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【映画の感想】 日の名残り

「日の名残り」The Remains Of The Day は、カズオ・イシグロの小説を映画化したもの。

私はカズオ・イシグロの原作を読んでいない。
映画と小説では違うところがけっこうあるらしいが、原作を読んでいないので、私にはわからないです。
いずれ原作を読んでみようと思ってはいますが。

で、映画ですが。
アンソニー・ホプキンス主演ということで、
なんとなく作品の雰囲気を予想してました。
はい、予想通りの雰囲気でした。
アンソニー演じる貴族に使える執事は、ストイックに仕事に徹していて、本心を吐露することがない。
メイド頭のケントンへの感情もよくわからない。
恋愛感情を抱いているように見えて、そんなわかりやすい感情じゃない何か別なものも含んでいるようにも思えた。
そういう複雑な感情を内包していると思わせるのは、
やっぱりアンソニー・ホプキンスだからでしょうね。
わずかな表情の変化、小さな動作ひとつひとつが、言葉以上に語りかけてくる。
まさに名優ですわ。大好き。


派手なアクションやわかりやすい事件などは全くなく、
直接的な物言いよりは含みを持たせてたり、職務に応じた受け答えがほとんどな会話は、わかりやすい感情表現ではない。
そういう点でこの映画は、お気軽お気楽に見る娯楽作品ではないかもしれない。
自分の頭の中で、自分なりの変換をしながら、機微を感じとっていくような映画だなぁと思いました。



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