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2016年11月の記事一覧

保険の保険の保険

なぜだ、なぜ生きている。俺は確かに死んでいるはずだ。ついさっきお昼ご飯はラーメンを食べに行こうと思い立ち、駅に向かった。丁度駅につくその手前の交差点で車にはねられたのだ。自分がはねられた瞬間は覚えている。車に激突した瞬間自分が回転して腕の骨が音を立てて粉砕されるのを感じた。はじめは痛みはなく、感覚だけだった。しかし地面に叩き落とされた後、言いも知れぬ背筋の冷たさと周りのじんわりとした温かさを感じた

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