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温故知新〜イワオヌプリに感じる開拓の歴史

北海道へ移住し、最初に悲しいなぁと思ったのが歴史が浅いということ。
けど、それは私の浅はかな知識であって。
そもそも先住民族のアイヌ文化しかり、それ以前は樺太から南下したオホーツク文化や精神性の高いと言われる縄文文化が栄えていたわけですから、深いふか〜い歴史があるのです。

東京で生まれ育った私は、あたりまえの如く本州の歴史を学んできました。
いや、正確にいうと日本の歴史=本州って思っていたのかも。

お恥ずかしいはなし。

北海道と本州の時代区分が違うということを知ったことは、強烈な出来事でした。

歴史好きとしては、とことん勉強したい!と思う今日この頃です。

そんな私のテーマとなっているのが山岳信仰。
いや、そこに行き着いたのは、日本神話好きから派生したんだと思います。

となると和人の文化だから、北海道独自の文化とはちと違う。。。

なんだかまだ頭がグチャグチャ状態ですが、まずは地元であるニセコの山について、ちょこっと調べつつ登りつつを。


ニセコというと世界的リゾートとして有名になりましたが、スキー場があるアンヌプリを最高峰として、東西約25km、南北約15kmの火山連峰です。

その中のひとつである「イワオヌプリ(標高1116m)」が、歴史的にもなかなか魅力的な山なので、今日はご紹介しますね。

山名の由来はアイヌ語。
「イワウ・ヌプリ=硫黄の山」からきています。

登山口のある五色温泉は、北海道としては歴史古く、開業は昭和5年になります。
ちなみに、源泉掛け流し!めちゃめちゃ肌がツルツル滑らかに!

この山が開かれたのは、遡ること江戸時代に硫黄鉱山として。
しかし本格的に採掘が活発化したのは、江戸時代の終わりに近い1860年頃に入ってからだそうです。
当時硫黄は、日本の重要な輸出品であるマッチには欠かせないものだからです。

登山口から歩き出し少し進むと神社があり、毎年山開きが行われています。

安全祈願と山に登れる健康があることに感謝!

出だしは急な階段が続くので、焦らず慌てず一歩ずつゆっくり登っていきます。
登り切ると後は、なだらかな斜面(岩もあり)になるので、雪の重みで横にニョキニョキ伸びてきた白樺をくぐりながら、横移動をしていく感じ。

途中に砂礫帯も出てきて、「おお〜っ、なんだか火山の山ね」とワクワク感が。

ほどなく進むと、イワオヌプリ山頂方面とニトヌプリ・大沼方面の分岐があり、山頂へ行く場合は、標識に従って進んでいきます。

が、山頂へは行かず、大沼方面に進んでいくと、その先には硫黄鉱山跡が残っているのです。

硫黄鉱山跡地にて
明治の初め、ここから日本海側(岩内)へ硫黄を運び出していたそう
中央を流れるのは硫黄川

最盛期には、一つの町としての営みがあり、鍛冶や鋳物の工場、社宅に診療所、なんと小学校まであったというから驚きです。

跡とと言っても建物などは残っていませんが、四方を山に囲まれた空間に、確かな痕跡がいくつかある貴重な歴史的空間です。

建物の土台?それとも橋でしょうか??
尾張耐火の煉瓦、発見!
株式会社日本陶業の前身だそう

資源を使い切っている今の時代、このような採掘後に違和感を覚えることもありますが、だからこそ今があるのだと思うのです。

温故知新
故きふるき温ねたずね、新しきを知る

そんな旅をこれからも重ねていきたいなぁ。

ちなみに山頂付近には、今なお、黄色に輝く硫黄を見つけることができますよ!

クンクンすると確かな硫黄の香りが!


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