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給食普及活動

去年、街に出たときに遭遇した出来事。

雨なのに傘を持って、タスキをつけ、バインダーとマイクを持って、車の音にも負けないくらい語りかける熱心な主婦さんたちの姿を見た。

「子どものために、親のために、中学校に給食の普及を!」

給食、お弁当。。。

蘇った嫌な記憶。。。

わたしの市の中学には給食なんてなかった。

わたしが中1後半から中2のとき母が乳癌で繰り返し入退院をしていた。

パン注文のパンはマジで美味しくないから頼みたくないし、北朝鮮のように厳しい校則の中学だったためw外で買ってきたものを持ち込むのはできなかった。

二世帯に住む婆さんは洗濯もご飯もしてくれたので弁当にまで手を借りたくなかったので、自分で作ることにした。

毎朝6時起き。冷凍食品と昨日の残りを詰める。

昼の時間のチャイムが鳴るー

向かい合わせの席、班で食べるのは一番しんどかった。

おかずの少ないダサい弁当、バレンの使い方が下手すぎる弁当。野菜の少ない色合いの悪い弁当。

イジメっ子にはとてもいいネタだったんだろう。からかわれ、馬鹿にされ、笑われた。
(そのことがきっかけとなり、見返すために料理が趣味、今では得意になった。)

「お母さんの弁当は?」とか、
「え、お母さんいないの?」や
「ねっこってお母さんに嫌われてて弁当作ってもらえないんだって〜」や
「お母さん死ぬかもしれないらしい」など、
許せないくらい変な噂もたった。

そのときの傷なんて今はなんとも思わないけど、当時は相当傷ついたし、悲しかったし、ストレスだらけだった。

「え、お弁当大丈夫?」
「自分で作るの大変よね、難しいよね」
「先生のあげようか?」

クラス全員に聞こえるような大きさの声で言う。
担任の干渉はうざいとしか感じなかった。

蘇る記憶。。。

数十年前のわたしのような状況にいる生徒がいるかもしれない。。
そうならないためにも県内に全国に、給食が普及してほしい!中学は義務教育なんだから!という気持ちでペンをとり署名をした。

「署名ありがとうございます!!あー〇市にお住まいなんですね。〇市もまだ給食がないですよね。だったらお弁当でしたよね?!」

「そうですね、わたしは自分でお弁当作ってましたよ。。」

感じのいい人だったし、この勢いでちょっと話してみようと思った。

過去に体験したことと、その頃から不満に思ってきたことも聞いてもらった。

学校や周りの生徒は「お母さんのお弁当は?」とか、家に作ってくれる人がいるのを前提に話されること。
「お母さんは?」とか、「お母さんどこ?」とかいう言葉を世の中の人は普通に言うけど、いて当たり前みたいに、それを前提と思い込んでる世の中どう感じます?ってこと。


当時、イジメられ期にあったわたしは休憩時間に保健室に通うこともあって、なんらかの事情があって家庭の問題で悩む子やそのことで心を閉ざしていたり、イジメにあっている子の姿を見てきた。

お弁当を作ってくれる人が家にいて当然とすることや、お母さんがいることが前提とする社会はおかしい。
また、いない人に対して特別視するような周りの目はおかしい。学校や世間はどうかしてると思っていた。
わたしが受けたこの出来事と、おかしいな世の中の現状をいつか誰かに聞いてもらいたいと思っていた。

そして今回、署名という形で思いを伝えた。



子どもは大人が思う以上に繊細で傷つきやすい。

傷ついた傷をそのままにしてしまったらトラウマになり、大人になるまで引きづってしまう。

心を閉ざしてしまう子どもたちが一人でも減るよう、わたしにできる場所で、できる範囲の活動なら協力していきたいと思った。

そして一刻も早く、全国の中学校に給食が普及することを祈る。

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