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生っぽい

止まっている
けど動いている 
そんな写真に惹かれます
ブレているってほど
ブレているわけでもなくて
点と点の間に引かれた線
血管に打ち込まれた注射のように
血は静かに動いている
生っぽいって表現は
適切なのかどうなのかわからないけれど
奥山由之さんの写真は生き物を封じ込めた 二次元のジップロックのようです
その中身は
時間も
空気も
行為も
言葉も
音声も
町には溢れています
ああ溢れている
君の住む街には
君以外のもので
溢れていて
結局のところ
写しても写しても
完成なんかはしないのだって
諦念と肯定が入り混じった
笑みが溢れる
この捉えようのない
経過中の生を
連続体の時を
一瞬だけでも留めておいて
どこかの誰かの何かを
思い出すように
結局のところ
関係ないんだ
ないんだけれど
関係は想像で補完できる
余白
余韻
余りある生
はイマジンできる
奥山由之は 
生っぽいっ




雨ニモマケズ 風ニモマケズ