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これぞ日本の宝!〜里山文化
私たち日本人には、当たり前のように感じる「里山文化」。
都会から電車に乗り、ちょっと田舎に行くだけで広がる田園風景とその奥にそびえる山々。海沿いを走れば次から次へと目に飛び込んでくる漁港や、周りに点在する民家の景色。
うさぎ追いし かの山〜
小鮒釣りし かの川〜
幼少の頃、誰もが歌った「故郷(ふるさと)」が、まさに日本の姿ですよね。
あれ?もしかしたら最近の子どもは歌っているのかな?
この姿って実はとっても素晴らしいもので、いつまでも大切にしていきたい日本独特の文化だと私は思うのです。
以下、2015年にスキージャーナル社「ザ・ラストフロンティア」に寄稿した旅エッセイより。
日本には、世界と違う里山文化があると思う。山や海の恵みを得た里の人々は、食べ物や民芸品などを生産し暮らしている。
それを都市の人びとは消費することによって里を支えるという、共存共栄の姿がある。
何より日本らしいところは、海と山が近いことによりその姿がぎゅっと凝縮されていることだ。
(中略)
里山文化は世界に誇れる立派な日本の姿だと私は思っている。
近年、日本には多くの外国人スキーヤーが訪れてくるが、雪質だけを求めるのではなく、「THE日本のスキー」に触れてみたい人も多いのではないだろうか。
昨日、所属するガイド協会の先輩(歳は下だけど経験、実力ともに大先輩!)に誘われて、小樽近くの里山スキー遊びをしてきました。
海沿いの駅近くからスキーを履いて、いざ出発!
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里山によくある姿は、ツルが巻き付いた木々。
人の手が入らなくなるとツルの勢力が勝ってしまうこともあります。樹木にとってもツルにとっても生き残るための闘いなんですね。
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気温は低かったけど太陽が顔を出すと、アカゲラが大きな音を立て木に穴を開けていたり、いろんな動物の暮らしの足跡が混在していたり。
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多彩な森の姿を堪能しながら高度を上げると、そこには真っ白な雪原が広がる別世界。海沿いから登るので標高わずか400mを越えるだけで、こんな景色が広がっているんです。
光と影のコントラストが見事な造形を生み出す、それはもう奇跡としか言いようがない唯一無二の作品です。
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振り返ると遠くには石狩湾と小樽の町が見え、里山としての存在が大きく心に響いてきました。
山と海がつながり、そこに人々の暮らしがあるという愛おしき日本。
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登り始めて2時間ちょっと。
標高629mの塩谷丸山ピークに到着です。
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私たちはスキーヤーですからね、ここからは滑って下れるという醍醐味が待っています。
スノーシューで登るのももちろんアリ!
下りに時間がかかるけど、その分自然を満喫できること間違いなしなので。
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最後は民家が点在する道路まで滑り降りてフィニッシュ!
その後はスキーを担ぎ、車を停めてある場所までテクテクと歩いて帰ります。
途中で会った地元のおばちゃんから「こんにちは」なーんて挨拶されたり、スキーを担いで踏切を渡ったり。
これぞ日本の宝!里山スキー万歳!!
北はスウェーデンのDundretから、南はニュージランドのQueenstownまで、世界各地を滑ってきた経験から、こんなにも人肌暖かく暮らしと寄り添った雪山が存在する国は日本だけだなと。
石の文化ヨーロッパは、アルパインと呼ばれる樹林帯の無い世界。
北米には樹林帯はあるけれど、大きな針葉樹林が多く、人里離れたリゾート地。
南半球オーストラリアは森の中を滑れるけれど、ここまで豊富な雪はありません。
暮らしの中に山があり海があり文化として発展している日本、もっともっと旅して体感したい!という気持ちがムクムクと膨らんできちゃいました。
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