見出し画像

冬と春のあいだ

三寒四温であっという間に春めいてきた、ここニセコ。
とはいえ、山の上はまだまだ冬が続いて、なんと粉雪が楽しめちゃいます。
ご存じの方も多いと思いますが、北海道は緯度が高いので森林限界が低く、標高1000mを越えるとアルパインエリアが、ど〜んと広がっています。
アルパインエリアというのは、過酷な環境によって高木が育たないエリア(正式な定義かどうかは不明です〜)

私んちは標高約180mにあるので、ここは雪が溶け始めた春!
さすがに半袖ってことはないけど、ダウンジャケットも薄いものに変化しました。

しかしニセコスキー場は、リフトに乗って標高約1160mまで行けちゃうので、春から一気に冬に変わるのです。
(ここで要注意ですが、雪がある時は雪崩の危険性があるので、ヘルメットの着用始め雪崩トランシーバーなどの装備必携です。)

トップリフトから登ること約20分で、アンヌプリ山の頂上へ到着。避難小屋は氷の中。

話はブーンと飛びますが。

戦時中、ここではゼロ戦の着氷実験が行われていました。
昭和16年ごろより、ここ山頂に実験所を建設して、雪の研究家として有名な中谷宇吉郎教授のチームが、着氷の機構を調べたのです。
終戦直後、その機体は山頂から谷間に投棄され、1990年に北海道新聞がその場所を特定し、2004年に倶知安町にある風土館が中心となり回収に成功しました。


そんな偉人たちの挑戦に想いを馳せながら(戦争の是非はさておき)。

シューシューとスキーで滑り降りていくと、雪がどんどん変わってきます。
サラサラだった粉雪が、どんどん水分を含み始めてトロリンとした感じ。サラサラだと抵抗が少ないのでスピードが出ますが、トロンとしてくると抵抗が大きくなって、とたんにスピードが落ちてきます。

スキー場の裏側をシューっと滑るたくさんのシュプール


森林限界から里近くへ降りてくると、そこでは強くなってきた春の陽射しが差し込み、冬芽が膨らみ始めた木々たちが嬉しそうにしていました。

待ち望んだ春にヤッホーな岳樺

冬と春のあいだ

冬ではなく春でもない。
冬に行ったり春に行ったり。
行ったり来たりで季節を楽しむ。

日本には四季だけじゃなく、あいだの季節もあることを感じる毎日。
そっか!八季節あるってことね(笑)。
こうやってnoteに書いていると、私ってこんな中途半端な季節が好きなんだなーって思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?