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三大都市圏の関係人口は1,000万人超!属性や傾向に関するまとめ[国交省調査結果]

ここ数年、「関係人口」が地方創生のキーワードとして、さまざまなメディアにも頻繁に取り上げられるようになりました。
総務省が進める関係人口創出・拡大事業は2020年度は3年目を迎えます。
2019年度の採択自治体は以下の通り。

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自治体ごとの具体的な取り組みについては、コチラのPDF資料として掲載されています。

そもそも関係人口とは何なのでしょうか
観光以上定住未満の地域を訪れたり地域の特産物を購入したり、特定の地域と関わっている人のことを指します。ふるさと納税をする人も関係人口に含まれますし、月に何度も特定地域に行って仕事をしたりイベントに参加したりするような人たちも関係人口。関わり度合いはまちまちです。

国の説明によると、

日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域と継続的かつ多様な関わりを持つ人

と定義されています。

さて、国土交通省が関係人口を推計するためにアンケートを実施し、2020年2月18日に結果を報告しているので、ポイントをおさらいしてみたいと思います。

(参考)調査の概要
○対象者:18歳以上の三大都市圏に居住する人(有効回答数:28,466人)
○調査方法:インターネットアンケート(調査実施時期:2019年9月)

2割強が関係人口、日常生活圏・通勤圏外へ訪問

アンケートを実施した18歳以上の三大都市圏で、23.2%、約1,080万人が関係人口で、日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域を訪問していることが分かりました。4人に1人の割合です。ちなみに、ふるさと納税などの非訪問系は、23.2%(約1,080万人)の中には含まれていません

調査では、関係人口(訪問系)を以下のように4つの分類に分けて、集計しています。

1. 直接寄与型
産業の創出、地域づくりプロジェクトの企画・運営、協力、地域づくり・ボランティア活動への参加等

2. 就労型
地域においてテレワーク及び副業の実施、地元企業等における労働、農林水産業への従事

3. 参加・交流型
地域の人との交流やイベント、体験プログラム等に参加

4. 趣味・消費型
地縁・血縁先以外で、地域での飲食や趣味活動等を実施(他の活動をしていない)

分類ごとで割合の多い順に、
趣味・消費型>参加・交流型>就労型>直接寄与型
となっています。

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関係人口を推進する施策として、政府は交通費補助を実施ことになりました。東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県に住む(住民票のある)人が、地方や首都圏過疎地で兼業・副業する際、1人当たり年間50万円を上限に3年間で最大で150万円の交通費が支給されます。

この交通費補助により、今後は就労型の関係人口がより増える可能性も考えられます。

続いて、関係人口の人口構成を見てみましょう。
女性は30代前半、男性は70代前半が最も多いようです(下図の左側グラフはアンケート回答者の人口構成、右側が関係人口の世代別割合を示したグラフです)。

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男性の関係人口ボリューム層が70代なのは意外でしたが、国交省の発表資料には「年代×分類」までは報告されていないため、詳細は不明です。

会社勤務が多く 移動時間は2.5時間未満が大半

関係人口の職業で最も多いのは、会社員の31.2%に次いで、専業主婦・主夫の16.7%という結果でした。

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多拠点コリビングサービスADDressの会員はフリーランスの方も多数いますが、このアンケートではわずか1.2%(その他の職業)に留まります。
場所を選ばず生活できるフリーランスよりも、会社勤務の方が多いことは驚きでしたが、昨今のテレワーク・リモートワーク推進企業の増加傾向といった社会背景も理由として考えられます。

もう一つ興味深いのは、関係人口の移動時間についての結果です。訪問先への移動時間は、約6割の人が2時間30分未満となっているようです。

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就労型で見ると、1〜1.5時間未満が最も多く、アクセスの良さが条件となっているのが分かります。

他方で、参加・交流型は、約半数が2.5時間以上となっており、地域の人との交流を求める層にとって、必ずしも訪問先が近郊でなければいけないという理由はなさそうです。

分類別に地域との「つながり深度」要望に違い

関係人口の滞在時間は分類別に異なりますが、就労型は日帰りで、参加・交流型は2〜4泊との回答が最も多い結果でした。

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そして、関係人口で求められる地域との関わりは何か?の問いについては、分類別に以下のようになっています。

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直接寄与型と参加・交流型は、地域の人とのコミュニケーションを深めたり、多くの人とのつながりを持ったりすることを求めています。
一方で、趣味・消費型はいま以上の関係性は求めていないとの回答が圧倒的に多く、地域と深く関わるよりも現状のコミュニティにおけるアクティビティや飲食行為そのものに満足したい傾向にあると思われます。

では、地域と関係性を深めたい傾向が強い直接寄与型は、地域と関係性を深めるためにどのようなことを求めているのでしょうか。結果は、以下のグラフの通り。

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時間の確保に次いで多いのが、「地域の人とつながりを持てる場の確保」でした。確かに、知らない地域の知らないコミュニティに入っていくことは、ハブとなる人や場所がいない地域では非常に困難であると言えます。

直接寄与型が地域との関わりを継続したい理由についても、紹介されていました。

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最も多いのが、「人との出会いやつながりがあり、共感を得ることができる」こと。「楽しい、リフレッシュできる」というのも次点となっています。共感し合える=仲間意識が持てるのが、彼らが関係人口となり続ける要因であり、地域にとっては地域の発展に寄与してくれる外からの人口を集めるきっかけになるのかもしれません。

関係人口拡大に貢献するADDressの仕組み

ADDressでは、滞在先の家ごとに、必ず「家守(やもり)」と呼ぶ管理人がいて、特に地方の物件に関しては、家守が地域を案内したり地域の人を紹介したりする「コミュニティ・マネジャー」としての役割を担っています。

実際に、ADDressの家に滞在した会員が会員向けウェブサイトに投稿するレビューには、家守に関する感想が多いのが特徴です。一部を抜粋します。

(鳥取県岩美町にあるADDressの家のレビュー例)
今回、はじめて家族3人でADDressを利用することもあり、少し不安もありつつ伺ったのですが、オーナーご夫婦が温かく向かい入れてくださり、まるで親戚の家に来たようにのんびりと過ごすことが出来ました。
オーナーご夫婦にオススメ観光スポットを色々と教えていただきましたが、拠点のすぐ近くにプライベートビーチのような大谷海岸や、浦富海岸島めぐり遊覧船、鳥取砂丘など親子で楽しく過ごせる魅力いっぱいの町でした。

(長野県伊那市にあるADDressの家のレビュー例)
拠点の家守さんを始め、拠点へとやってくる街の人とのつながり。拠点に帰れば、「おかえり」と言ってくれる温かい雰囲気。そんな雰囲気に包まれながら澄み渡る空気に、アルプスの大自然を感じていると、都市の雑多な喧噪が嘘のような、なにか体の中からエネルギーが湧いてくるような感覚を覚えます。
また、是非、近いうちに伊那の街へ行きたいと思います。文句なしにオススメの拠点です。

「多拠点居住×家守×コミュニティ」を提供するADDressは、特に直接寄与型・参加・交流型の関係人口層の方々への要望と合致する仕組みと言えます。まだまだ全国すべての地域に展開できていませんが、徐々に対象拠点のエリアを広げ、関係人口の裾野拡大に貢献していきたいと思っています。

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今回の国交省による「関係人口アンケート調査(『地域との関わりについてのアンケート』調査結果)」につきましては、以下のウェブサイトより詳細結果を閲覧することが可能です。

【お知らせ】ADDressをもっと知りたい人へ

ADDressには全国にどんな家があるのか、どんな会員が暮らしているのかを一般の人向けに共有している交流会「ADDress Meet Up」を定期開催しています。

新型コロナウイルスへの感染拡大を避けるために、オンラインにて実施することが決まりました。直近の開催イベントをご案内しますので、ご興味ある方はぜひご自宅などからご参加ください。

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