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WAIS-Ⅳの結果。言語理解と処理速度の凸凹【ADHD】【ASD】【大人の発達障害】

先日、WAIS-Ⅳ (ウェクスラー式知能検査の成人用第4版)の結果を担当医から受け取った。

WAIS-Ⅳの結果


全検査IQ 111(107-115) 平均-平均の上
言語理解 126(119-130) 平均の上-非常に高い
知覚推理 105(99-111) 平均-平均の上
ワーキングメモリー 100(94-106) 平均-平均
処理速度 93(87-101) 平均の下-平均

注)IQの項目について:1つの値を載せているが、実際にはカッコ内の範囲にある(90%の信頼性)とのこと。

IQと合成得点のグラフ
各項目の細かい評価点

心理士からの助言

【検査結果】

得意不得意は誰にでもありますが、知能検査の結果を見ると、全体的には平均の上です。ただ、能力のばらつきが人よりも大きい可能性があります。

・【言語理解】の高さが目立っています。言葉を用いて論理的に考える、必要なことを的確に説明するのが得意です。学校で学ぶ知識や一般常識も十分身に付いており、社会のルールに照らし合わせて判断できる方でしょう。

・【言語理解】に比べると他の3つの合成得点は得点が下がっており、特に【処理速度】との差は33点と大きいです。【知覚推理】【ワーキングメモリー】【処理速度】そのものは平均域なのですが、【言語理解】との差があること、【知覚推理】もよくみると得点がバラついているのがポイントです。ADHDのお薬を飲んで効果があるとのことですが、服薬前には今よりも得点が開いていた可能性があります。

【言語能力】との差が出ているのは注意機能の弱さが関係しているのかもしれません。注意機能とは情報を素早く正確に取り入れ、それを忘れないようにしながら素早く、或いは同時に作業する力になります。新しいことを覚える際に時間がかかる、切り替えがうまくいかず言い間違いや見間違い、思い違いが起こる、同時作業だと素早くこなしにくいなどに関係しています。

【知覚推理】で「積木模様」が8点で平均域ではありますが、「パズル」は15点で非常に高いです。「バランス」は11点で時間超過による失点が5問ありました。隙間なく力まずに積み木を並べ、筆致も滑らかな様子からは手先の器用さが窺えます。「積木模様」の低さは初めの問題で緊張した影響もあるのかもしれません。或いは、物体の回転や置き換えなど感覚的にこなせるものは得意な一方で、扱う情報量が多く手順を論理的に踏まないといけないような複雑なものだと、理解に時間がかかる、どこまで進んだかわからなくなることがあり、苦手なのかもしれません

検査結果1

配慮点・工夫点

服薬している現状での判断になりますが、転職は十分に可能です。気軽に話しかけにくい、ながら作業だと集中が削がれる特徴はありますので、接客メインよりは一つの作業に集中しやすく自分のペースでできる仕事が向いています。
・やらないといけない、やりたいと思うこと(【言語理解】に該当)に実際にできることが追いつかず実際に求められていることよりも高いものを想定することでプレッシャーを感じ、ミスが生じる可能性があります。
→最初の目標を下げ、その7割くらいの達成を目指すのがおすすめです。
・手順などは初めに誤認がないかしっかり確認できているので確認しましょう
視線の移動が多いと見落としや見間違いが多くなります。
→ものの置き場所ややり方を固定し、シンプルにできるのが望ましいです。
・脳が疲労してくると見間違い、思い違い、抜けは起こりやすくなります。
→休憩をきちんととる、間食でチョコや飴や甘い飲みものを飲む、一旦目を閉じたり時間を置いたりしてから確認してみるという方法があります。
・正確さが求められる仕事は元気なうちに実施するか、翌朝などに見直す
・個数のミスなどは、数が合っているか見取り算をするのも良いでしょう

検査結果2

言語理解と処理速度の凸凹

得意な【言語理解】と苦手な【処理速度】との、33点の大きな得点差が自分の困り感の主な原因のようだ。

【言語理解】の点が他と比べて高いのは、一応普通科の高校、大学、大学院と進学して卒業しているので、受験勉強の知識やレポートを書いていた時の文章力がかろうじて残っているからか。

処理速度が低いとどうなるか

とてもわかりやすい記事があったので引用。

WISC-4(ウィスク4)検査における処理速度指標(PSI)とは、ザックリ言うと
「視覚で捉えた短期的な情報を二次元的に処理する力」
を指します。

さらに詳しく述べると
・同時処理
・視覚的短期記憶
・描写処理
・選択的注意
・集中力


などです。

発達障害サポートブログproduced by 家庭教師のあすなろ

つまり、処理速度指標(PSI)が低いと

1.視覚情報の認識が苦手
2.視覚情報の記憶が苦手
3.同時処理が苦手
4.描写処理が苦手
5.集中力がすぐに切れる


ということが往々にして起こり得るのです。

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このように処理速度指標が低い子どもにはさまざまな困難があるのですが、まずは板書をノートにとることに焦点を当ててみます。

板書をノートにとる際に必要な行動を1つ1つの細かい行動に要素分解すると

書き写すところを見つける
書き写す内容を理解する
書き写す内容を記憶する
書き写す内容をノートにトレースする

と言えるでしょう。

たくさんある文章の中で書く場所を探すという行為は「選択的注意」と呼びます。この「選択的注意」が低い子どもは、探し物が見つからなかったりします。学校や塾からプリントをもらったとしてもバックから見つけることが困難なのです。

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自分が特に苦手なこと全部書いてあってすごい。
検査結果で指摘された注意機能の弱さとピッタリ対応してるなと思った。

【言語能力】との差が出ているのは注意機能の弱さが関係しているのかもしれません。注意機能とは情報を素早く正確に取り入れ、それを忘れないようにしながら素早く、或いは同時に作業する力になります。新しいことを覚える際に時間がかかる、切り替えがうまくいかず言い間違いや見間違い、思い違いが起こる、同時作業だと素早くこなしにくいなどに関係しています。

検査結果1から抜粋

自分も小中高と板書が苦手で、綺麗にノート書けてなかった。
仕事中、書類やホワイトボードのどこを見ていいのかわからなくなったり、それ以外に日常生活でとにかく見落としが多いし、周りの人が当たり前に見つけるものや気づくことに自分だけ気づけなかったりする。書き間違いや言い間違いも多い。

パッと見て情報から意味を読み取るのが下手だ。子供の時から今までずっと苦手で、身の周りのもの、図や表、本を読むとき、動画をみるとき、解像度が粗いというか。ぶつ切りになってるというか、ざっくりとしかわかってない。

あと、人とのご飯で自分だけ食べるの遅かったり、服薬前は何か始めると、直前にやってた仕事を忘れて放り出してどっかいってたりしたので、心当たりはいろいろある・・・

↓↓処理速度が低い人の特徴については以下の記事も参考になりました。


【言語理解】と【処理速度】の得点差から生じる困り感

能力が平均値の割に目標ばかり高いというのは前から自覚があった。性格の問題だと思ってたけど脳の発達の問題でもあるようだ。

  • やってみたいことやその手順などはすぐ浮かぶが、いざ手を動かすと思ったより全然できない。

  • テストでは平均以上は点取れるけど、小論文や面接、団体行動などをするとポンコツさが目立つ。

  • 読みたい本はたくさんあって買うけど、いざ読もうとすると苦労して読めない本ばかり溜まっていく、などなど、、、

高い目標を設定しがちな割に、できないことが多いため自分にガッカリすることが多かった。

心理士からの助言にあるように、

  • 最初の目標を下げ、その7割くらいの達成を目指す

  • 他人に確認してもらう

  • 休憩をきちんととる、など

自分に期待しすぎないで、まったりやるのがいいようだ。

ストラテラの服薬前だったら今よりキャパが小さく、やりたいことがいっぱいで、焦りやすく、注意が飛び飛びだったので

「意識しても考える前に焦ってるんだから無理!😡」

ってかんじだったけど、薬効が安定して落ち着いている現状ならできる気がする。

感想


他人から見えない困りごとに客観的な結果がついてきたのは良かった。

知能検査の結果は、今まで感じていた不便や困り感を裏付けるような内容だった。

直前のことすぐ忘れる、ケアレスミスが多い、動作が遅い、同じミスを繰り返すとか、言葉にしたら月並みなことではあるんだけど頻度が異常だったし意識しても一向に治らないので「なんかおかしいよな・・・?」ってずっと感じてた。自分の意思ではコントロールできない、かといって環境や周りの人のせいにするのも違うし・・・という厄介な不具合が通院と服薬、知能検査を通じて、少しずつ自分の一部として感じられるようになった。

心理士からの助言には具体的なアドバイスもあってすごく助かる。しんどいことは多いけど、のろくても少しずつでも自分を変える行動を繰り返すのが生活をいい方向に向かわせると信じているので、知能検査の結果をヒントに、不便を解消する工夫をしていきたい。

予約の手間があるし、時間も費用もかかったけど、受けてみて良かった。

その他

担当医からは

・これまでの経緯、検査結果から、ストラテラの薬効を感じている様子からADHDの診断で間違いなさそう。ストラテラは今の量で服薬を継続した方がいい。
・ADHDの治療として通院しているが、ASD(自閉症スペクトラム)の傾向も見られる。
・検査結果はあくまで検査で示された結果の数値なので、あくまで参考に。IQの高低をあまり深刻に考えないでください。

とのことだった。

ASDは治療法ないらしいので、何かあるとすれば生活の工夫をするとか、今飲んでる薬を増やすとかになるんだろうか。次回の通院時に相談したいと思う。

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