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春の終わり荒ぶる息「ARABAKI2024」


まだ終わっていない春があった
2019年以来のARABAKI
行って帰ってくるのが大変なので
純粋な楽しさに至るまでの過程それは旅
目的地を目指して移動する
点と点を結ぶドローイングに意思があったら
多少の煩わしさも含まれることでしょうね
天気予報はこの日に限って降水確率40%
他は晴れます暑くなりますって堂々と宣言しているのにこの日ばかりはなんだか釈然としないみちのく湖畔公園に向かうバスの窓に水が滴る

降るのか
やはり
一粒の水滴で憂鬱になる
なんてなんてナーバスなんだ
通常とは異なる精神状態を自覚しながら
高揚よりも憂鬱がまさるこんな気持ちで
果たしてフェスなんて
楽しむことができるのか
ピンク

さくら
桜はまだ咲いていた
植物を見て落ち着きを取り戻す 
平常心
降るときは降るし
降らないときは降らない
それはもう分からない
分からないことに
頭を使ってなんていられない
ニュートラル
揺れている振り子をピンで固定して
荒ぶる息を殺して

バスから降りてトイレに駆け込んだ
バスに乗る前に
用をたして行きたかったけれど
仙台駅から歩き出してしまったら
すぐ乗り場に着いてしまって
コンビニのトイレいっとこうか
どうしようかと悩んでいたら
続々と後ろに人が並びはじめて
行くに行けなくなってしまったのだ
ああ不安
最後にトイレ行ったのいつだったかしら
3時間前
大丈夫なはずだが
気持ちが高ぶっているからか
尿が溜まっているような下半身の
むずむずを覚える
バスの車内でもそわそわしていた
そわそわしながらも水を飲む
知らず知らずに相反する行為をしている
尿よ
溜まっているのかい
どうなんだい
はぁ
さっぱりした
公園の水飲み場みたいな勢いで
放尿する
NIYOU
パンフレットを受け取って
リストバンドを巻いて
腕を空高く掲げて
入場
ここは磐越
目指すは陸奥
旅がはじまる

誰かの歌声をバックに
歩き出す
まだはじまったばかりだというのに
キャンプエリアには
隙間なくテントテントテント
記憶に残っている
2019年版ARABAKIを脳内再生する
ここにステージが移ったのか
飲食ブースは分散したのか
人の流れに沿って足を進める
みちのく奥の細道

ここに
ごっつぁんファームが出店していたなぁ
今年は出店していないみたいで
移動しているタイミングで
なにか食べていこう
まだそんなに人は並んでいない
餃子のひぐちの
焼き餃子わかめスープ
スープに焼き餃子とは珍しい
熱々の餃子を頬張り
スープを啜り
紫外線に焼かれながら
はふはふ食べる
猫舌の本領発揮
熱いの食べると
時間がかかる
食べ終わってまた歩き出す
行進
急ぎたい人もいるなあ
走りたくても人の壁に阻まれて
次第に走りが歩きに変わっていく
行進にのまれていく
巡礼
プロレスやってる
ピンクの桜
ステージ
ステージ
ステージ
うたうたうた
オトオトオト
陸奥ステージエリア近くまで辿り着いて
物販を買いに行こう
物販は並んでいる
みんなとりあえず 
お目当てのグッズを手に入れてから
繰り出すんだ
2019年は何を買ったのかしら
思い出せないラババンだったかな
お土産にラババンは買ったな
今回はきっこーちゃんとARABAKIのコラボキーホルダーとCreepy Nutsのラババンを購入
密かに憧れていたきっこーちゃんグッズを
フェスで買うとは思わなかった
緑黄色社会までまだ時間がある
カレーを食べたいと
思っていたからカレーを食べよう
レモンクリームチキンカレー
辛さはない
ちょっと熱い
猫舌の本領発揮
はふはふ
はふはふしてたら
時間に余裕がなくなってきた

緑黄色社会は前回初めて観たんだ
その時は湖畔の手前がステージで
寒かった
もっと小さなステージだった 
知ってる曲
知らない曲
半々くらい
緑黄色社会はドラムは
サポートメンバーなんだっけ
全くカメラに映らないから違和感を覚える
ボーカルの一挙手一投足を
カメラは追いかけている
リョクシャカ
朔丸師匠が白河で
ライブを撮影していたな
リョクシャカ

キタニタツヤはあんまりよく知らない
MCを聞く限りでは宮城県出身なのかな
ロックンロール
踊れるパンクな音像だ
アニソンが有名らしい
ふむふむ

Creepy Nutsも前回初めて観た
DJ松永のターンテーブルに熱狂したんだ
あんなに速く
正確に
人は
ターンテーブルを操れるものなんか
その年DJ松永は世界一になる
音が大きい
音が割れている
スピーカーの近くにいるのも関係している
多分
R指定がなに言ってるか聴き取れない
序盤
耳が慣れてきたのか
音が調整されたのか
次第にクリアになってくる
フェスで生業歌うんだって驚き
ブリンバンバンボンは
みんな踊るのかな
踊らないな
手を上げてはいるが
私は
直立不動
ノッていないわけじゃない
省エネを意識しているだけで 
 なにせ
暑いので
まだまだ1日は長いので

陸奥から移動しよう
民族大移動
この流れには逆らえない


コットンキャンディーの歌が聴こえる 
このステージで赤い公園を観た
今この場で
赤い公園のTシャツを着ているのって
他にも誰かいるのかな
ファジーネーブルを聴き終えて
帰ろう
バス乗り場は磐梯
帰り道は
公園の外周



非日常だったはずのARABAKIは
日常と地続きになっていた
Creepy Nutsのラババンと
ひとりぼっち秀吉BANDのラババンを
右の手首に巻く
明日晴れたら行こうか 
そんなラフさでフェスに行きたい 
ふと外ヨガの光景がよみがえる
外でのヨガは今の状況も含めて五感で楽しみましょう
まさしく野外ライブも
そうならざるを得ない
違うところは雨が降ったら
ヨガは室内に移動する
ライブは過酷さを
増すばかりの環境に打ちひしがれる
順延できない運動会
立ちっぱなしで腰が痛い
日に焼けた肌が痛いくらいで
余韻もない
感情はニュートラル
この日を経てなにかが変わる予感もしない
この日
この時
あの日
あの時
いつかまたフラッシュバックするんだろうね
ハローハロー私
あなたの
アイデンティティはいかがですか











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