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夜の大津散歩
「琵琶湖」で認識する滋賀県。大阪での仕事の際、どうしてもホテルが見つからずにそんな滋賀県の「浜大津駅」周辺に宿を取ることになった。
滋賀県に訪れた記憶というと、中学校の修学旅行で「比叡山延暦寺」へ行った時だろうか。
それも、京都を見て回った後に道すがら寄った程度の記憶しかない。
京都からアクセスする関所越え
初夏の京都に降り立ち、レンタカーを駆って目的地の大津の街を目指す。
京都からだと、山を逢坂山を越えてアクセスする。
かつては逢坂関が置かれ、山城国と近江国の国境となっていた場所だ。
今は道が掘り下げられてバイパスが通り、簡単に越えることが出来るようになった。
道の傍には旧逢坂山隧道の坑口が残る。
山を越えると坂に張り付くようにして市街地が現れる。
ここが今回宿を取った大津の町だ。
2つの駅
一言に「大津」と言っても、「大津」の名前を持つ駅が近辺に2つ存在する。
一つはJRの「大津駅」、もう一つは京阪の「浜大津駅」だ。
JR大津駅周辺を歩いてみると、写真のような懐かしい雰囲気が漂う商店街もあるが、新しめなマンションも目につきそれほど変わった街という印象は受けない。
ところが、そのJR大津駅から京阪の浜大津駅へと歩いていくと、なかなか奥が深い街なのだと気が付く。
大きな通りを見つけて、坂を下っていると背後から轟音がやってくる。
振り向くと普段は東京に住む私の感覚では普通ではない風景が目に飛び込んでくる。
一言で言えば路面電車なのだが、走っている車両がどうみても「普通」の電車なのだ。
「路面電車」と言われて想像するのは、あの1両の「チンチン電車」が思い浮かぶ。そんな車両が近づいてきたのかと思いきや、普通の見た目の4両編成がやってきたのがとんでもなく驚いた。
これは京阪の京津線で、どうやら京都方面からやってくる電車らしい。
写真は京都方面からやってきて、信号で停止する直前の様子。
同様に浜大津から出発した電車もこのように信号で止まるのだが、ここはなかなかの坂道。歩いて登るにも「坂」を感じるほどの勾配なのに、信号が青に変わると軽々と加速していくのは、只者ではない車両と感じる。
別の時期に訪れた際は、ご覧の通り雪が積もっていても平然と走っていく。
さて、この大通りを下り切るとまたなかなか見ない景色が広がる。
交差点の上空を縦横無尽に架線が駆け巡り、地面には路面電車の線路が引かれている。それゆえ、交差点がかなり広く取られている。
ちなみに、ここが「浜大津駅」と言うことになる。
さて、ここまでくると名前を知らない人がいない湖が目の前となる。
滋賀県の面積1/6を占める「琵琶湖」
駅と反対側を望むと建物がなく開けた景色が広がる。
手前に見える建物が「大津港」の船のターミナル。
琵琶湖が作る闇の中に、一際明るく見える。
近寄ってみると、既に営業時間を終えているために静まりかえっている。
ガランと広がる空間、シャッターが下りた券売場を横目にゲートを潜って湖へと歩みを進める。
湖を遊覧する船は何種類か存在するらしい。ゲートがいくつも用意されている。
岸壁に係留された遊覧船と月明かりに照らされた湖面がとても印象的な風景だった。
「浜大津駅」側から見た時は人の気配はなかったが、こちらに来てみると割と人で賑わっていた。
ベンチや階段などに腰掛けて話し込む人たち。湖の向こうの街の灯りがユラユラと遠くに見え、ゆっくりと落ち着いて話し込むには良い場所なのかもしれない。
この日は湖を眺めて満足したのでこのまま宿へ帰った。
大津の街の不思議な空間は、またの機会に紹介しようと思う。
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