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taketabi
Marie
今日も店は忙しい
流行りの病だかなんだか知らないが此処ではあまり関係無いらしい
広くないカウンターだけの店に変わらない顔ぶれが毎日集まる
不意に見かけなくなる顔も居るが深く詮索しないのが暗黙の了解と言ったところ
誰が来なくなろうと私の安月給は変わらない
酔っ払いの相手をして谷間にチップを挟ませて、ウォッカの混ざった水をウォッカと名付けて売るのだ
体を売ればこんな生活すぐ抜け出せるのかもしれないが体を売ってまでお金が欲しいと思えない
私に触りたがる客に据え膳の様にチラつかせてお預けしてチップだけを頂く
そんなしょうもないやりとりに少しの優位さと自分の承認欲求を満たされてるのかもしれない
人を好きになるなんて気持ちの余裕もとうに忘れ昔住んでいた街の幼馴染は去年3人目の子供が産まれたと手紙を寄越した
運命の恋だとかときめきだとか、そんな言葉を夢見た日々も毎日吸うlucky strikeの煙と一緒に何処かへ霞んで消えたんだろう
こんな平凡などこか薄汚れた生活も、流行りの病に困り果てる世の中からしたら贅沢なものなのかもしれない
*以上、久しぶりの短編でした。
1日お疲れ様でした
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