私から見た「コモビジョン」(8)〜理事会からのガバナンス〜
コモビジョンについて今日も書いていきます。
備忘録的に、そして他の方々がビジョンをまとめるときの役に立てばと思っています。
そもそも今回のコモビジョン作成を始めたきっかけは理事会によるガバナンスからでした。2020年にコロナ禍に突入し、主活動で主財源だったミュージカルプログラムを休止し、それでもビジョンを諦めずにオンラインに活動の場を移しました。ミュージカルができないことの反動から、組織運営を維持するためのアドレナリンから、まずは目の前の「できること」をやっていきました。必死に頑張って、オンラインのプログラムを多数生み出し、新しい手段でビジョンを目指せると感じ、定款の事業名称を実態に合わせて変更しようと動き始めました。
今振り返ってみると自分自身が短略的だったなぁと思うのですが、その当時やっている活動実態に合わせての名称変更に過ぎず、ビジョンに接続すると信じてやってはいましたが、それがビジョンのためにどう接続していくのかをあまり考えきれていませんでした。
理事会に名称変更をしたい!と議案を提出しましたが、「コモンビートは何を目的とした団体なのか?」「誰の何のための団体なのか?」「実態から考え過ぎて目的を見失ってはいないか?」などなどのフィードバックをいただきました。その時に「確かに!」と思ってしまった(笑)、自分への衝撃はとても大きかったのを覚えています。その衝撃から、もっとビジョン上流から考えて、今までの活動とコロナ禍で生まれた活動と、未来とをつなげていかなければと考えるようになりました。この理事会からのフィードバックという名の、問いかけという名のガバナンスは本当にありがたかったなぁと思っています。
その後、コモビジョン作成に取り掛かるわけですが、週1のミーティング議事録を理事会に報告して、プロセスを見てもらいつつ、理事のみなさんが何か違和感を感じた時には、カットインしてくれて、方向性の再認識や議論してきたことの整理をしてくれました。そして、時に「その方向で良い」という勇気づけという名のガバナンスもありました。
そして、完成したコモビジョンを10月に理事会に報告し、まだブラッシュアップしないといけないところはあるけれども、方向性としても積み上げた成果物としても承認をもらいました。この承認をもらえた瞬間はとても嬉しかったですし、ほっとしたところもありました。冒頭の定款の事業名称変更時の指摘から約8ヶ月が経ち、ようやくその上流となる部分が明確になってきたということです。
それから11月の発表に向けての準備を進めました。ホームページや説明文章ですね。そして、それも完成して「明日発表します!」と理事会に報告したところ、10月の理事会時に指摘した「ブラッシュアップ部分」について、しっかり説明できていないのではという指摘が入りました。発表直前ではありましたが、もっともな指摘でした。なので一度立ち止まって(発表を遅らせて)、理事全員で指摘された点について話し合いました。そして、コンセンサスを取り直し、発表となりました。
発表寸前にこういう指摘が入ると「うっ!」って思いがちなところですが、これも理事会によるガバナンスだったと思っています。世の中に発表するということ、コモビジョンに書かれていることへの責任と覚悟を理事会に改めて問われたように思います。そして、発表前に理事のみなさんとビジョンの最上流について改めて議論できたことは、自分たちが自信を持って今後もコモビジョンを伝えていくためのエネルギーに変わったと思っています。
理事会からの適切なガバナンスが働きながら、こうしてコモビジョンが完成されました。そして、これからも理事会によるガバナンスを受けながら、社会と時代の動きに合わせて事業・活動を推進していきます。