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レコード夜話

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#二人称代名詞

半生の レコード夜話

半生の レコード夜話



はじめに

 「レコード夜話」と題して、歌謡曲やらなにやらの歌曲にまつわる話を、少しずつ書きつけて行こうと思っています。

 文中で触れたレコードにあっては、そのジャケットの一部を掲出してみますので、併せてご覧いただき、往時を偲んでいただければと思います。

 補記 劈頭のレコードジャケットは、かつてNHKラジオで放送されていた番組のテーマ曲を、改めて録音した際のものです。

レコード夜話(第8夜)

レコード夜話(第8夜)



 人称代名詞にあって、自称(一人称)と他称(二人称)の有りようついて、今回も引きつづいて歌謡曲のなかに見てみたいと思います。
 「わたし」と「あなた」の関係が少し崩れて来て用いられると、つまりは多くの場合にあって、男と女の仲が馴れ馴れしくなって……ということになるのだろうけれど、相手をさしていうのも崩れてきて「あなた」は「あんた」になるんですなぁ。そうした関係性のなかにあって、自分をさして言う

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レコード夜話(第6夜)

レコード夜話(第6夜)



 前回に、対称(二人称)の代名詞としてまず挙げるべきは〈あなた〉という言いである――と記したことでした。そうして、そのような表現がなされてある歌謡曲の例として、小坂明子の「あなた」を挙げてみました。もとより〈あなた〉という呼びかけがなされている曲はとなったら、たとえば「知りたくないの」(菅原洋一)だの「おふくろさん」(森進一)だの「お嫁にいくなら」(安倍律子)だのだのと、無数にあるといってよか

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