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日本人男性の武具の美

男性の世界でも、室町時代から江戸期にかけて、世界に類のない装身具(身につけるという広い意味で)が存在しました。

鎧(よろい)、兜(かぶと)、刀(かたな)といった武具が、実用具というよりむしろ権威を示すためのものとして、高度かつ過度の装飾を加えて、一種の美術品にまで仕上げてしまった日本人の美的感覚は見事だと思います。

戦国の世の武将の人生から生まれた、美を求めようとしたこうした装身具は、最も男らしい生活にふさわしい、男性の宝飾品だと思います。

こうした状態で、明治維新を迎え、廃刀令とともに一斉に職人が転職を強いられました。こうした人々が初期の宝飾職人となっていきました。それは、形こそ変わっていきましたが、昔からの技術が基礎となっていきました。

新しくスタートをきった明治期の宝飾品業ですが、一説によると、明治二〜三頃すでに、長州、毛利家の命令でダイヤモンド入りのカマボコ形の指輪が作られたと伝えられています。

古くから伝統を生かして新しく宝飾品造業の挑戦した人々が今日の宝飾品産業の基礎を作りました。

今では、欧米諸国をしのぎかねない勢いに、夢のような思いがします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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