必要なところを置き換えて読んでください。


基本編

基本は「英語」! できれば「現地語」! それから「年号」!

これでググります。

さまざまな時代地域を舞台にしたシナリオであれば、おそらく舞台となった地域名や特定の建物名などの様々な固有名詞が書かれているのではないでしょうか。例えば「キングスクロス駅」とか「シェーンブルン宮殿」とか「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」とか「クラークスデール(都市名)」とか「ニューヨーク市ブルックリン地区」とか「チルコ・マッシモ」とか、そういった固有名詞のことですね。

こうした海外の固有名詞を日本語のままググっても、あまり数はでてきません。あるいはマイナーな地名や建物だと画像が出てこないこともあります。

なので、基本的には英語で、もしくは現地語でグーグルの画像検索をかけていきます。検索エンジンには色々ありますが、基本的にはGoogleで良いと思います。中国についてはグレートファイアウォールがあるので、中国にまつわる画像を探す場合は、Baidu(百度)で探したほうが早い気がします。

Baidu(百度)


固有名詞の英語/現地語がわからない場合

①固有名詞(地名や施設名)でググるかWikiる(日本語)
②Wikipediaの記事を見つける(日本語)
③Wikipediaの冒頭には基本的に英語や現地語が記載されている
④コピペしてGoogle画像検索(英語/現地語)

の手順で大概はなんとかなります。

「シェーンブルン宮殿」のWikipedia。ドイツ語は"Schloss Schönbrunn"


Wikipediaがない場合は、一応Google翻訳を試すのもアリです。ですがこの場合、カタカナの部分が表記ゆれしていたりするとうまく英訳/現地語訳されない場合も多々あります。適当にそれっぽい音を打ち込んでGoogle先生からの修正提案を期待するという手も取れなくはないですが、あまり期待できません。

ググってもWikiってもなにも見つからない場合はあります。マイナーな建物だったり、既に取り壊されてしまっていたりする場合がありますし、実はシナリオオリジナルの架空の建物名だった、ということもあります。そういう場合は固有名詞は諦めて、抽象的な単語でそれっぽい画像を探します。セッション用画像としては基本的には十分かと思います。例えば「Hôtel Ritz(オテル・リッツ)」の画像が欲しくて、もし一切画像が出てこなかったとしたら、固有名詞ではなく「Hôtel(ホテル)」という一般名詞で調べるわけですね。(現実世界ではオテル・リッツは超有名な一流高級ホテルなので画像はじゃんじゃか出てくるわけですが……。)このとき、絞り込みキーワードとして、例えばそのシナリオの舞台である「Paris(パリ)」「France(フランス)」という地名を入れてもいいですし、具体的にこういうビジュアルが欲しいと決まっているなら「entrée(エントランス)」とか「la réception(受付)」を入れるのも良いと思います。いずれにせよ、英語もしくは現地語で入れます。現地語がわからなければGoogle翻訳を使いましょう。文章レベルはともかく、一般的な単語レベルの翻訳なら大概なんとかしてくれます。

あとは「②Wikipediaの記事を見つける(日本語)」のあと、英語あるいは現地語のWikipediaに飛ぶのもアリです。日本語のWikipediaよりも英語あるいは現地語Wikipediaのほうが充実しているのはよくあることです。

加えて、Wikimedia Commonsが利用できる場合もあります。Wikimedia Commonsはライセンスがフリーです。素材として気兼ねなく使えます。ありがたいことですね。

WikipediaからWikimediaCommonsへのリンク
Wikimedia Commons


年号の入れ方

英語もしくは現地語にした地名や建物名のみで検索すると、多くの場合において、現代の観光写真がヒットしてきます。シナリオで訪れることになる有名な場所は現実世界でも観光スポット化していることが多いです(当然ですが。)

もちろん、現代の写真を利用したい場合はそれはそれで大丈夫です。ですが、「当時っぽい」画像が欲しい場合は、舞台になっている時代の「年号」を入れます。地域にもよりますが、体感では19世紀以降であれば数字4桁で大丈夫です。このとき、1の位については四捨五入していいです。「1921年」が舞台のシナリオで、そのあたりの年代の画像がほしいときだったら「1920」とか「1920s(1920年代)」で調べちゃうわけですね。まあGoogle先生は少し大雑把で、「1920」と入れたとしても「1921」と入れたとしても、おおまかに大体その前後の年号の画像を出してくれます。下一桁までキッチリ入れたとしても正確にその年号の画像だけを拾えることは多分ないです。なので「1920s(1920年代、英語)」とか「1920er(1920年代、ドイツ語)」とかで括ってしまって大丈夫です。(これは体感ですが、むしろそうしたほうが「当時っぽい感じ」ぐらいのアバウトさで画像を探すときには有効な気がしています。)

1920年代アメリカ(ジャズエイジ)、1890年代イギリス(ガスライト)などはだいたいこれで行けます。ちなみに「ジャズエイジ」であれば年号の代わりに"Jazz Age"を入れてもそれっぽい画像がでてきます。なお「ガスライト」は"Gaslight"を入れてもあまり通用しません。英語(現地語)であのあたりを表す単語としては"Victorian era"を入れたほうがそれっぽい画像が出てきます。

Google画像検索の大まかな傾向として、アメリカ&ヨーロッパで、なおかつ19世紀後半以降の画像であれば、比較的充実している傾向にあります。1799年パリ、1888年ウィーン、1900年ベルリンなどは割りとなんとかなった記憶があります。しかし、地域がアメリカ&ヨーロッパを外れると、そもそもインターネット上にあがっている画像が少ないのかなんなのか、使えそうな画像がヒットする件数も少なくなるという体感があります。これは筆者の経験ですが、1914年アフガニスタン、1850年代スマトラ島などはイメージ画像探しに苦労しました。あまりメジャーではない時代地域を舞台に遊ぼうとするKPの皆さん、がんばってください。応援しています。どうにもならなかったら各地の図書館や文書館がオンラインで公開している当時の刊行物をただひたすら目視して探していく手法などもありますが、これについては今回は割愛します。

そして19世紀より前、写真媒体あるいはそもそも出版媒体それ自体が普及する以前の場合、「14th century(14世紀)」「medieval(中世)」「early modern(近世)」など、広めのくくりで時代を絞っていきます。インターネット上に上がっている画像の数が(より正確には、Google検索でヒットする範囲内で上がっている画像の数が)少ない気がします。


絵画編

持ち運びカメラが普及する以前の年代について、カラーのイメージ画像が欲しいときは絵画です。絵画。絵を探しましょう。写真がモノクロだった時代のカラー画像が欲しいときにも、基本的には絵を探します。この場合、特定の建物や場所についての絵というよりは、その時代の雰囲気っぽい絵を探すといった目的のほうが近くなると思います。

Paintings(絵画)、Oil Painting(油絵)、Watercolor(水彩)、あたりが有効な追加ワードになってきます。あとEtching(エッジング)、Engraving(エングレービング)、Lithograph(リトグラフ)といったキーワードなども、一緒に検索するとそれらしい画像を引っ張ってきやすい単語です。絵画の場合は英語で調べるのが強いです。現地語が通じないとは言いませんが、絵画として描く文化が築かれ、なおかつそれがオンライン化していないと検索には引っ掛かってこないので、英語が強いです。(絵画文化の定着しているヨーロッパ言語であれば、現地語のほうがヒット数が上がる場合もあります。)

美術史の造詣のある方であれば、その時々の絵画の画風や流派、あるいは作者名などから探していくのもアリです。この場合でも英語もしくは現地語は強いです。ただ難しいのは、これは風景画や人物を描く文化が築かれていない時代地域には使いにくいという点です。宗教画や肖像画などはそれはそれで歴史的には重要なものですが、TRPGのセッションで「PCがいる時代地域」への想像力を補う目的で利用するには、少々難しい気がします。

風景を描いたものとして、例えば、これはブリューゲルの「農民の踊り」(1568年)ですが、こういう風景を描いたイメージがひとつあると、当時の服装や町並みの雰囲気が伝えやすいです。

ブリューゲル「農民の踊り」(1568年)

こちらはエドゥアルド・ゲルトナーというビーダーマイヤー期の画家の作品です。時代地域によっては、このように日常的な風景や建物などを描く文化があることもあります。こういった場合、ひとつの絵から画家を見つけ、さらにその画家が居たとされる流派名を見つけ、追加で検索をかけていくという技が使えます。

エドゥアルド・ゲルトナー「Zimmerbild 96」(1849年)


写真編

写真が欲しい場合、英語なら検索呪文として「photo(写真)」を追加で入れましょう。現地語の場合は「photo(写真)」を現地語にします。

ちなみに「snapshot」は被写体を撮るときによく使われるので、旅行の記念写真というか、人間がカメラの方を向いて笑いかけてくるタイプの写真が出てきます。でもたまに「snapshot」で「街中(+行き交う人々の雑踏)」みたいな感じの写真を見つけられる場合もあります。体感ですが、snapshotは比較的現代に近い写真が多いので、後述する「権利関係」と要相談になってくることが多い気がします。


権利関係

著作権については各位が各事例ごとに判断をしてください。
としか言いようがない。

(日本では)著作権法での保護対象は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」です。(著作権法第2条第1項第1号)それぞれの画像が「思想又は感情を創作的に表現したもの」には該当するかどうかは画像によって異なります。詳しく知りたい場合は著作権法を勉強しましょう。

また、日本では「私的利用」の範囲内あれば権利者の承諾を得なくても複製を行うことは可能ですが、個々のセッションが「私的利用」の範囲内であるかどうかについても、個別判断になってくるかと思います。詳しく判断基準を持ちたい場合は著作権法を勉強しましょう。

パブリックドメインだったり、CC0であることが明言されていたり、あるいは著作権切れであることが経年によって確実なものだと安心ですね。


あとがき

以上、「TRPGセッションのための海外歴史画像の見つけ方」でした!!
イイ感じの画像をイイ感じに活用して、楽しくセッションできるといいですね!

CoC×歴史、楽しい~~~~~!!!!!

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